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機械設計技術者試験|8.工作法1⃣
令和2年度 機械設計技術者試験 3級 試験問題Ⅰの解説です。
試験問題は日本機械設計工業会(JMDIA)のHPに掲載されています。
☞試験問題リンク
※本ページの解説はJMDIA公式のものではなく、投稿者個人で作成したものです。予めご了承ください。
工作法の1⃣は「加工に関するキーワードの単位」に関する問題です。
【A】の解説
解答:『μm』
解説:「算術平均粗さ」とは部品表面の粗さを指定する「表面粗さ」に関係するキーワードです。すべての面には必ず凹凸とうねりがあり、この粗さ具合を数値で表現したものを「表面粗さ」と呼びます。表面粗さには「算術平均粗さ」「最大高さ」「十点平均粗さ」など様々な種類がありますが、今回の問題は「算術平均粗さ」が取り上げられています。「算術平均粗さ」とは、平均線を基準とした凹凸の面積の平均値であり、下の図(ミスミのHPより引用)のように基準線から凹凸の平均値までの長さを意味します。図面内では「Ra」と表記されます。
表面粗さはμm単位で表すものとなります。今回の問題の解答は『μm』となります。
【B】の解説
解答:『m/min』
解説:「切削速度」とは、切削時の工具と材料の相対速度の主運動方向の成分のことです。JIS B0170の番号4002で定義されており、単位は「m/s」または「m/min」です。今回の場合、選択肢より「m/min」が正解となります。
【C】の解説
解答:『mm』
解説:切削加工おける切込みは被削面から工具が切り込んだ量であり「切込み深さ」と呼ばれます。こちらはJIS B0170の番号4013で定義されており、単位は「mm」となります。
【D】の解説
解答:『mm/min』
解説:「送り速度」とは、切削時の工具と材料の相対速度の送り運動方向の成分のことです。こちらはJIS B0170の番号4004で定義されており、単位は「mm/min」となります。JMDIA公式の解答では「mm/rev」となっていますが、これは工具の1回転または1工程あたりの移動量、つまり「送り量」の単位です。こちらはJIS B0170の番号4009で定義されています。
【E】の解説
解答:『mm』
解説:「旋盤の振り」とは、旋盤の能力のうちのひとつであり、「ベッド上の振り」や「往復台上の振り」があります。これらについては詳しくはこちらを参考にしてください。写真付きでわかりやすく説明されています。旋盤の振りの単位は「mm」が使われます(JIS B6013の付表-1)。
【F】の解説
解答:『min^-1』
解説:旋盤の主軸回転速度は、「主軸が1分間に何回転するか」で定義されており、単位は「min^-1」となります(JIS B6013の付表-1)。
【G】の解説
解答:『mm/min』
解説:「フライス盤のテーブルの送り速度」は「【D】の解説」と同じく、切削時の工具と材料の相対速度の送り運動方向の成分になるので、単位は「mm/min」となります。
【H】の解説
解答:『MPa』
解説:「比切削抵抗」とは、単位面積当たりの切削抵抗のことをいいます。切削抵抗とは、切りくずの形で材料を除去するのに必要な切削力の反力なので、単位は「N」となります。したがい、比切削抵抗の単位は「N/mm^2」となり、単位換算すると「MPa」となります。
【I】の解説
解答:『kN』
解説:プレス機の加圧力は力の単位となるため「kN」となります。JIS B0111の番号6001に加圧能力(:プレス機械の発生できる最大加圧力)の単位が記載されており、「kN」が一般的に用いられます。
【J】の解説
解答:『min^-1』
解説:プレス加工におけるストローク数とは、プレス機械の仕様のひとつであり、スライド(上下する部分)の1分間のストローク数です。単位はJIS B0111の番号6010に「min^-1」と記載されています。
以上