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起業ってリスクじゃないの?

FogHornという会社は3人のインド人のCo-founderと、アメリカ人のエンジニアと、私、という5人でスタートした。正確には、Co-founderが会社を立ち上げたすぐあとに私が参加することになり、荒れ地を一緒に開墾していった。

FogHornは産業・コマーシャル向けの、リアルタイムデータ取得・クレンジング・解析・AIなどクラウドアセットに頼ることなく現場で行うことに特化した、エッジソフトウェアを作っている。
っていきなりこんなこといっても、なんのこっちゃだと思うので、今は忘れてください。ただなんか産業向けソフトウェアを作ってる会社なんだ、程度にとどめておいて頂けたら幸い。


少し話を巻き戻して、最初5人で一緒に立ち上げた、という話をすると、「ファウンダーとか知り合いだったんですか?」ってよく聞かれるが、自分が誘われるまで、誰一人として知らなかった。(ヘッドハンターからFogHornの立ち上げを手伝わないか?と誘われたのがきっかけで入ったので)
そして必ず出る次の質問が、「リスクとか怖くなかったですか?」という質問。

これはリスクをどう見るか、にすべてがかかってると思う。

僕が以前働いていた会社はネットワークに特化した、シリコンバレーでも有名な大企業だった。その中ではそこそこのポジションにいたし、次の大きなプロモーションもほぼ決まっていた。しかもRSU(従業員持株制度)も結構たまっていて、そのまま会社に残ればそれだけで2〜3年以内でまとまったあぶく銭を手にすることが出来た。

だったらなおのこと残っていたほうが良かったのでは?、という話になるのだけど、僕はそうは考えられなかった。なぜなら自分が大切にしていたのは、時間は1番大切な資本でお金では買えないし、人類皆平等に消えていくということ。

たしかに目先のお金にこだわったらリスクやもったいないという発想はまあ分かるし、ある側面間違えてはいないと思う。でも今の、そしてこれからの世の中の流れをみたときに、その選択肢は将来的な自分の幅を狭め自分の首を締める選択でしかないと感じた。いまでもあのときの決断には一切の後悔がない。

そして何よりも自分が熱くなれない。熱中できない。これが一番大きかった。

自分が熱くなれない、熱中できないことを毎日やっていくことほど人生で無駄な時間はない。だったらすぐに動く。動けば色々と見えてくるものもあるし、新たなチャンスも転がってくるかもしれない。

熱くなるものに関しては、少し長くなってしまうので、別に書きたいとおもう。ただ、FogHornに入ると決めたのは、
1) 自分が解決したい問題をFogHornは共有していた
2) その解決するためのアプローチが自分が正しいと思うアプローチだった
3) 会社を立ち上げるタイミングだった

という3つの条件が揃っていたこと。人は3) が特にリスクというけど、自分から言わせれば大企業でしか働いたことがない(社内ベンチャーも含めて)、というほうがよっぽどリスクでしかない。

そして熱くなれるもの以外にもう1つ、5年前の自分はあの当時どうマーケットを見ていたかというと、

1) Software is going to define the hardware value
2) Perpetual vs Subscription
3) Data is everything

端的に言うと、ハードウェアの物売りや売り切り型のビジネスを生業にしている会社は衰退していく、ということ。(最近のGoogleのようにsoftwareを生業としている会社がハードウェアに手を広げるのはぜんぜんありだけど、その逆はかなり難しい。この理由に関しては、後日また別の記事にて書こうかなと思います)
そして価値のあるData(Dataだったら何でもかんでもいいわけではない)はこの先貨幣以上の価値を持つということ。
その1つの良い例がテスラに詰まっていると思う。そういう流れがもうすでにあった。

その上シリコンバレーでスタートアップをゼロから立ち上げる、というのは1つの大きなキャリアで、失敗しようがどうなろうが、プラスでしかなくなんとでもなる。逆に大企業でしか働いたことのないキャリアのほうが危ない。だからFogHornを起業することがリスクだとは1mmにも感じなかった。たとえ給料が下がったとしても。(実際に結構下がりました笑)

何よりシリコンバレーにいて、1度でもスタートアップをやらないんだったら、高いコストを払ってここにいる必要がない。

というわけでFogHornを起業しました。

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