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中学生を指導して気づいたこと



僕は現在のクラブに所属してから
創設と同時にU12監督として4年間活動し、
今年で5年目を迎えます。

そんな今年は、U12監督に加え
【U15 2nd 監督】の担当も増えました。


小学生と中学生を〝同時期に〟
指導する立場の僕が両世代を見ることで感じた、
「驚きや気づき」を書いていきます。


僕は4年間でU12年代の幅広い学年を
見させてもらい、小学生を指導する上で
技術や戦術的に必要なこと、
どんな選手がいい選手なのか、
なんとなくわかるようになりました。

中学生は「スクール」で指導していた経験は
ありますが、「チーム」として率いることは
自分にとって初めてのチャレンジです。


ちなみに当クラブは
U12カテゴリーとU15カテゴリーがあり、
6年生の卒業時にはU15へ上がることもできます。


今回担当するのはU15 2ndということで
そこには中学2年生と3年生が在籍し、
U12時期の6年生時に指導していた
選手も数名所属しており、
僕としてもまた一緒できる喜びがありました。



成長した中学生の初練習を見た時の感想は、

「こんなプレーできるようになったの!?」

「めちゃくちゃ足速くなってる…」

「こんなにボール蹴れるんだ…」

「声低い…」

などです。


どちらかと言うと、普段から小学生を見ていた
自分にとっては「驚き」が最初の印象でした。


中学生は身体発達上
小学生ができないプレーができたり
小学生では理解できないことが
スムーズに理解、実践できたり
「小学生と比べたら」できることは
もちろん多いです。


しかし彼ら(中学生)には彼らの戦う場所があり、
より高いレベルを求めて
成長していかなければなりません。


とある日の練習。
中学生の1プレーでこんなことを感じました。

その選手はゲームの中で相手に囲まれた中、
ドリブルでボールをスペースに運び出し、
味方までの長い距離を、利き足ではない
左足のインサイドでパスを通しました。



僕はとても感動しました。



なぜならその選手は、小学6年時には
そこまでボールを蹴ることができなかったから。

しかも利き足ではない左足で
バシッと味方へパスを通したのです。

でもきっと当時からそこに
「パスコースがあること」
「そこに通せばチャンスがあること」は
わかっていたと思います。

ただ当時はそこに
「蹴ることができないだけ」だったんだと。



その時に僕は思いました。


「技術は後から付いてくるから
 認知と判断能力が最重要」


よく聞く言葉ですが、まさにそれを目の前で、
しかも小学時代をよく知る自分の目で、
数年の時を経てリアルタイムで確認できました。


とても感慨深かったです。


当クラブは
技術や戦術、認知や判断、実行などを
小学校低学年のうちから複合的に
トレーニングの中で落とし込んでいます。


その成果とまでは言いませんが、
そのパスを見た瞬間に
改めて小学生時代の取り組みは大切だと
身が引き締まる思いになりました。


逆に小学生時代に「技術」にこだわりすぎる
必要はないのでは?とすら感じてしまいました。
(コーディネーション能力は必要ですが)


小学生はミスが数え切れないほど起こります。

そのミスは単に「技術のミス」なのか
そもそも「認知(判断)のミス」なのか
より見極めてコーチングすることが必要です。




例えば、小学校低学年が魚を食べるときに
を使って口まで運ぶ過程で
魚を落としてしまうのは「技術のミス」です。


しかし魚を食べるときに
フォークを使って口まで運ぶ過程で
魚を落としてしまうのは
そもそも「認知(判断)のミス」です。

前者(箸)は大人になるにつれて
上手に食べられるようになりますが、
後者(フォーク)はいくら大人になっても
そもそもフォークで魚を綺麗には食べられません。
食べられるかもしれませんが効率が悪いです。


このように正しい行動を選ぶこと
何歳からでも重要なのです。


サッカーの中でもそれが頻繁に起こります。


ただ、サッカーは基本的に選択を正解にすれば
なんでも良しとされるスポーツです。


しかし、ある程度の基準は
指導者が教える必要があると、僕は考えています。




逆に中学生で、
認知ができなかったり判断が悪い選手は
正直僕の中では黄色信号です。

そのプレーに悪い癖までついていることもあり、
成長すればするほどその癖は取れなくなります。

しかし、中学生には中学生の頭の良さがあるので
指導者の伝え方次第では
いくらでも改善可能だと僕は信じています。

思春期の不安定なメンタル状態を常に整え、
自分毎で素直に聞いて実践する選手は
今後も伸びていくでしょう。


そのような選手は大人になってからでも
プレーは上達します。


自分も彼らの大切な時期に関わる指導者として、
改めて責任感を持ってやらねばと思いました。


最後まで読んでいただきありがとうございました。

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