見出し画像

イケダサトルさんの展示『天国のことは誰も知らない』で感じたこと。

展示や写真集。強く心を動かされる作品には一貫したコンセプトがある。

本日お邪魔してきたイケダサトルさんの個展『天国のことは誰も知らない』は、まさにコンセプトが伝わる展示となっていて、作品を通してイケダさんの感情と経験が伝わってくるようだった。
コンセプトがあることで想像する余白が生まれ、作品としての情報量が増しているのだと思う。

【イケダさんのHP】

写真展で涙が出たのは初めての経験だ。
こんなにも感情を動かされた展示は初めてだったので、期間中時間がある人には強くお勧めしたい。

ステートメントを読み、展示作品を見る。そして会場に置かれた2冊のブックを見たあと、もう一度展示作品を見てまわってほしい。

僕もいつか展示やブックをつくるときに、そういうコンセプトがあればいいなと思って、よく自分の写真について考える。

けれど僕の写真にはまだコンセプトと呼べるものはない。
特徴があるとすれば「街と光」を撮っているということだろう。
コンセプトを先に決めて作品撮りをするのも一つの方法だと思う。
僕の「街と光」はこれに当てはまるのかもしれない。
一方イケダさんの展示から感じたコンセプトは、生きていく中で自然と生まれ、それをまとめあげたような感じがした。なんというか、イケダさんの人生そのものが投影されているような感じだ。
生きていく中で起きたこと。変わったこと。そして感じたこと。それらがそのままこの展示のコンセプトになったのではないだろうか。

写真にはその人の人生が写っていると思う。
視点や写し方はこれまでの人生経験によって培われ、写すものもその人が生きていく中で出会い、心動かされた瞬間だ。

そう考えると、コンセプトというものは無理に作りだすものではないのかもしれない。(いまの僕にとって)
今後の人生できっと強く感情の動く瞬間に出会うだろう。そういうものを逃さず写すのだという心構えさえあれば、きっといつかイケダさんのような写真が撮れると信じることにした。
そのためにも、これからの生きていく中で感じるであろう様々な感情を、ひとつひとつ大切に、そして写真として記録していこうと思う。

今日1日でたくさんのことを感じ、考えることができた。
半年前の自分は、展示に行って作品を見るよりSNS上にあるたくさん写真を見た方が効率がいいと考えていた。
実際、初めて展示に行ったときは、作品を見てほとんど何も感じることができなかった。
そのとき初めて、自分は写真から何も情報を読み取れていないことに気がつき、とても悔しく感じたことを覚えている。

自分でブックを作ったり、展示の開催を意識するようになって、展示で得るものはさらに増えたと思う。
こういった経験を重ね、僕の写真はこれからも変化していくのだろう。

最後まで宣伝になってしまうが、まだ展示に行ったことがない人は、ぜひイケダさんの展示に行ってみてほしい。
SNS上だけでなく展示会場で写真を見ることの良さを、強く感じることができると思う。

【展示情報】

https://x.com/souvenir878/status/1743240668473098583?s=46&t=l4oqNt3Hdg6adAkNdU0VwQ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?