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あなたにとっての生産性とは?

生産性や効率化を求める風潮について、感じていることを書く。

生産性とは何か

生産性は、output / input で表される。
資本生産性だと、1単位でどれだけ価値が生み出されたか。一つの工場で一日あたり何台の自動車を出荷できたか、みたいな話。
労働生産性だと、プログラマが一人日あたり何行の綺麗なコードを書けたか、みたいな話。
ただ、それで経済活動が語れるかというとそうでもない。

売れないものを作っても仕方がない

例えば、あるメーカーのある工場では、一日あたり100台の車を作り、その車が一日あたり10台売れるとする。
一方、違うメーカーのある工場では、一日あたり20台の車しか作れないが、その車は一日あたり20台売れるとする。
投入している資材がどれだけかにもよるが、後者の方が圧倒的に効率は良いので、アウトプットを売り上げ台数や売上と定義した時、生産性は高そうだ。
売れないものを作るか、売れるものを作るかは、実際に作っている人たちの生産性とはほとんど関係ない。どのようなプロダクトを世に出すか、それがどれだけのリターンを得られると見極められるか、企画の世界だ。

クリエイターの世界

例えば、エヴァでお馴染みの庵野監督は文字通り身をすり減らして映画を作る。とにかく、相手に伝わる良いものを作る。
出来上がるまで何年もかかるし、脚本は平気で書き直すし、メンバーにプリヴィズを任せておきながらやっぱり最後は自分でやってしまう。効率は悪く見える。妥協せずに突き詰めて、最後の最後の締め切りには諦めて終わらせる。そうやって作るらしい。
そうして出来たものはなんやかんやクオリティが良い。多くの観客は映画館に足を運び、興業的には成功する。

何のための生産性か

特に企業で仕事をしている人は、生産性を何と定義するか考えた方がよさそうだ。
例えば、ある作業を行う時間を半分に出来たとして、それは生産性が上がったのか。会社の収益にどう貢献したのか。その作業を倍にすると収益はどう増えるのか。残業が減るから、会社の経費は下がるかもしれないけれど、それが意図していたことなのか。
もしかしたら余った時間を別の新しい事業に向けた発想に充てられることが価値かもしれない。その場合、余った時間はブレストに充てよう、といった戦略が伴わないと、結果として生産性には結びつかない。

まとめ

生産性という言葉はよく使われ、個々に対して生産性を求める動きがあるが、そもそも生産性とは何なのかを考えた上で取り組まないと意味を成さないのではないか。

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