時計も「見る」と見つめるもwatchと言うのはなぜか
今日はいつもお世話になっているwatchのお話です。
watchと言う言葉は wake(起きている)から派生した言葉です。この言葉を「見る」と言う意味で訳すことが多いようですが、ただ単に「見る」と言うより当時、代表的な見張りと言えば夜間に獣や敵が侵入しないかの夜警任務でした。そのため起きるという意味からwake からwatchと言う言葉が派生して生まれたと言われています。「見張る」と言う意味合いがより強い言葉です。 watchとは夜も寝ずに起きている、ということです。この言葉ができた船舶関係の用語の中に「ウオッチ」という言葉があり、これは「不寝番=寝ずに見張りをする係」と言う意味。 オランダの美術館で見ましたが、Night Watch『夜警』と言う絵が有名ですよね。
このwatchに眠らないための目覚ましのしかけという意味が与えられるようになり、さらに「あとどれくらいで不寝番を交代するのか」と時間の経過を見るための道具として時計と言う意味が派生したのです。
そして、時計と言う言葉にはclockと watchがありますが、この違いは何でしょうか。大きく分けると身に着けて持ち運びができるものを watch と言い、できないものをclock と言います。
しかし、このclockってもともとは町の真ん中にある塔に備え付けられた鐘を意味し、一定の時刻を知らせるためnの鐘のことをclockと言ったのです。
中国、西安(昔の名前で長安)に行くと、今でも町の中心地に時を告げる大きな鐘楼太鼓があり、昔の装束(日本では雅楽を奏でているとき目にする衣装)を身に着けた数人が町中に時刻を告げています。太鼓を奏でる場所と鐘を鳴らす場所が分かれています。どちらが西でどちらが東にあったか忘れてしまいましたが。いずれにしてもどちらも昔からの城(じょうと読み、日本の城とは違います。街全体の囲みこまれた場所のことです)の中にあります。
中国を旅する人はまず北京を目指すのかもしれませんが、私にとっては西安が一番印象的でした。そこから始皇帝のお墓なども見に行けますし。3回西安には出かけました。城壁に囲まれた町です。世界の多くの町が城壁に囲まれていたのだが、今、現在残っているのは西安だけだとか聞きました。
時刻を意味する言葉はo'clockがありますが、 It's 3 o'clockと言う時の o'clockはof clockが省略された形であり、厳密にいうと3、つまり時計で3時と言う意味です。
この忙しい現代において毎日時計のお世話にならないときなんてないと思いますが、それでも時計を持たずに旅をしている人が時としているんですよね。ずっと以前、50年ほど前の話になりますが、ノルウェーで出会ったイギリス人の学生さん(女性)もそうでした。行き当たりばったりでバスやら列車に乗るってことなんでしょうか。日本人の性分としてそれはできない気がします。
それにしても、皆が同じ時刻を共有しているということは決まりがあっていいですね。そんな時代になったのはそんなに昔ではなくヨーロッパにおいては列車が走り始めてからとか。それまでは教会の鐘が教区の人たちに時刻を告げていたのです。列車が走り始め、駅正面に大きな時計が掲げられるようになった・・・皆が同じ時間で生活するようになったのはそれからのこと・・・。
しかし、はっきりした時間ではなく日の出、日の入りで行動を決めているところもあるようです。20年くらい前になりますか、母も含めてオーストラリアに旅をした時のことです。シドニーの植物園に出かけたのですが、ここは閉園が日に入りでした。
急に暗くなって近くで聞こえていた子供たちの声も聞こえなくなり(多分彼らは近所の子たちで一番近い出口もよく知っていたのでしょう)、あっという間に周りには誰もいなくなった、と言うわけです。出口を求めてあっちに進みこっちに進み・・・いくつも出入り口はあったのですが、全て閉められていました。垣根の外側では次々と車が走っていっていました。自分の身長ぎりぎりの垣根を何とか渡って外に出ようか、しかし、それは高齢の母には難しいだろう、その夜はそこで野宿か・・・などと考えていました。
私たちが進もうとしている道の向こうからオランダ人のカップルがやってきました。同じように出口を探していました。と、いうことは私たちが進んでいる方向には出口がない・・・。そんなときにはどうします?次の日のお昼には飛行機に乗って日本へ帰国、と言うことになっていたのです。
さて、しばらく歩いていましたら車のライトが・・・私たちの方に進んできて乗せてくれました。レスキューの人たちでした。やれやれ・・・。
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