見出し画像

メタファー

コロナが蔓延してからこの1年、すっかりリモートワークが定着し、様々なイベントや重要な会議までZoom等で行われるようになったのは周知の事実。

あとはポストコロナの世界でこれがどこまで定着するのか、個人的には特に日本はまた元の木阿弥に戻るのではないかと危惧しているが、とりあえず向こう2年ぐらいのWith コロナの世界においてはこのスタイルが続くのだろう。
(sell & leasebackだとしても、エイベックス・電通・日通などが都心の本社を売却するというのはとても良い流れだと思うので、自分の危惧は取り越し苦労であってほしいと切に願ってます。)

そして現在イベントのみならず、投資家向けのピッチなどもWeb会議越しに行われている。その中で些細なことだけど、真剣に突き詰めると大切なことの1つを今回は。
それは音に投資をしよう、ということ。

これは実体験から来ているが、先日とあるシリコンバレーのスタートアップイベントで、様々なスタートアップの投資家向けピッチを聞く機会があった。
1組7分のピッチで質疑応答込みで10分。それを2時間ぐらい行うから、賞味10組ほどのスタートアップが登壇した。

すべてのピッチが終わったところで、正直記憶に残るスタートアップは2組。しかし内容としてはいまいちパッとしなかったけど(自分だったら投資したいと思わない)、でもそれも含めて記憶に残っているというのはなんでだろう?と考えた。

そこで気がついたのは、その2組とも圧倒的に音質が良かった。私自身はMacbook Proのスピーカーからピッチを聞いていたが、それでも違いがわかるほど良かった。
おそらくきちんとした環境で、マイクも内蔵のものではなく別立てできちんと用意して行っていることは想像に難くない。(ヘッドセットは使っていなかった。ヘッドセットをつけるとどうしてもオンライン感がでてしまう。)

コロナ前でも投資家は一日に何件ものスタートアップのピッチを聞く。ただそのときはface-to-faceの会議が多く、オンサイトでの空気感や視覚情報なども含め印象に残るか否かが決まったが、Web 会議になって頼りになる情報は、カメラと音声しか無い。しかもプレゼンモードのときに出てくるカメラ画像(ちっさい!)なんてだれも見てないし、ましてやどんな感じの人だったかなんて正直記憶の片隅にも残らない。

じゃあ情報は何によって伝搬されるか?8割以上は音声のみである。(残りは画面に共有されたスライドとか)

そんな重要な情報伝達手段に、パソコンに内蔵されているマイクを使うか、それともきちんとしたマイクと環境で音質ロスを最小に抑えて、ベストな方法で情報を届けようとするか、どちらが優れているかは一目瞭然だと思う。

これは実際に色々と試したり聴き比べてみると、その差に驚く。(お恥ずかしながら以前は自分も全然意識せず内蔵マイクでやっていたので、少し投資をして環境を整え聴き比べてみるとその差にびっくりした。そしてこの効果はじわじわと出てくる。)

具体的にどんなマイクを使って、どんな環境でやっているかに関しては、別途記載したいと思うが、今回何が言いたかったというと、別に「音に投資をして差別化を図れ!」、みたいな、ありがちな安い小手先のハックをドヤな感じで伝えたかったのではない。

これはあくまでもメタファーに過ぎず、本質は刻一刻と状況や環境が変わっているときだからこそ、ただ傍観せずその瞬間瞬間を真剣に生きること。
様々な考えや可能性を突き詰めていって、いま取りうる最善の選択を常に選び続けること。そしてその積み重ねを日々丁寧にしていくこと。

それを改めて考えさせられた良いメタファー。


“Don’t be cocky. Don’t be flashy. There’s always someone better than you.”
–Tony Hsieh, Zappos CEO


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?