【2024年度】立命ロー中期入試 答案(憲法第2問)

1 概要

 今回は憲法の第2問です。

2 問題

3 答案

4 コメント

 統治の範囲ですが、しっかり事例問題がでました。これもなかなか珍しい気がします。

 素材判例は、岩沼市議会議員出席停止事件(最大判令和2年11月25日)です。部分社会論を採用した昭和35年大法廷判決を判例変更したもので、当時非常に話題になりました。

 評釈として、立命館大学の市川正人教授が書かれたものが参考になります。(市川正人「「団体内紛争」と司法権ー最高裁大法廷判決を受けて」 論究ジュリスト36号、2021)

 上記答案は、本判例の法定意見・宇賀先生の補足意見に依拠して作成しました。

 1時間でこれだけ書くのは難しいので、ポイントとしては、司法権の定義、法律上の争訟の定義、内在的制約と外在的制約の区別(部分社会論は外在的制約のほうの議論になります。内在的制約の議論としては板まんだら事件なんかがあります)、判例の概要を抑えていることが重要になってきます。

 基本的な論点ではありますが、判例を知らないと書ききるのは難しい問題です。多くの受験生がこちらを選択したと推察されますが、令和2年判例まで抑えている受験生はそう多くは無いので、ある程度書ければ相対的にいい評価が付く問題だと思います。

 昨年(2023年度)の京大ロー入試憲法第2問が、同様の論点からの出題でした。昨年の京大ローの問題を解いていれば、十分に対応できた問題だったのではないでしょうか。

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