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移転・集住の大合唱が、日本の安全保障に深刻な影響を与える展開について

能登半島地震後に、過疎地域の移転・集住の大合唱が起こった件ですが、日本の安全保障にも深刻な影響を与えるとの想像が不可欠と気づきました。

トランプ再選が有力視され始め、日本では日米安保の弱化、NATOではロシアの侵攻拡大が懸念されています。

1990年の湾岸戦争で侵攻されたクウェートは全土が保全されたように、今回のウクライナ侵攻でも、力による領土変更を国際社会は絶対に認めないと私は信じてきました。

ですが、現在の欧米社会は独裁主義を容認し、ウクライナ割譲にロシアは成功しつつあります。

大ロシア主義は歴史的な怨念であり、北方領土、さらには中国と連携して、北海道、本州の日本海側、九州、沖縄が中露からの攻撃や占領に遭う事態を想像せざるを得なくなったのが、世界の新しい現実と私は考えます。

もしトランプが敗北してバイデン再選となっても、すでにウクライナが見捨てられたように、各地に米軍を展開する観点から、米国はもはや頼りになりません。

日本の海岸線は世界第6位の長さであり、第二次大戦でやすやすと各地が空襲に遭ったように、空軍の襲来やミサイルの飛来を防ぎようがありません。

各地の農村漁村は疲弊し、食料自給率は低く、そして大都会に人口流出が続いています。

移転と集住論に落胆し、能登半島から転出する人々は増えていますが、実は日本の空白地が増えれば増えるほど、中露の軍事部門は自信を深めます。

日本海側の離島で無人島が増えたり、無人の漁村が増えれば、日本攻略の攻め口が増えます。

「自衛隊の基地を置けばいい」は安易であり、実際に国防関係者に伺うと、基地はまちの存在が前提になります。

あいにく軍拡に日本が手を染めることこそ、中露という戦争のプロに対日開戦の口実を与えます。

しかも各地がスカスカで「徹底して地元を守ろう」という気概が弱い中では、貴重な公金が利権に喰われてしまうだけです。

手厳しい見方かもしれませんが、もはや「移転・集住論は平和ボケ」とすら思えてきます。

むしろ、頭をフルに使い、汗を流して、地域自治そして資源の再分配という国家経営を徹底することで、各地の離島や農村漁村が元気に持続・発展する日本社会であれば、日本が経営上手であり、国際社会から報復リスクが大きいと解され、中露からなめられることはありません。

「末端地域では、もうインフラを維持できない」という貧しい呪いを唱えるのではなく、富裕層や大手企業ではたっぷんたっぷんに溜まり、使い道に困り果てている富の再分配が進み、日本をあげて未来投資への合意形成がされるよう、移転や集住論を唱える有識者の方々は、本来あるべき地方創生の仕事をして、必死に知恵を出し、汗をかくべきと私は拝察します。

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