特許:発明とは

弁理士の先生方の説明を聞いていると一番分からないのが「発明」の定義です。

何故分からないかといいますと、彼らは常に特許法上の発明の定義を説明するからです。特許法第2条第1項には以下のように発明が定義されています。

この法律で「発明」とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう。

この定義をみて、分かったと直観的に考える方を私は観たことがないのですが、皆さんはいかがでしょうか。特許法の発明の定義は実はロジカルに練り上げられた定義であることが、特許法を学ぶと分かるのですが・・・。

私が説明するときには、以下のように説明します。

発明とは、何らかの技術的課題を解決する技術的手段です。

技術的課題に対してそれを解決する技術的手段を提供したならそれは発明なのです。

技術的課題は、自分で自由に設定することができます。何でもよいです。広く知られた課題を課題としてもよいですし、新しく発見した独自の課題を課題にしてもよいです。大きな課題でも小さな課題でも何でも大丈夫です。

技術的手段は、「物」である場合もあれば、「方法」である場合もあります。何か病気があってそのための薬であれば「物」でしょう。飲食品を美味しく作るということなら「製造方法」になるかも知れません。話題のゲノム編集は、そのための酵素や部品を細胞内に製造させるためのベクター系(物)であったり、編集方法だったりします。

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