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SHIBUYA CITY FCがサッカークラブとして世界初となるNEW ERAとのオフィシャルサプライヤー契約を締結した話。

【渋谷での新たな生活】


2022年。Jリーグでの
17年間のプレーに区切りをつけて
東京都社会人リーグ1部に所属する
SHIBUYA CITY FCに加入した僕は、
新たなチャレンジをしに
渋谷の街へ降り立ちました。

SHIBUYA CITY FCからプレーヤーとしての
オファーを頂いてから数日、
自分で悩みに悩んだ末、内容を考えて
クラブへ僕の方から逆にオファーをさせて頂き
それが承諾されました。

その内容とはプレーヤーとして所属した上で、
新たにSHIBUYA CITY FCの
内部に入り働く事
でした。

元々サッカークラブの在り方に
ものすごく興味がありました。
Jリーガーとしてプロの世界で17年間
なに不自由なくプレーできた裏側には、
所属したクラブの会社の方々の努力や支えが
あったからこそだと思っていたので、
そこのクラブの裏側の部分を自分の目で見て、
経験する事がサッカー界への恩返しや
自分自身の成長に繋がると思っていました。

2月、渋谷にあるオフィスに初めて出勤して、
クラブの内部を見る事から始まりました。

サッカークラブという組織は
カテゴリーにより規模の大小はありますが、
基本的には部署などが何個もあり、
その集合体としてクラブが成立しています。
SHIBUYA CITY FCも他のサッカークラブと
同じく多くの業務がありました。

名刺の渡し方、メールの打ち方、
パソコンの使い方など
基本的な事は教えてもらいましたが、
我がチームは正社員が4人しかおらず、
僕一人の指導に時間を割いてくれるほど
時間的な余裕はありませんでした。

デスクの横で僕より若い仲間が
山のようなタスクを次々と
こなしていく姿を見て、
自分も早くチームのために役に立ちたい』と
強く思うようになるには時間は
そうかからなかったです。

最初はオフィスの掃除や
クラブパートナーの伊藤園さんから
サポートして頂いている飲料の搬入など
できる力仕事などからしました。

しばらくして僕もスポンサーさんや
パートナーさんへの挨拶、
または新規のスポンサー営業の外回りに
同行するようになりました。

この今のご時世、簡単にスポンサードを
してくれる企業さんはそう多くないです。
まして日本のサッカー界のピラミッド
でいう上から7番目の
J7にあたるサッカークラブのスポンサー
手を挙げてくれる事は非常に貴重で稀な事です。

自分が今まで練習や試合で着てきたウェアや
ユニフォームについている企業ロゴ掲載に
手を挙げてくれたスポンサーさんは
果たしてどんな想いを持ち、
どのくらいのお金をチームに支払って
サポートしてくれていたんだろう。

そんな事を渋谷からの家に帰るまでの
電車の中で考えながら、
家路につく日々が続きました。

そして、昨年までJリーガーだった自分が
大した営業スキルやセールストークもないのに
どうやったらそのスポンサーさんを
見つけて契約してくる事ができるのか。
奮闘する会社の仲間を横目に
悩める日々が続きました。

3月。
あるアパレルブランドの展示会の
お誘いがあり、東京に帰ってきた
ご挨拶もしたかったので、
仕事の気分転換にその展示会に
足を運ぶ事にしました。

【転機】

『NEW ERA FALL&WINTER 2022 展示会』

その展示会はメジャーリーグの選手
オフィシャルキャップサプライヤーで
世界的に有名なブランド
『NEW ERA』さんの展示会でした。

そのブランドのマーケティングを
担当している方が
元々知り合いだったので、
自分の名刺を渡しに挨拶をしに行きました。

「おー!久しぶり!!裕介元気してたか?」

久しぶりの再会に話の花が咲き、
近況報告をして、ビジネスの話を話したり、
すごく実りのある時間になりました。

ホールのような会場を貸し切りで行う展示会を
ゆっくりと一周回り、思った感想は

「めちゃくちゃかっこいいな。」

これに尽きました。
その時、僕の頭の中に
一つ閃いた事がありました。

「NEW ERAさんと手を組んで
ユニフォームを作ったら、
めちゃくちゃクールだし、
新しい事にチャレンジし続けるサッカーチーム
✖️若者の街渋谷というカルチャーがより色濃く出るんではないか」と。

羅列された商品のカラーリングも
我がチームのカラーである黒と白が多く
(縁を感じました。笑)、
頭で勝手にどんなユニフォームを作って、
どんなチーム移動着で渋谷の街を歩くのか。
そんな事を勝手にイメージして
興奮しながら帰路につきました。

白や黒を基調としたカラーリング 
SHIBUYA CITY FCと縁を感じました。

その興奮が冷める前に
すぐにアクションを起こしました。

代表とクラブのデザイナーと
3人で、SHIBUYA CITY FCと
NEW ERAさんがコラボレートする事
によるイメージ、両者のメリット、
世の中へのインパクトなどを
資料にまとめてスポンサー提案という形で
プレゼンの機会を数回作って頂きました。

スポンサー提案資料の一部



また、『渋谷からJリーグを目指す事』の
未来の可能性やクラブの壮大なビジョンを
伝え続けました。

ここで僕やSHIBUYA CITY FCの
会社メンバーが考えている
夢物語を少し話します。


渋谷からJリーグを目指す事』の重要性

  1. 首都東京の中心である23区内にまだJリーグクラブが存在しない

  2. 日本の中心に位置する渋谷という場所柄、世界的に見ても注目度が高い

  3. 人口、企業の密集度が極めて高いため多くの方を巻き込んだムーブメントを起こせる(現在はFootball Jamというサッカーフェスを渋谷の街中をジャックして行っています。)

