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さいたま拘置支所問題、警察へ波及か

「警察が証拠隠滅」などと法務大臣へ直訴

 徳留隆成被告(覚せい剤取締法違反でさいたま地裁で公判中)は、さいたま拘置支所で刑務官から違法な便宜供与を受けていたことを告白している。しかし、告白は、それだけにとどまらない。

 2020年11月12日、筆者に徳留被告から手紙が届いたことは、前記事〈川越少年刑務所が「臭いものにフタ」〉で書いた。実は、手紙は2通あり、そのうちの1通には、徳留被告が山下貴司法務大臣(当時。2018年10月2日就任、2019年9月11日退任)へ送った手紙のコピーが入っていた。

 それを読むと、徳留被告は警察の捜査を批判している。しかし、現在、公判が続いている覚せい剤取締法違反事件のことではない。以下、手紙から引用する(明らかな誤字は修正し、句読点を補った。カッコ内は筆者注)。

〈法務省は法律の運用や人権の保護などの事務を取り扱う中央官庁なので、認めたい事を綴ります〉

〈私は余罪を自白しているのです。放火と窃盗、万引き、被害額80万円ぐらいと、他人名義のクレジットカードを使い、一枚50万以上、不正使用したこと、ドロボーした4枚のクレジットカードの件もあるのです。傷害3件、恐喝4件、その他、チャカ(拳銃)一丁と実弾20発の話しなど。今かいた事件のこと、茨城県警筑西警察署鯉渕清治係長に自白したのですが、面倒臭いのと、鯉渕係長が定年ということで、バレてることも被害届が出てる件も全て捜査もしないのです。それが日本の警察として当り前なのでしょうか〉

〈私がだまして作った銀行系の私名義のクレジットカード、マスターカードの件は、警察官自身が隠してくれている始末です〉

〈鯉渕係長の話しでは、筑西警察署署長や留置課長、刑事課長たちが私の事を再逮(再逮捕)して身柄をもってくると面倒くさいし、放火の件もこちらでうまく事件にならないようにするとの事で、自白してても無視されているのです〉

〈私はもう暴力団をやめ、一人の人間として残生ボチボチ(原文は、ボチ〱)生き、余罪もきれいにしたいのです〉

〈私は事件に関係ある者も全て喋るとしても、もういいよとの事です〉

〈私は今まで日本の警察には■(判読不能)逮捕とか、ぜったいパクらない(逮捕しない)と言われてた件をほり出してパクられた事をされ、もう二度と汚い事されたくない為、自白しているのです〉

〈警察が犯罪の解明をせず、証拠隠滅をすることが当たり前でいいのですか。私は次はマジ更生します〉

〈暴力団に殺されてもいいのです。今までの犯罪を全てきれいにして、残生どうなるか分かりませんが、一からやり直したいのです〉

〈私の事が面倒臭いとして、全てを無い無いに出来るのですか。私は己のしたことでいちいち(原文は、いち〱)懲役を気にしてないのですが、警察のやり方が納得出来ないのです〉

〈法律の運用など、きちんと対処させて下さい。お願いします。何も考えず、のんびり、いつ死んでもいいように、のんびりとしたい。100円ライターのような使い捨てのような人生は疲れましたので。法務省でなんとかして下さい。妄言多謝、失礼します〉

山下法務大臣殿

法務省も茨城県警もほおかぶり

 徳留被告の手紙は法務省で、どのように処理されたのだろうか。大臣官房秘書課から矯正局へ取材の電話をまわされ、得られたコメントは以下のとおり。

「法務大臣宛の手紙は秘書課で処理方法を対応します。(徳留被告の)手紙は矯正局を含む担当部署へ行っている見込みですが、個別の事案につきましては回答を差し控えさせていただきます」

 茨城県警本部に徳留被告の手紙の真偽を問い合わせたが、「コメントを差し控えさせていただきます」(県民安心センター)とのことだった。

 徳留被告には公開の法廷で供述する機会もあり、このまま真相がウヤムヤになるとは思えない。

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