第三章 2023年 神帰月
問わずがたり 思いがつのる...。 note:
2023年9月 急性期病院に
緊急搬送されました。
それから 思いもかけず余暇を味わっています。
まだ取り戻せていない感覚と
諦めきれない現状に
自分自身の気持ちが 追いついていません。
もう…。 なのか
まだ…。 なのか
読んでくださった方が 「ふーん」と
思っていただけたら 嬉しいです。
① 新鮮な気づき
□ リハビリプログラムについて
・ 患者への動機付け
実現可能な目標は治療プロセスへの約束。
・ 個別化されたケア内容
具体的なニーズと状況に合わせて調整する。
課題をより効果的に解決し 機能能力の改善。
・ 測定可能な進捗
現在の能力と設定目標を常に比較し
時間経過で進捗測定する。
常に目標と比較し 改善と課題を確認する。
・ コミュニケーションの改善
目標を設定を行い 治療の意図を共有する。
・ 患者の自主性を促進
患者を目標設定に関与させ
回復への積極的な役割と自信を改善する。
・ 退院計画
治療から退院への準備が出来る。
・ ケアの連続性を強化
ケアに携わるすべての医療従事者が
常に参照する為 PCで共有する。
※ これが この病院の方針でした。
□ 病棟・療法士について
・ 病棟の説明
5階建て 5基の患者専用エレベーターと
いくつかの相談室・談話室
ナースステーションの前に ミーティングルームが設置されていた。
PT(理学療法士) OT(作業療法士)
ST(言語療法士) 看護士 介護師
CW(ケースワーカー)が 個々の専門性を生かし
A班 B班に チーム編成され
ケアの提供を行っていた。
・ 医療従事者の呼び方
彼らは 白衣ではなくユニフォームを着用し
患者も同僚もすべて
「〇〇さん」 と呼び合う。
会社員時代は 本名より「課長・次長・部長」等の肩書社会なので
とても新鮮に感じ 驚いた。
□ リハビリ目標設定について
《目標の方向性は 月に一度の進捗会議で
家族を交えて決定する》
・ 食事は 箸を使って自分で取る
・ 洗面は 洗面所で朝夕行う
・ 口腔ケアは 毎食後行う
・ 排泄は トイレで行う
・ 布オムツは 使わずリハビリパンツを
利用する
・ 入浴は 隔日に行う
・ 日中は リハビリ着を着用し
夕食後寝巻に着替え 更衣は朝夕行う
・ 可能な限り日中は 臥床をしない
□ 自立(移乗)して 出来るようになった事
・ 洗面所での 洗面・口腔ケア
口腔ケア(歯磨き・うがい等)は ベット上で
濯いだ後 水受けに入れ廃棄依頼をしていた。
⇒ 自分で処理を行う。
届けられたタオルで顔を拭くだけの洗顔
⇒ 水・お湯を使って行う。
・ 排泄確認
介護師に連絡確認後 管理表に記入して貰った。
その後 水を流していた。
⇒ 排泄管理表は自己記入の為 ナースコールは不要となる。
□ 自立しても出来なかった事
・ 洗顔
洗顔フォームを チューブから押し出せない。
顔を濯ぐ時 左右の手首が離れる。
手のひらをお椀の形にしても 溜めたお湯が
全て下に流れる。
工夫して 手の平にペーパータオルを置き
離れた箇所に補助的に蓋をしてみたが
思った程お湯はたまらない。
顔を洗った後の洗面台は
ビショビショに濡れている。
他の方が滑らないよう 拭き掃除を行った後
クリーンキーパーに 連絡をして仕上げて貰う。
着衣の濡れが酷いので 更衣は洗顔後に行う。
・ お茶の依頼
お茶・お水が欲しい時は 遠慮がちに
スタッフに依頼していた。
車椅子移動許可が出たので
欲しい時に取りに行けるようになった。
給湯器からお茶を貰い運ぶ時の為に
アームにコップ立てを括り付けて貰った。
準備万端と思ったけれど
手は紙コップの高さには届かず
給湯器から注いだ後
水平にコップ入れに置く事は まだ難しい。
・ リハビリ時間の不足
PT(理学療法士) OT(作業療法士) の
時間は不足だと思っていた。
ST(言語療法士) の時間より
もっと腕・脚を動かしたいと思った。
幸いにも 高次脳機能検査の結果は
振り替えても支障は無いという
結果がでたので 翌週より時間変更を行った。
自分からPTの時間を増やしたので
ひらがな・カタカナ・数字の書き込みプリント
PC入力・パズル・計算プリントを
自主トレで行う約束をする。
それでも 動く為には時間は 足りない。
・ 感情が揺れない
長期入院していると
(延べ3ケ月) にもなるというのに
何故 ここに居るのか
何故 動かないのか いつ動くのか
理解しきれない。
『悲しい』という感情さえ 判らなくなった。
② 「神帰月:立冬」の覚え書
(11/初旬~12月初旬頃)
□ 負けず嫌いを取り戻す
クヨクヨしても 元気でも 1日は 1日。
過ぎてゆく時間の大切さは
充分わかっているはずなのに
ついつい 感情に流されてしまう。
カラ元気でも それが 通常営業となれば
既成事実となり 自分も含めて
認められるならそれで良しとしよう。
持ち込んだ自前のPC(破損・紛失等自己責任) は
右手で人差し指だけの『いっぽん打ち』
先月まで 左手゛スマホ゛入力していた文章の
日々の更新は難しく 翌日繰り越しになったり
諦める事も 何度もあった。
当日起きた出来事を メモることすら出来ない。
大した事は何も無いけれど
日々の出来事を 少しでも憶えておきたい。
□ すれ違う感情
・ 担当療法士との 気持ちが繋がらない