このような点から、
もし渋谷からJリーグクラブが誕生すると、
日本の中の中心に位置するクラブ、
そしてアジアや海外からも注目される 
都市のクラブという事になり、
多くの人々の目に晒される事が予想されます。

パリサンジェルマン、ACミラン、
インテルミラノ、レアル・マドリード…

日本にもそんな首都にある
都市型のビッククラブができたらいいなという
夢を追っています。

そんな挑戦を日々考えながら過ごしています。
とは言っても今はまだまだ
東京都1部リーグに所属しているチームです。
足元を見ればまだまだ事業規模も小さいですし、
収入源もほぼスポンサー様からの
ご支援や協賛費に頼っている状態です。
そんな我がチームの話を真剣に考えてくれて、
聞いてくれるだけで僕は嬉しかったです。

この夢のような話は絶対に
我々の力だけでは到達できません。
この夢を共に追ってくれる仲間が必要です。

その点で僕はどうしてもNEW ERAさんと
手が組みたいと思いました。
その理由としてはNEW ERA さんは
ベースボールキャップのイメージから
野球のイメージが強いです。

その世界的にも有名な
ベースボールアイコンのNEW ERAさんが
新たにサッカークラブのユニフォームを作る事
我々の目指す挑戦の意思表示を
世の中に示す事に繋がり、
外からの見る目が変わるのではないか
という事です。

我々のようなクラブは
メディア、ニュース、各種媒体に
取り上げられる事が非常に大事で
大きな広報・営業活動に繋がります。

会社で経営や営業に奔走する仕事、
地道にクラブの紹介メールを送り続ける仕事、
行政とのやりとりやクラブを安定させる仕事、
クリエイティブを作り続ける仕事。

会社の同僚は皆クラブの未来に向かって
仕事に奔走していました。

そんな仲間を近くで見ていて
僕が気がついた事は
自分の役割を理解して
それを愚直にやり続ける事

SHIBUYA CITY FC の仲間達

この時僕にできた事は、
NEW ERAの方と連絡を取り、
SHIBUYA CITY FCの夢を語り、
仲間になってもらう事でした。

Jリーグで長くプレーしてきた自分が
大事にしてきた姿勢。
それは、
一つの事に情熱を持ちそれをやり続ける事です。
サッカーから学んだ事をビジネスの世界でも
活かせる。
そう自分を信じて足を運びました。

【稲妻】

アクションを起こしてから
約2ヶ月が経った頃。
突然、NEW ERAの会社の方から
電話が入りました。

「俺が電話してきたって事はどういうことかわかるか?」

ドキッとしました。

それまでは対面で会って話はしていたものの、
このプロジェクトが通るかどうかは
半信半疑の状態。
むしろ、話が成立するのは厳しいだろう
という予想がありました。
テキストではなく電話がかかってきた事で
どちらかの方向に話が進むのかが
決まったのだろう。
そう直感で感じました。

「ユニフォームをSHIBUYA CITY FCと
作れることになったぞ!!」

担当者の声の中から興奮が感じられました。
その声を聞いた瞬間、自分の中に
稲妻のようなものが駆け巡りました。

数ヶ月前には
想像もしていなかった事が起きた事、
2ヶ月間その事で頭がいっぱいだった事。
それがその電話で全て現実になったという事。

会社メンバーにその話を伝えると、
SHIBUYA CITY FC代表の小泉が
抱きついてきました。笑

あぁ。自分もやっと仕事ができた。」

そんな感覚になりました。
会社にとっても大きなインパクトを持つ
プロジェクトになる事は間違いない。
言葉を交わさずとも
社員のメンバー全員がそう目を
輝かせていました。

そこからは定期的にNEW ERAさんとの
打ち合わせが組まれていき、関わる人の数も
どんどん増えていきました。

何度も通ったNEW ERA さんのオフィス

自分自身も初めての経験。
今まで自分が着ていたユニフォーム
を自分が創る側になっていく立場に
なっていることに
非常にワクワクしました。

聞いたことのないワードやサイズの単位を聞き、
デザインや映像などの細かなこだわりを知る
日々の中で自分自身が成長しているのを
感じました。

0からのユニフォーム作成⚽️

渋谷のファッションや文化を考えた時に
カテゴリーはJリーグではないけれど、
デザインやこだわり、
発信する内容の部分だけでも
日本の最先端を走りたい。
何か違いを出していかないといけない。
そう考え、SHIBUYA CITY FCのデザイナーや
NEW ERAのデザインチームの方々と
試行錯誤を繰り返して
世界に一つのデザインを考えました。

デザイナーの方々のこだわりに
プロフェッショナルを感じました。

野球のエッセンスが感じられる
ピンストライプをベースに
サッカーのユニフォームに多く採用される
ストライプをミックスして
ベースを作りました。
そして渋谷の街を感じられるように
渋谷のアイコンである109などの写真が
プリントされた渋谷プライドを
感じられるユニフォームを
作成していきました。
(各所許可を頂いております。)


完成したNEW ERAの
世界初サッカーユニフォーム

ここからは有料記事としてこのプロジェクトの
具体的な内容を有料で公開致します。

ここまで読んでくださった方で
興味がある方は是非ご覧ください。



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