わくわくする職場

ほんの紹介『ワクワクする職場をつくる』

世代間ギャップの存在を忘れないようにしないと、若いメンバーとそもそもボタンの掛け違いをしてしまいそう。就職氷河期世代は一番ドライな世代なのですね〜



無感情職場


このままで、自分も組織も大丈夫なのだろうか、ちゃんとやっていけるのだろうかと不安感を募らせ、状況が改善されないと、前向きな気持ちが持てなくなり、自分に自信を失っていく人も増えていく。最終的には、何をしてもどうせ変わらない、我慢しよう、耐えようといった「あきらめ感」が職場全体に広がっていく。この「あきらめ感」を覚えている人が過半数を超える職場が非常に多い。多くの人は、自分の感情を押し殺すようになります。じっとして、周囲の状況に流されない、振り回されないように、心の感度を鈍らせていきます。経営者が厳しいメッセージを出したり、管理職が一方的な指示をしても、いちいち腹を立てない、イライラしない、そうやって心を乱されて疲弊するぐらいなら、じっとしていよう、やり過ごそう。それが一番賢い生き方だと思うようになる。こんな人たちばかりの職場を、感情が交流しない職場という意味で、「無感情職場」と読んでいます。みんな、目の前の仕事、自分の仕事はしっかりやっています。だから
仕事のために必要な情報は伝え合っています。でも、そこに感情を乗せない。無機質な会話だけが繰り返される。困っている、苛立っている、悩んでいる、落ち込んでいる。そんな気持ちがあっても、気づかれないように、自分の中に押し込めていく。こうした職場で働いていると、ますます自分の感情が見えなくなります。自分自身が本当はどうしたいのか、自分が本当はどうありたいのかが見えなくなる。そして感情を切り離して働くことに慣れていく。こうした職場の状況は、人からさらに前向きさを奪っていきます。みんな本当に一杯いっぱいなのです。頑張っても報われるどころか、ますます追い込まれてるだけだと思っているのです。だからこれ以上、負担を増やしたくない。

閉塞感から抜けられない理由、職場から何が見失われたのか

①閉じこもる働き方⇨働く喜びが持てない。自分ができることはしっかりやる。でもリスクのあること、自分の成果につながらないことはやらない。
②関係の希薄化⇨仲間の大切さがわからない。お互いが見えない。忙しそうに働く仲間に声をかけられない。本当に困ったときほど逆に相談できない。
③方向感の喪失⇨思いや志が湧いてこない。対話できない、共有できない。人の思考を孤立させてしまう。自分の中に、仕事の意義を見出そうとする。ところが、忙しい日々、本音を語る仲間がいない状況が続くと、何のために働いているのか見えなくなる。夢、期待、未来、思い、志まで見失ってしまいます。

成果だけを見て、その人の努力や取り組み、成長を見ない仕組みを継続しつづけ、やる気が失われることを放置した。どうせ変わらないと思うと、不満を口にすることもやめてしまう。そうやって、物言わぬ社員ばかりになっていく。

なぜ多くの変革はうまくいかないのか

①大切なのは、現場で起きていることの根幹にあるものが何かを明らかにし、そこで生まれている意識や行動原理が、組織全体の動きや今後の企業の成長にとって大きなブレーキになっている、足かせになっていることを示すこと。
②互いの領域はおかさないことの大弊害。社長や会長の顔色ばかりを見ていて、お互いのことを見ていない、横のつながりが持てていない。せめて、現場を預かる者同士はお互いが見えるように努力することが必要です。

経営者のメッセージが響かない理由

①今の仕事の仕方、今の状況とかけ離れた夢物語を示されても、それが現実になるとは思えない。
②変わるのは、君たちだ。意識と行動を変えなさいと言われると、正直、抵抗感を持つ人たちもかなりいる。立場の違いを乗り越える、強い思いや心を開かせる姿勢が大切で、それを意識しないまま、一方的なメッセージを繰り返しているだけでは、何の解決にもなりません。

仕組みだけで行動は変わらない

仕組みや構造を変えると、仕事の進め方やコミュニケーションの仕方も変えないといけない。ところが、目の前の業務は相変わらず変わらない、あるいは変えなければならないのに変えられない。一方的に今までのやり方を否定すると、自分たちがダメだと言われているように受け止める人もでてくる。さらに、一時的には制度に合った行動をとっても、大して報われないんだということを学習すると、賢く振舞う、うまくやる方法を考える人ばかりが増えていく。

現場からうねりをおこすために

危機感や思いを持った人たちが、素直にどうにかしたいという思いを重ね合い、動き出していくほうが、良い動きが生まれてきます。そこが変革の起点になるという考え方を持つことのほうが、実際の変革を起こせるのです。

「組織が変わる」というのは主語の間違いで、主語は組織の中の大半の人々であり、とりわけあなた自身だ。だから、組織変革の問いは「組織が変わるか」でなく、「あなた自身が変わるか」という問いになる。

