Amor de Conuco by Michel Camilo and Tomatito feat. Juan Luis Guerra

先月にミシェル・カミロの弾くラプソディ・イン・ブルーを紹介した。

じつはミシェル・カミロはわたしが最もおおくライブ会場に足を運んだ演奏家だ。トリオもソロもライブで聴いたけれど、トマティートとのデュオで来日したツアーは逃してしまった。

トマティートはフラメンコのギタリスト。カミロのラテンピアノとの情熱的なコンビで3枚のアルバムを出している。その2作目、2006年の『Spain Again』の最後を飾るこの曲は、唯一ゲストを招いての録音。そのゲストがこの曲の作者でありカミロと同じドミニカ共和国出身の歌手フアン・ルイス・ゲーラ。爽やかな演奏と歌声が心地よい。

Y la luz de la mañana
que entra por mi ventana, cielo
y los ríos y la montaña
y el viento que peina tu pelo
yo quisiera ofrecerte el mundo y no puedo

そして朝の光が窓から入ってくる
空と川と山と風とが君の髪をとかす
世界すべてを捧げたいけど、僕にはできない(拙訳)

スペイン語の歌には、こうした自然を喩えにつかった愛の歌がおおい。

この愛の歌は、フラメンコの伝説的カンタオール、カマロン・デ・ラ・イスラが情熱的に歌ったバージョンが有名だ。じつはSpain Againを聴くまで、わたしはゲーラが書いた曲だとは知らなかった。それを知ると歌詞の中の農場や山や川がまた違って聴こえる。

ちなみにこのゲーラの曲をカバーしたカマロンは、トマティートと共演していた。ゲーラはカミロと同郷。そのカミロもトマティートと共演。そしてそのふたりにゲーラが合流したこの録音は、なんだか奇跡のような気がする。

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