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岸田総理記者会見冒頭発言(2021年10月4日)

 岸田総理に正式に就任したまず最初の発言について書き起こして、私的コメントをつけました。皆様はどのように思われるのでしょうか。
 私は、岸田総理のこれまでの総評は、「財源確保と政策の具体的な個所が見えてこないので判断しかねる」という所感です。
 解散までに2週間、総選挙までに1か月しかない状況で、抽象的な話ばかりで判断せよ、と言われても、私だけでなく、国民の多くも難しいだろうな、と。
 なお、この後の各記者の質疑応答については、別のnoteに掲載予定です。

URL:https://www.youtube.com/watch?v=knSp2EVP-Jw

第100代内閣総理大臣に指名されました岸田文雄です。
自由民主党と公明党の連立による新たな内閣が発足を致しました。職責を果たせるよう全身全霊で取り組んでまいります。
まず、新型コロナウイルスにより亡くなられた方とご家族の皆様に心からお悔やみを申し上げますとともに、厳しい闘病生活を送っておられる多くの方々にお見舞いを申し上げさせて頂きたいと思います。
医療、保健、あるいは介護、こういった現場の最前線で奮闘されている方々や、感染対策に協力してくださっている事業者の方々、そして国民の皆様方に深く感謝を申し上げさせて頂きます。
新型コロナとの戦いは続いています。私の内閣では、まず、喫緊かつ最優先の課題であります新型コロナ対策を万全を期してまいります。国民に納得感を持ってもらえる丁寧な説明を行うこと、そして常に最悪の事態を想定して対応することを基本としてまいります。新型コロナによって大きな影響を受けておられる方々を支援する為に、すみやかに経済対策を作成してまいります。

 コロナで影響でた方に経済対策を作成、とあるが、相変わらず総裁選挙の時から具体性が見られない。早急に、と言ってはいるが、作ってる間に10月14日の衆議院解散を迎えた、とかないですよね?

その上で、私が目指すのは、新しい資本主義の実現です。我が国の未来を切り拓くための新しい経済・社会のビジョンを示していきたいと思います。若者も、高齢者も、障がいのある方も、女性も、全ての人が生きがいを感じられる多様性が尊重される、こうした社会を目指してまいります。

 具体性ない経済対策の話の次に、また大まかな目標「新しい資本主義」がきた。「全ての人が生きがいを感じられる」という非常に抽象度の高い言葉でまたもや具体性がない。

これらを実現する為には、一人一人の国民の皆さんの声に寄り添い、そして、多様な声を真摯に受け止め、形にする。こうした信頼と共感が得られる政治が必要であります。その為、国民の皆さんとの丁寧な対話を大切にしてまいります。

 国民の声をこれから聴いて、対話して、実現の為に作成します、ということだが、やはりのんびりしてる感が否めない。解散までに14日しかないのだから、その間に支援できることはすぐやる、というのが見られないのだが、諦めモードなんだろうな。14日の間に何かしら国民が納得しないと、月末選挙で自民に入れるかどうかわからない。なにしろ、スガがかなり自民党の評判落としたわけだから。

まず、新型コロナ対応です。足元においては感染者の数は落ち着きを見せ、緊急事態宣言、および、蔓延防止等重点措置は全て解除されました。
しかしながら、今落ち着いていても、また感染が増えていくのではないか、また、感染が大きく増えた場合、しっかり医療を受けることができるのか、こういった不安を抱えた方が大勢いらっしゃいます。
こうした国民の皆さんの不安に応えるために、ワクチン接種、医療体制の確保、検査の拡充、こうした取り組みの強化について様々な事態を想定した対応策の全体像を早急に国民の皆さんにお示しすることができるよう、本日、山際大臣※1、後藤大臣※2、堀内大臣※3、この三大臣に指示を出しました。併せて国民の協力を得られるよう経済支援をしっかりと行い、通常に近い経済・社会活動を一日も早く取り戻すことを目指してまいります。

※1 山際大臣:経済再生担当、新しい資本主義担当、新型コロナ対策・健康危機管理担当、全世代型社会保障改革担当、内閣府特命担当(経済財政政策)
※2 後藤大臣:厚生労働大臣
※3 堀内大臣:東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当、ワクチン接種推進担当

また、これまでの対応を徹底的に分析し、何が危機対応のボトルネックになっていたのかを検証してまいります。その内容を踏まえ、緊急時における人流抑制や、病床確保のための法整備、また、危機管理の司令塔機能の強化など、危機対応を抜本的に強化してまいります。

 危機対応のボトルネックは、スガ政権については「適切な状況判断ができず、昔から総理になってやろうとしていたことしか頭になかったスガ総理自身」と「コロナウイルス舐めすぎ」が根本原因。
 それと、どうしても危機管理司令塔機能の省庁を作りたいらしんだけど、それがないと緊急時法制、あるいは特措法整備ってできないんでしょうかね?

