ママは掃除機がけの時鬼になるPart3🔞


 「ママ!やめてー!」

 それは叫び声と共に突然始まった。隣の部屋から聞こえるギュゴオオオオオオという回転ブラシの音と共に、たくさんのおもちゃが吸われる音がする。さらに、妹の藍羽の鳴き声が相待って、家には壮絶な音が響き渡っていた。僕はその声や掃除機音対してビクッと一瞬肩を震わせたが、それと同時に心に何かが込み上げてくるのを感じて、不思議な気持ちになっていた。

 僕の持っていたおもちゃが吸われて消えるのは、もはや日常茶飯事になっていた。小学校に入ってからは母はおもちゃの片付けを手伝ってはくれなくなり、もっぱら片付けの時にはゴミ箱に捨てられていることが多い。そこから拾い上げることができればまたそのおもちゃで遊ぶことができるし、母も僕がゴミ箱から拾っているところを見ても文句を言うことは無かったが、掃除機に吸われた時だけはどうしようもなかった。母は掃除機のゴミが入っているところをよく交換しているが、さつき姉ちゃんによればそれは「紙パック」という名前らしい。そして、その紙パックとやらが僕のおもちゃを閉じ込めた時、僕のおもちゃはもう二度と帰って来ないのだった。
 入学したての僕は、母の突然の変わりようにビックリしていたものの、最近だんだんと適応してきた僕は、床におもちゃを散らかしたりすることはなく、逆にいらないものを放っておくことで、母が掃除機を掛けた時に吸い取ってくれるという好循環を生み出していた。
 この間も家に帰ると母が掃除機を掛ける準備をしていたので、僕は足早に自分の部屋に駆け込むと、学校に行く前に散らかしていたおもちゃをしっかりと収納し、友達を呼んだ時に食べた個包装のお菓子のゴミなどは床に放っておく。ギュガーーーー!と掃除機の音が近づいてくるにつれて、僕の緊張感はいつも最大まで高まるが、なぜか母の掃除機がけで一気に僕のアソコの感度も高まっていっていた。

「またこんなに散らかして!全部掃除機で吸うからね!」

 母は僕の部屋に入るなり、毎回のようにそれを言った。もちろん僕が片づけずに放置しているのが悪いのだが、それでもやっぱり母のその声には覚悟していてもビビらずにはいられなかった。

 ギュゴーーーー! 、、ボッ!、、、ボッ!

 この間も、母は掃除機をかけていく中で、吸えそうなものが見つかれば逃すことなくT字ヘッドを被せていった。僕があえて散らかしておいたゴミたちに次々とヘッドを被せ、母は流れるように掃除機での吸引を行っていった。
 あまりにも強引に吸引するため、T字ヘッドの回転ブラシに引っかかった紙ごみが、キュコオオオ!!と大きな音を立てて掃除機が苦しそうな音を立てる。しかし、僕の部屋の散らかりようにイライラしている母は、

「もうっ!さっさと吸い込みなさいよ!」

 と声を荒げると、T字ヘッドを外してノズルをあらわにさせ、引っかかっていたゴミに押し当てるようにして吸い取ろうとする。あまりにも強く押し当てたためか、しっかりと吸い取ろうとすると、結局

 シュゴッ、ズボッ!!!

 と一瞬にして吸い取られた。そのあと、ふっと一息ついた母は、何事もなかったかのようにT字ヘッドをカチャっと取り付けると、また掃除機掛けを再開していった。
 嵐のように通り過ぎるそのヘッドに、次々と吸い取られるゴミたちを見ていると、僕は何故か恐怖心と共に好奇心が芽生えていくのが分かった。

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