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カナダではCOVID-19ワクチン接種がいかに簡単か

あなたはCOVID-19のワクチン接種をしましたか?

私自身は、実は最初は接種には慎重派で、ワクチンが本当に安全なものかどうかリサーチを読んだり、周囲に話を聞いたりしていたのですが、遅ればせながら2021年の8月と9月、そして2022年の4月に接種をしました。

そして先日、2023年1月末に4回目の接種(つまり2回目のブースター接種)を受けてきました。


なぜこの時期に接種をしたのか

そもそも、もうコロナも収束しかけで、街中ではマスクをしている人はほとんど見かけず、行動制限も無いこの時期になぜ追加でワクチンを接種したのでしょうか。

  1. 完全にコロナウイルスの脅威がゼロになったわけではないため。

  2. 自分も含め、人々がマスクをしていないからこそ。

  3. 今後、万が一感染した場合の症状を軽くするため。

  4. 接種をすることで集団免疫を獲得することが社会の一員としての責務であると考えたため。

このような理由です。

予約も接種も簡単すぎるカナダ

大規模接種会場から、街中の小さなクリニックまで、多くの場所で接種が可能で接種可能というのは日本もカナダも同じですね。

今はもう落ち着いたので大規模接種会場は、少なくとも私の住むバンクーバー地域にはありません。そもそも私は初回の接種が遅かったので、初回の接種を受けた会場は接種後数日で閉鎖になり、2回目は別の大規模(中規模ぐらい?)接種会場に行きました。

しかし、いかにもカナダだなぁと感じたのが、予約なしでいきなり訪れても接種してくれるクリニックがあったり、ドライブスルー接種なんてものまで登場したこと。歩道に「いますぐワクチンを接種しよう!」的な看板も出ていました。 

対して何でもキッチリやる日本。もちろんそれが悪いわけではないでしょうが、プロセスの遅さというものに繋がっている感じがあります。

接種券なにそれおいしいの?

ところで、私は4回ともカナダで接種を受けたので、日本における接種の手順は完全には理解していないところがあるのですが、どうやらワクチンの「接種券」というのがあるらしいですね。

いや、券て。これを聞いた時、今どき紙なのかと驚きました。

もちろん本人確認を厳密にするとか、何がしかの目的があるのかもしれませんけども、券自体の紙と印刷の費用、郵送する費用や配達員さんの労力と人件費だってバカになりませんよね。

ネットでパッと予約してドラッグストアでプスッ!

それに対してカナダはどうでしょう。全部の州で同じではないかもしれませんが、私の住むブリティッシュ・コロンビア州(BC州)では以下のような感じです。

まずは初回だけオンラインまたは電話で州政府のワクチン接種システムに登録する。保険証番号と名前と連絡先を入れるだけなのですぐ終わります。自分の場合はこれは2021年に済ませました。

その後テキストメッセージやメールで案内が来るので、記載されているリンクから接種場所と日時を選んで決定。ものの3分。全ての接種場所がひとつのページに集約されているので、接種場所にいちいち電話する必要もありません。もちろんネットが使えないお年寄りは政府の電話番号にかけて予約することも可能です。しかも、時間枠さえ空いていれば、当日中の予約だって取れます。「そうだ 京都、行こう。」みたいなノリで「そうだ 接種、しよう。」ができてしまうのです。

その後、予約確認リンクがテキストやメールで来ます。

当日は保険証と予約確認を持って接種を受けます。あくまで保険証番号で管理されているので、正直なところ予約確認書は確認されません。ちなみに保険証は運転免許証と一体で便利です。

1回目、2回目こそは、まだコロナ真っ只中だったということもあり、大規模接種会場がありましたので、そちらを選びました。

間隔を開けて並んだり、今までしてきたマスクを破棄して会場で用意した新品のマスクに付け替えるよう指示されて、保険証の顔写真の確認とともにランダムで赤か青のポストイット(つまりファイザーかモデルナかに振り分けられる)を保険証に貼られる。私は1回目も2回目もファイザーでした。