次に、私の経済政策について申し上げさせて頂きます。私が目指すのは、新しい資本主義の実現です。成長と分配の好循環と、コロナ後の新しい社会の開拓。これがコンセプトです。
成長は引き続き極めて重要な政策テーマです。しかし、成長だけでその果実がしっかりと分配されなければ、消費や需要は盛り上がらず、次の成長も望めません。分配なくして次の成長はなし、です。私は成長と分配の好循環を実現し、国民が豊かに生活できる経済を作り上げていきます。

 緊縮系の人を財務大臣と経済安全保障担当に据えて、どうやって分配するんだろ?と疑問でしたが、報道で金融所得課税を強化する、と聞こえてきました。富裕層から大幅にとって、それを中~低所得層に分配しよう、という試みなのでしょう。
 しかし、これをやると、タックス・ヘイブンに富裕層が金を逃がすだけではないか?という懸念があります。結果的に分配できるだけのものはとれない、と。
 もしくは、金融業や経済団体からクレームがきて、緊縮財政を方向転換し、積極財政にするのだろうか。いずれにせよ、あまり納得のできる確固とした根拠が今のところみつからない「成長と分配の好循環」という印象を受けました。

また、新型コロナというピンチをチャンスに変え、希望のある未来を切り拓いていくことが重要です。なかなか進まなかったデジタル化の加速など、新型コロナは社会変革の芽ももたらしました。この芽を大きく育て、コロナ後の新しい社会の開拓を実現していきます。その為に、「新しい資本主義実現会議」を立ち上げ、ポストコロナ時代の経済・社会ビジョンを策定し、具体的な政策をつくりあげていきます。

 新しいしほの主義実現会議、まさか竹中平蔵とかアトキンソンとか、入ってこないよね?折角、「小泉政権からの新自由主義の転換」を掲げたのに、その人たちをまた政府系会議に入れるのならば、即野党に入れます。

新しい資本主義を実現していく車の両輪は成長戦略と分配戦略です。成長戦略の第一は、科学技術立国の実現です。科学技術とイノベーションを政策の中心に据え、グリーン、人工知能、量子、バイオなど、先端科学技術の研究開発に大胆な投資を行います。
第二に、デジタル田園都市国家構想です。地方からデジタルの実装を進め、新たな変革の波を起こし、地方と都市の差を縮めます。
第三は、経済安全保証です。新たに設けた担当大臣の下、戦略技術や物資の確保、技術流出の防止に向けた取り組みを進め、自律的な経済構造を実現していきます。
第四は、人生100年時代の不安解消です。働き方に中立的な社会保障や、税制を整備し、勤労者皆保険の実現に向けて取り組んでまいります。

 色々やりたいことがあるのはいいのだが、問題は先ほど記載したように「財源どこからもってくるの?」となる。財政規律にしたまま金融課税してうまくいくのだろうか。その点は次の分配戦略を聞いてみることにする。

次に分配戦略です。分配戦略の第一は、働く人への分配機能の強化です。企業で働く人や、下請け企業に対して成長の果実、しっかり分配されるよう、環境の整備を進めてまいります。
第二に、中間層の拡大、そして少子化政策です。中間層の所得拡大に向け、国による分配機能を強化致します。
第三に、公的価格の在り方の抜本的な見直しです。医師、看護士、介護士、幼稚園教諭、保育士、こうした方々など社会の基盤を支える現場で働く方々の所得向上に向け公的価格のありかたの抜本的見直しを行います。
第四の柱は、財政の単年度主義の弊害是正です。科学技術の振興、経済安全保障、重要インフラの整備などの国家的な課題に計画的に取り組んでまいります。

 岸田総理、全体的に言えるんだけど、話の内容が抽象度高くて、具体的に「こうする」が見えにくい。「国民に分かりやすい説明」を掲げている割には、正直現状では「わかりにくい」。わかりやすい説明がないと、選挙まであと2週間。果たしてそのまま総理として居続けられるのだろうか。

外交安全保障は第三の重点政策です。日米同盟を基軸にし、世界の我が国への信頼のもと、三つの覚悟を以て毅然とした外交安全保障を展開してまいります。

 最近、英国の軍艦も来てるんだけど、この辺はまだあまり堂々と明らかにできないようで、米国の基地が現実としてある以上、米国への気遣いを見せねばならない、ということか。

