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ゲームと貯金、生活。

 昔からゲームがどうしても苦手だった。データは残るものの、スイッチを切れば何も残らない気がして「この時間は何だったんだろう」と思ってしまう。みんなはなぜか楽しそうにゲームをしていた。僕はそれを横目に左手で本のページをめくる。理解ができなかった。僕はその空虚さに耐えられなかった。
 昨日、スイッチを買った。今までは何も残らないと思っていたが、一緒にいる人ができて、ゲームをした思い出が2人に残ると思えたからだ。あいつらもこれを楽しんでいたのかな、と思った。

 僕が空虚さを感じるものとしてもう一つあげるなら「貯金」だ。もちろんお金を貯めるのはすごく大事だ。でもお金を貯めるだけでは、思い出や経験が貯まらない。将来の不安は少しだけ拭えるかもしれないが、振り返った時にその人生には何が残るのだろうか。
 『今を生きることが大切』ってよくいわれるけど、実はすごく難しいことだと思う。将来、安心していたいから貯金しよう。うん、もちろん大事。けれど「これ、すごく美味しい」とか「一緒にすごせる今の時間が楽しい」とか、そういった毎日感じられるはずの小さな幸せを、私たちは跨ぎながら歩いているのかもしれない。

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