動かなくて 重くて丸太棒の様な右半身
コンクリートの縁石の様な右脚
一度投げ出したら
伸ばす事も 縮める事もすら出来ない身体。
・ やってもやっても足指の数が分からない。
「親指を動かしてみて」 とか
「これは 何指かな?」 とか 聞かれても
(この人は 何を言っているんだろう。) と
問われる度 不信感を持ち始めた。
それでも
少しずつ体位移動が 出来るようになった。
゛寝返り゛らしき事も やり始めた。
そのせいか
体調確認もせずに すぐに歩行練習に
入ろうとする。抵抗して
体調が思わしく無かったと 伝えた事もあった。
③リハビリ内容
(11/初旬~12月初旬頃迄)
PT(理学療法士)
□ リハビリ内容
リハ室(ベット使用有)
・ ストレッチ
足首・股関節周り(骨盤矯正を含めた)
凝り固まった筋肉をほぐす。
肩を中心のストレッチ
(上下・肩胛骨・前後・左右)
・ 立ち座りと重心移動
膝を曲げ おじぎをしながら
重心を前方に移動させる。
お尻を浮かせ バランスがとれた状態で
上体を起こす。
下に物を置くようにお尻を下げる。
おじぎをする様に 膝を曲げていく。
・ 歩き方・姿勢・重心の修正
足をつくときに踵からつく事を意識する。
歩く際は顔を上げて目線を 3m位前方に置く。
足を地面につくときに踵から接地する。
しっかりと 地面を蹴る。
手を振る感覚で歩く。
・ 姿見(鏡) 使用
健康な側の腰・右足・重心等の動きを
鏡で見て思い出す 確かめる。
・ 装具使用
LLB太腿までの金属製装具を付けて歩行練習。
シューホーン(膝までのプラスティックの装具)
・ 動画撮影
状態を見直す為に 撮影し指導する。
・ 杖 使用
〈 一本杖 〉
自立歩行の多くが使用する。
グリップは (T字型 L字型 丸型)がある。
〈 四点杖 〉
脚が4点に別れている。
4点が同じ高さで接地するので
凹凸の少ない室内に適している。
〈ロフストランドクラッチ(前腕部支持型杖)〉
カフ(前腕を通す「輪」)と
グリップの2カ所で体重を支える。
〈 松葉杖 〉
松葉型をした2本の支柱の上部に
脇当 途中にグリップがある。
通常は2本1組で使用する。
〈 サイドケイン 〉
片手で使う歩行器のような形状。
幅も重量もあり 長い距離を歩くのには
適していない。
脳血管疾患の中程度の半身不随でも
体重をかけることができる。
〈 ポール(ノルディック型) 〉
真っ直ぐな形をしたストックのような杖。
2本セットで使い 背筋が伸びる。
健康づくりのウォーキングで使う事が多い。
OT(作業療法士)
□ リハビリ内容
リハ室(ベット使用有)
・ 肩を中心のストレッチ(上下・肩胛骨・左右)
手のひらのリンパの流し
⇒ 背中の凝りのほぐしをする。
・ ポール・棒・ゴムバンド
左右・上下・斜めに動かす運動をしながら
ストレッチを行う。
・ ギザギザペク・輪投げ
ペグを手で持ち 穴の位置を確認する。
板の穴に出し入れする。
・ 四つ這い
手を伸ばす 姿勢保持する。
片足・片手ずつ交互に手足を伸ばす。
体幹のブレをなくす。
・ 粘土工作
プラスティック粘土で
立方体・球体を作成する。
粘土を引きちぎる くっつける
・ タオルの握り・離し・掴み・壁拭き
麻痺側の関節可動域の
維持・改善 肩甲骨周囲の柔軟性の改善。
壁を上下・左右 拭く運動で
肩胛骨の可動域を広げる。
・ ピンポン玉・ビー玉
手のひらで落とさないように回したり
摘まんだりする。
・ 洗濯バサミ
洗濯物を干すイメージでタオルを干す。
ピンチ力を高める為 麻痺手を利用する。
・ おはじを・輪ゴム
おはじきは 一列に並べたり 裏返したり
10枚ずつ重ねたりする。
輪ゴムは 細くて摘まみにくいので
指先の動作を 繰り返す。
・ お手玉
前方に籠を用意して 麻痺手で投げ入れながら
少しずつ遠ざていく。
箸で お手玉を摘まみ 持ち上ながら
グルグルとしゃぶしゃぶの様に回す。
・ ティッシュペーパー
剥がしたり 丸めたり 細く切ったりする。
ST(言語療法士)
□ リハビリ内容 作業室・談話室等で
コミュニケーション障害の改善を目的とした
リハビリテーション 言語領域が損失を受け
言葉を上手く扱えなくなる症状もある。
「聞いて理解する」「話す」「読む」「書く」
言語にまつわる機能障害。
・ 運動障害性構音障害
脳幹 または脳幹につながる神経線維が
損傷を受けて唇や舌などに麻痺が出て
言葉をうまく発音できなくなる症状。
・ 聞こえと飲み込み障害
聞こえにくかったり
自分で食事が取れなくなる場合もある。
多種検査の結果 障害は見受けられなかった。
・ 復職の為の事務トレーニング
電話連絡メモの作成は
会社名 月日 数量を確実に書く。
カタログから品番を探し出し
数量計算(個数×単価×消費税)
小数点以下 切り捨て。
その後 商品をピッキングする。
★:*:☆・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・☆:*:★
「格言」
石の上にも 三年
今も この言葉を支えにしています。
続けていれば いつか成し遂げられると
身体が 覚え始めました。
途中でやめずに 努力を続けることの
大切さを忘れないために
noteに 書き記すことにしました。
読んでくださり ありがとうございました。
次回は…。
12月の出来事 と 出逢い を綴る予定です。