第一に、自由民主主義・人権・法の支配といった普遍的な価値を守り抜く覚悟です。同盟国・同志国と連携し、自由で拓かれたインド太平洋を強力に推進してまいります。

 日・米・印・豪に加えて英も入り、対中包囲網を敷く、と私は解釈した。この辺は河野にならなくて本当に心からよかったと思う。

第二に、我が国の平和と安定を守り抜く覚悟です。我が国の領土・領海・領空・国民の生命と財産は断固として守るために、ミサイル防衛能力を含む防衛力や海上保安能力の強化に取り組んでまいります。
拉致問題は最重要課題です。全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現すべく総力を挙げて取り組みます。私自身、条件を付けずに金正恩委員長と直接向き合う覚悟です。

 対中対抗はほのめかしつつ、北朝鮮については「日本の平和と安定を守り抜く一環」としてハッキリ名指しした。この点については、北朝鮮側の反応報道があればみてみたい。

第三に、地球規模の課題に向き合い、人類に貢献し、国際社会を主導する覚悟です。
被爆地・広島出身の総理大臣として核兵器のない世界に向けて全力を尽くしてまいります。
また、地球温暖化対策の推進や信頼性ある自由なデータ流通、DFFT(Data Free Flow with Trust)など新たなルール作りに向けて世界をリードしていきます。
今申し上げた以外にも、我が国においては、デジタル技術を活用した個別教育の推進、農林水産業の成長戦略化、地球に寄り添った多様で豊かな農林水産業の構築、災害に強い地域づくり、観光立国の実現、など課題が山積をしています。

 核兵器のない世界って、日本一国じゃ無理だろ。この点はかなりリップサービスを感じる。
 DFFTという言葉、初めて聞いたのだが、世界規模でのITを取り巻く課題にこういうのがあったのね。ただ、何となく、ブロックチェーンとか暗号通貨のニオイがプンプンするんだが、そういうことの基盤なのだろうか。
 「地球に寄り添った多様で豊かな農林水産業」って何?やはり具体性がもっと欲しい。

また、東北の復興なくして日本の再生はありません。この強い想いのもとで、東日本大震災の被災地、中でも福島の復興再生に全力を注いでまいります。私の内閣は、新時代をともに作る、新時代共創内閣です。新しい時代を皆さんとともに、つくってまいります。

 被災地をおいてけぼりにしない、という点はいいと思うのだが、それには放射能汚染されたものの処理、放射能を帯びた水を海に流す・流さないで物議を醸している点などもあるが、具体的にどうするのかもっと知りたかった。「新時代共創内閣」とか「新しい時代」とか、本当に抽象的すぎて何をどう進めるのか全く見えてこない。この辺は高市議員の方がかなり現場寄りでわかりやすかった。

そして最後に衆議院議員任期と今後の選挙日程について申し上げます。10月21日に衆議院議員の任期が満了致します。可及的速やかに総選挙を行い、国民から再審のご信任を頂いて、国政を担っていく必要があります。
コロナ感染の状況は、現在落ち着きを見せてるとはいえ、先行きについては、不透明です。多くの国民の皆さんが、いまだ大きな不安をお持ちです。一刻も早く、大型で思い切ったコロナ対策、そして経済対策、実現してまいりたいと思います。

 緊縮系大臣を据えて、どうやって「一刻も早く、大型で思い切ったコロナ対策、経済対策」をやるのか。今のところ矛盾しているとしか思えない。富裕層に行った課税はこの2週間で徴税できる訳ではないでしょう。

その為には、いの一番に、国民の皆様に、この岸田にお任せいただけるのかどうか、このご判断をいただき、可能であるならば、国民の信任を背景に信頼と共感の政治を全面的に動かしていきたいと考えます。

 財源について不透明な部分が多いのと、政策発言内容に具体像をイメージできる話がないので、今のところ判断できないです。

以上のように考え、私は可能な限り、早い時期に、総選挙を行うことを決意致しました。所信表明、代表質問を行った後、今国会の会期末、10月14日に衆議院を解散し、10月19日公示、10月31日に総選挙を行うことといたします。選挙事務の準備期間が非常に短いため、コロナウイルスの接種にご尽力頂いている自治体の皆様にはご負担をおかけいたしますが、何卒よろしくお願いしたいと思います。
いまだ、コロナ禍による国難、続いています。総選挙期間中も政府としては、コロナと経済、両面への対応、しっかりと万全を期すことをお伝えして、冒頭発言とさせていただきます。

 本当に急ですな。せめてもう一ヵ月解散と選挙を伸ばすか、あるいは、横浜市長選挙があと一ヵ月早ければ。。。なんてことを思ってしまいました。

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