記者クラブいらない訴訟、第2回口頭弁論

 2023年12月11日、東京地裁(大須賀寛之裁判長)で「記者クラブいらない訴訟」の第2回口頭弁論が開かれた。

 事前に被告の共同通信社、前田晋吾氏、久納宏之氏は準備書面と書証を提出しており、それらが正式に被告の主張、立証として採り上げられた。

 民事訴訟の序盤は準備書面と書証のやりとりで費やされる。それらの中身は法廷でつまびらかにされないので、傍聴しているだけでは、訴訟の争点や進行状況がほとんどわからない。しかも、口頭弁論自体は、原告と被告、双方の弁護士の都合を聞いて、次回の口頭弁論の日時を決めるだけで、数分で終わってしまうことが少なくない。

 実際、「記者クラブいらない訴訟」の第2回口頭弁論も、原告の寺澤有が近々提出する予定の書証についてひとこと、原告の三宅勝久が被告の準備書面の疑問点についてひとこと述べたあと、第3回口頭弁論を2024年2月5日10時から開くことを決めて、約6分で閉廷した。

 これでは、わざわざ傍聴に来てくれる方々に申しわけないので、原告としては、訴訟の見せ場である原告や被告、証人に対する尋問が始まるまで、積極的には傍聴を呼びかけないつもりである。

 被告の準備書面に以下の記載がある。

〈鹿児島県政記者クラブである青潮会は、鹿児島県政を取材している新聞社、テレビ局、通信社14社(南日本新聞社、西日本新聞社、日本経済新聞社、読売新聞社、毎日新聞社、朝日新聞社、南海日日新聞社、日本放送協会(NHK)、南日本放送(MBC)、鹿児島テレビ放送(KTS、以下「KTS」という。)、鹿児島放送(KKB)、鹿児島讀賣テレビ(KYT)、一般社団法人共同通信社(以下「被告共同通信」という。)、時事通信社)の記者が加盟している任意団体である〉

「任意団体」というのは、『広辞苑 第七版』(岩波書店)によれば、「法律上の公の団体と実際上は同じ目的を持ちながら、資格や手続が不備で法律の保護を受けられない私的団体」のことだ。同窓会やサークルが、よく例に挙げられる。

 この「任意団体」である青潮会が、「鹿児島県知事の記者会見は自分たちが主催している」と主張し、鹿児島県知事が公務時間中に鹿児島県庁舎内で行った記者会見から、寺澤と三宅を実力で排除したことが合法か否かが、「記者クラブいらない訴訟」では争われている。

「そんなの違法に決まってるだろ。記者クラブのために税金を払ってんじゃねえぞ」というのが大方の国民の反応だと思う。しかし、裁判官の中には、「自分は『大方の国民』とは違う」という強い自意識を持つ者が散見される。「記者クラブいらない訴訟」の行方が予断を許さないゆえんである。

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