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あれから11年。

遠い記憶。

教室の水槽が揺れて、言われるがままに机の下に潜った。怖いとは思わなかった。

ただ分からなかった。

冬の空気で冷えた体育館の床で友達と待っていると母が迎えにきた。家に向かう途中の道は、少しひび割れていた。

見たかったアニメの代わりに、ニュース番組が流れていた。楽しみにしていたのに。

見たことない黒色の波は、次々に家を飲み込んで、人を飲み込んだ。知らない国みたいだった。

今なら分かる。

失われた命の尊さ、残された人の虚しさ。
11年の月日が経っても、変わらない。

どれだけ遠い記憶になっても、
忘れないで繋いでいく。

あれから11年。

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