接種前もいくつかの質問をされて、やっと接種されるという感じでした。(「針を刺されることに対して恐怖感があるか」という質問には驚きました。そんなこと聞くんですね。) それでも、会場に到着してから針を刺されるまで10分ぐらい。しかも、帰りには "I'm COVID-19 Vaccinated" と書かれたステッカーをお土産に貰えました。


接種接種したらお土産まで貰えちゃう。

3回目と4回目はさらに簡単。オンライン予約を取るまでは一緒。しかも接種場所はドラッグストア。日本で例えればスギ薬局でワクチンを打ってくれるようなものです。

店の奥の薬剤師さんに話しかけたら、保険証を確認して、質問はアナフィラキシーショックはあるかということだけ。そしてすぐにプスッ! しかも3回目接種の時はご丁寧に、先の2回はファイザーだったけど、あなたの年齢とワクチンの効果を考えると、今回はモデルナがいいよとアドバイスまでくれました。どちらも薬剤師さんに話しかけてから、針を刺されるまで3分とかかっていません。

ドラッグストアで接種ができる。

ただ、4回目の予約案内がなかなか来ないなと思っていたら、3回目接種から10ヶ月程度期間が空いてしました。結果、接種予約リンクを再請求する羽目になったのも事実。これは、以前自分の電話番号で他の人の予約を手伝ったことが原因かもしれません。

ちなみに、ただ接種するだけなら家から歩いてすぐのドラッグストアで予約を取れば良かったのですが、3回目、4回目ともに、わざわざブリティッシュ・コロンビア大学(UBC)内のドラッグストアへ行ってきました。大学キャンパス散策の様子は動画に収めてきたので、そのうちYouTubeで公開しようと思います。

接種証明書もすぐ出る

日本では、接種後に接種証明書はどのように出るのでしょうか。

こちらでは接種後に少し待てば、政府のサイトからQRコード付きのPDF接種証明書がダウンロードできます。医師が手書きするなんていうことはあり得ません。

4回目接種の時なんて、接種後わずか1時間で証明書が用意されました。しかも土曜日ですよ。データ管理が完全自動化されているのでしょうか。もしかしたら、土曜日にも関わらずデータ入力をしている政府職員がいるのかもしれないですけどね。

別に日本がダメだよねと言いたいわけではない

別に「カナダのシステムはすごいでしょ。それに対して日本はダメだよね」と言って日本を貶めたいわけではありません。

個人的にはカナダの接種システムの方が、日本のそれよりはるかに優れていると思っていること自体は事実ですが、日本のシステムに良いところもあるかもしれません。

でも接種券はさすがにどうかと思いますね。より厳密な本人確認とか、何がしかの意図があるのかもしれませんが。でも券を無くしたら面倒そうですよね。ネットが使える人は完全オンライン、使えない人は電話予約で、さらに希望者には予約確認書郵送で良いと思うのですが、どうでしょうか。

ただ、日本は個人の状況により社会保険や国民健康保険やら別れているので、情報統一が難しい部分があるのかもしれないですね。カナダは保険の管理は国ではなくて州ごとですが、あくまで州の保険しかありません。会社勤めだろうが、個人事業主だろうが、無職だろうが、全員州の保険に入ります。ちなみに私の州は保険料は無料です。

今回のワクチン接種に限らず、カナダでは物事はだいたい6〜7割ぐらいの完成度で世に出してしまい、実際に運用しながら悪い部分を修正していったり、不要な物は除き、足りないものは足すというような運用をしている感じを受けます。

そのため、全部が完璧というわけではありませんし、変更によって混乱が起こることも無いとは言い切れないのですが、日本に比べてスピード感は圧倒的です。そして、そのためか、国民が小さなことを気にせずおおらかな傾向にあると感じます。

時間はかかるけどしっかりの日本、スピード感のあるカナダ。あなたは、どちらが良いですか?

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