危機感だけでは人は動かない

あくまで現場が主体であり、現場が動き出す状況を作り出すことが大事。自分が何年後に、どんな仲間と、どんな仕事をしているのか。そして自分たちが生み出していくものが、誰をどう幸せにするのか。日常の中でどんな対話をし、お客様からどんな言葉が帰ってくるのか。こうしたやりとりを通して、イキイキと働く自分をイメージできることが大切です。
ビジョンは浸透させるものではななく、共感するもの。
今、求められているのは、変えたい、良くしたいという強い思いを軸に、みんなで一緒に踏み出し、みんなで一緒に変わっていく「思い起点」「関係起点」の変革です。

組織が変わる三つのステップ

①関係革新。関わり合えない、対話ができない関係を、まずは互いに関心を持ち、共感し、信頼できる関係に変えていきます。自分がこの人たちとならまた、一緒に頑張れる、少なくともこの人たちは悪い人たちではない、一緒に何かができる人たちだという思いを持てるようになること。感情を伝え合う、組織感情を共有する、相互理解のための対話を行う、真剣に向き合う、距離を知事メル、支え合う仲間をつくる
②仕事革新。いくら互いのことがわかり、信頼を取り戻し、対話できる関係になれても、目の前の仕事の仕方が変わらなけえば、苦しい状況からはなかなか抜け出せません。一人一人が自分の仕事を抱え込み、相談できず、自力でどうにかするしかないという働き方から、どう抜け出すのか、みんなで知恵を出していくこと。働く喜びの源泉を考える、つながり力を引き出す働き方に変える、世代や雇用形態のギャップを活かす、仕事への思いやりや誇りを取り戻す
③未来革新。希望が見えない、将来が見えないという不安を乗り越えて、少しでも前向きな未来のイメージを作り出し、重ね合わせ、ともに喜び会える未来を持てるようにしていく。そうした未来を生み出す仕組みや仕掛けを考えていく。人と組織が共進化するプロセスをつくっていく。組織感度を高める、自分たちの価値を問い直す、究極の世界を描く、未来をつくる仕組みへ革新する

関係革新のアイデア

・組織に広がる空気感を可視化する
・退社するとき、今日の気分に合ったお天気シールをスケジュールボードに貼って帰る
・最近起きた出来事を書き出し、そのやりとりの裏にある自分と相手の感情を探り出す
・背景にある心理を共有する
・部下に上司が寄り添って、2人3脚で高い目標に向けてチャレンジしていく
・コミュニケーションの核となるマネジャー同士が横で繋がる。
・どう向き合ったらいいのか、どう対話したらいいのか、互いに知恵をもらう、アドバイスをもらう。うまく行かなかった時に、相手の心理を一緒に考えてもらう。
・「ありがとう」「よかったね」「すごいね」「助かったよ」小さなフィードバックが、各人の小さな肯定感や効力感を積み上げていく

仕事革新のアイデア

・どんなときに働く喜びを実感するのか
・互いを理解し、共通の土台をつくる(声かけ、お互いを知る、職場のマナー)
・互いの良さを認識し、連携の仕方を共有する(職場ビジョン、得意技の棚卸し、ポジショニングなど)
・互いが柔軟に結びつき、支援し合う(仕事の見える化、SOSの仕掛け、持ち寄り会議など)
・互いを認め合い、存在価値を見出す(良い仕事評価、感謝と認知のフィードバックなど)
・世代間ギャップを活かす仕組み
 安定成長期世代:仕事へのこだわり、共に学ぶ姿勢、ゼロから立ち上げる、開拓する
 バブル世代:考えすぎずまずはやってみる、巻き込む、何か一緒にする、ノリ、勢い、お祭、盛り上げる
 就職氷河期世代:高い専門性、ノウハウ、問題解決思考、論理思考、自己成長、自己開拓
 ゆとり教育世代:社会的価値を追求する、多様な人たちとつながれる、やさしさ、おもいやり

未来革新のアイデア

・自分たちの今と思いを客観視していくこと
・自分たちの価値を問い直す。みんなが「そうか、そのために僕らは頑張っていけばいいんだ」と共感できるものが見つかると、それがみんなの思いの原点、出発点に変わっていきます
・目標はみんなで決める。決めた目標はみんなで達成する
・合言葉のパワーが文化をつくる

ともに変わる、みんなで変わる

大切なのは思いを持ち、行動する人たちが出てくるような場をつくることと、そうした人たちの連鎖を起こしていくこと。

職務特性モデル(ハックマン=オルダム・モデル)

①技術多様性
②タスク重要性
③タスク完結性
④自律性
⑤フィードバック

ひとがつながるマネジメント

①相互理解、関係を支える
②差異化、力を引き出す
③結合、力を結びつける
④自浄、成長を支援し合う

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