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北緯15度、北極圏内カラショクの寒さ

南のオスロから北のラップランド、カラショクまで引っ越したのが7月の下旬だったでしょうか。
しばらくは紅葉しかけた美しい自然を楽しんでいましたが、すぐに冬がやってくる気配がありました。
9月の末にはこれからやってくる冬のためにトラック一杯に木材を配達してもらいました。
ストーブ用です。
薪を燃やし、プラス油を燃やし、そして電気ヒーターで温める・・・そんな感じでした。
木材は地下室に保存し、夫が毎日仕事から帰ると暇を見つけてはのこで引いていました。
ノルウェーの家々にはそんな薪を燃やすストーブ(暖炉)、そして油を燃やすストーブがあります。
そういう暖房器具のいいところは鍋料理などをその上においておけること。
便利です。

10月になると毎晩マイナス30度くらいまで下がっていました。
12月に入ってすぐにマイナス42度まで2回下がりました。
窓の外を見ると暖炉の煙まであたかも凍り付いているように、真っ白でまっすぐ点に上っていくように見えていました。
外を歩いてみましたが、さすがに冷たい、しかし、凍り付く感じはしませんでした。
そんなある日、オスロの帰る数日前に数か所博物館めぐりをしました。
住んでいたのはKarasjokカラショクと言う町でしたが、そのあたりで一番大きな町はKautokeinoカウトケイノでした。
その町にも出向いて博物館を見学しました。
サーメ人(英語で言うラップ人)の文化を見るのはやはり現地が一番だと思います。
ノードカップとか行かれることがあったら絶対おすすめの博物館です。

さて、話を戻して、カラショクの天気・・・穏やかな冷たさだけで済むのならいいのですが、時に風が、雪が、と温暖な気候に慣れた私には想像を絶する嵐になることがありました。
冬の厳しさはやはり日本の想像をはるかに超えるものだったでしょう。
外は真っ暗ですよ。
一日中家の中は電灯をともしておかなければなりません。
どんなに穏やかなと言っても外はマイナス20,30度の世界で,ストーブ、ヒーター、すべての暖房具の暖かさも一日中必須の地です。
それが、そんな嵐の吹きすさぶ日に限ってどこかの電線が切れて停電になってしまって。
想像がつきますか?
薪のストーブだけでは間に合いません。
食事をよーく考えて作っておかないと電気が来ないんじゃあ何もできない状態(ノルウェーは料理には電気を使います)、お手上げになります。
何回もそんなことがあるんじゃ、私も学習しました。
最初にそんなことになった時は、シチューを作っていたので薪ストーブの上で温めて事なきを得ました。
ただし、とにかくほかのことはどうにもならなくて、何時間もソファにひっくりかえっているしかありませんでした。

まあ、何はともあれ、いい経験をしたと思っています。
すべてが私の財産です!

写真は北ノルウェー、ロフォーテンにおいての白熊注意のサインです。
北ノルウェーではある区域では白熊と人間の居住区域が重なっているので、と十分な注意を受けました。
白熊だけでなく他の熊も注意です。
時に海外からのキャンパーやらがクマに襲われて亡くなったとかのニュースを聞きました。

アイスランドに旅した時には、時に白熊が氷山に乗って流れつく。
そんな熊を見つけたらすぐに撃ち殺さなければならない・・・かれらは何日も何も食べていないため相当お腹が減っていて狂暴だから、ということでした。
wild northの世界が広がっています。

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