ドイツ文学の世界(カフカ/変身)
こんにちは!山の中でミツバチと共に農業を支える蜂屋のゆうくんです。
皆さんは学生の頃好きだった映画や本を久しぶりに見たり読んだりしたときに、あれっこんな話だったかな?とかこんなイメージだったかな?と印象が変わる経験をしたことはありませんか?
それはおそらく年齢や経験が増えたことで
あなたの考えや感覚が昔と比べ少し変化したから
私は未だに学生の頃好きだったものが好きなので言い換えると「成長していない?」とも受け取れますねw
そんなわけで最近学生の頃に読んだ本をもう一度読み返して自分の成長具合を確かめることにしました。
最初に選んだのはフランツ・カフカの「変身」
カフカは日本でも有名なので代表作である「変身」はご存じの方も多いのではないでしょうか。
「ある朝、グレゴールザムザが胸騒ぎのする夢から目覚めると、自分が一匹のバカでかい毒虫に変わっていた・・・」という衝撃的な「変身」から始まるこの小説は、不条理文学といわれるカフカの代名詞です。
確かに朝起きたら自分が「毒虫」(ちなみに私のイメージでは巨大なカナブンw)に変身していて、今までの生活が一変するなんて不条理の極みです。
一見この人間→虫への「変身」をテーマにしたこの小説、実は変身したのは虫になったザムザだけではありません。
そもそもこの小説の原題は「Die Ferwandlung」
この言葉には「変身」だけでなく「変化」「変貌」という意味もあります。
日本語の「変身」だと姿形が変わることですが、このタイトルには物事が「変化」していくという意味も込められている。(私見ですw)
よくよく読んでいくと「変わって」いるのはザムザではなく家族や周りの人たち、ザムザを取り巻く環境なんです。
ザムザは虫に姿が変わっただけで実は何も変化していない。
本当の不条理は姿が変わることではなく、自分自身が社会と相いれないことで生きていく人生の難しさなのかもしれません。
じゃあこの小説、社会の不条理を描いた暗い作品かというとそうでもない。
家族の視点で見てみると家族は「ザムザからの自立」を果たしていく物語ととることもできる。その証拠にこの小説は不条理文学といわれながらもなんとも晴れやかな雰囲気で終わりを迎えます。
家族もまさに「変身」しているのです。
さて皆さんの「変身」はどのようなものでしょうか?
若いころと比べて自分はどのように「変身」したのか。
成長しているのでしょうか?不条理だという社会のなかでどんな変化が自分にあるでしょうか?
カフカの「変身」をぜひ読んでみて自分の「Die Ferwandlung」にも思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
この世界には私達の知らない楽しい事や魅力的なことがたくさんあります。
ちょっと新しい事に興味をもって、わずかだけでも自分から踏み出して、ほんの少しその世界を覗くだけで人生はもっともっと楽しくて豊かになる。
私達が生きるこの世界は素晴らしい!
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