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【266】祭のあとで

今年の夏を共に駆け抜けた、Night Songsコンテスト*Muse*(Muse杯)が昨日終わった。

始まりがあれば終わりが来るもの。
わかってはいるけど、この手の経験は何度してみたとしても慣れないものだ。

例えば結婚式に向けてスタートさせる打合せの時間は本当に長いのに、いざ結婚式前日になったあたりから時間が過ぎるのがやけに早く感じるように。
楽しみの反面《終わりが来る寂しさ》が胸の中にうごめき出す。
《失う》って言葉とは訳が違うはずなんだけどね。

手にしたものを手離す感覚に、恐らく私は人よりも寂しさを感じやすいのだろう。

他にもコンテストには参加したこの夏だったけど、やはり運営メンバーとして関わっただけあって感慨深い。久しぶりのこの喪失感だ。
こんなときに限って秋めいてくるんだよね、空気がさ。余計に夏の終わりを感じてシュンとしちゃうものですよ。

コンテストの最終結果は主催の嶋津亮太さんのnoteで改めて伝えてくれると思うけど、150近い作品が参加しくれたこのコンテストはある意味異質(もちろんいい意味で)なものだったはずだ。

noteのコンテストではあるけど、文章だけに表現はとどまることはなかった。もちろん規定を設けずに自由に【彗星の尾っぽにつかまって】の世界観を創作してくださいって応募だったので、小説やエッセイだけではなく、イラストや動画や写真、羊毛フェルト、漫画や短歌、オルゴール、太極拳、書道、ダンス、あつ森、パンやカクテル…あ、トートバッグやアイシングクッキーなんかもありましたね。

いずれも作者にとっての曲の世界観を表したものだ。

文章で表現することにどこか慣れていた私からしたら、イラスト1枚で《理屈なし》で表現するなんてたまげたもので刺激強すぎな日々だった。
ある意味勝負師のような、ある意味自分だけの持ち味を集約したようなものを感じた。

偶然にも1つ目のエントリー作品は私のnoteで。


《Museが舞い降りた》と言われたら、そうなのかもと思いたくなる。
自分でも思い描いてないストーリー展開で仕上がった小説はTwitterで目にしてくれた広沢タダシさんのファンの方にも感動を届けることが出来た。

表現の仕方や書き方に変化をさせようとしていた日々に広沢さんの曲を題材にしたらどうなるのかを《ためしに》書いてみた結果、思った以上の仕上がりになった。
個人的にもかけがえのないものになった。

エントリー方法をすーさんがまとめ、全ての作品のまとめ記事を千ちゃんが書いてくれた。
私も微力ながら音声でコンテストの近況報告をしてみたりして、チームそれぞれの持ち味を出して盛り上げていった。
極めつけは全作品を動画にて紹介するという取り組みだ。おかげでYouTubeデビューもここでしたんだよね。

我々、運営メンバーと共に広沢さんご自身も作品に目を通し個別にコメントをしてくれた。
広沢さんファンならずとも、やっぱそういうことが参加して良かった気持ちにさせてくれる。

《誰かのところへ届いてる感触》

これは、noteで文章を書く人だけではなく、今回参加してくれた全ての人が喜びに感じていたこだと思う。
確かに届いてる、確かに見てくれていることは表現者としての喜びになるからね。

特に今回は広沢さんのファンの方や、今までnoteをやったことのない人が参加してくれることもイメージとして持っていたので、最終的に続々と集まるMuseたちに私たちは心震える毎日だった。

8月中旬、メンバー内でのオンラインでの打合せを何度か重ね、最終的なイメージを共有した。
共有したのはゴールと、ゴールしたその先の展開だ。
結果発表を終え、幕を下ろすかと思いきや終わるつもりはまだなくてね。

リアルイベントとして展開するイメージを実は私たちは持っている。
そこでオンラインではなく、表現者たちのまほろばのような場所が生まれ融合する場所が新たに出来ると思っている。
本当にそれは《たら、れば》ではなく、やるつもりでいるから楽しみで仕方ない。

今はちょっと祭のあとのような物悲しさで。
あんなに楽しかったのに、もう一度はないとわかってるから。既に書いたように楽しみな未来は描いているのだけど。

昨夜20時を皮切りに続々と参加者の皆さんが一人二人と集まり出す。
21時の本番スタート、広沢さん登場の頃には画面いっぱいの40名以上が会場であるZoom内を温かい空気にしてくれた。

一人一人の名前やお顔を見ながら作品を思い出す。
なんかそれが嬉しかったな。

《やっと会えたね》って気持ちだ。

noteの町だけでも本当にたくさんの人がいて、その範囲を越えて今回はコンテストを実施した。

どうしてこんなにたくさんの星の中から
あなたを探し出せたんだろう とても不思議ね

本当にそうだ。
例え離れてもずっと忘れない。
例え離ればなれになってもまたきっと会える。

みんながそれを願うから、そうやって描かれたストーリーは本当に多かった。私もその一人だ。

広沢さんが仰っていた話に印象的だったのは、
「今だから書けた曲。やっとここまで来れたか」

生きている全ての人に感情があり、裏も表も喜びも悲しみもあって、重ねた経験が《今》を表現させる。
今だから出来ることはきっとあるんだと、その言葉で思わされた気がした。

最後に改めて、コンテスト主催の嶋津亮太さん、同じく運営メンバーのすーさん、千ちゃんありがとうございました。
皆さんと仲間になれたことは本当に幸せな時間でした。

そして、広沢タダシさんがいたからこそ新しい創作の世界が生まれた。
たくさんの人の心の奥底にいつまでも灯り続ける彗星たち。
優しさに溢れるコンテストはきっとMuse杯だったからこそだと思っている。

この結果発表の最後のサプライズプレゼントは広沢さんからの生歌。

イヤホンをしてその声に耳をすませる。

一秒でも微かでも聞き逃すことがない様に、少しイヤホンを耳に強く押し付ける。

この声を聴くために、もしかしたらみんなは同じ場所に集まってきたのかも知れないね。そんなふうに嶋津さんは話していたけど、私もそんな気がした。

いい時間だったな、本当に。

忘れられない時間。

忘れられない夏。

忘れられないMuse。

サポートして頂けるなんて本当に感激です。その気持ち、そのひと手間に心から感謝します( *´艸`) たくさんのnoteから見つけて下さりありがとうございます!!