「1都3県への緊急事態宣言発令」の後に当局者がなすべきことは何か

明日、政府は新型コロナウイルス感染症の感染拡大に対応するため、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県を対象に緊急事態宣言を発令する予定です[1]。

今年に入ってからの1都3県の状況に鑑みれば、各地の住民や事業者の活動に一定の制約を設ける緊急事態宣言の発令は、さらなる感染の拡大を抑制するために不可欠な措置と言えるでしょう。

その一方で、一時は沈静化の傾向を示していたそれぞれの地域が緊急事態宣言の発令を余儀なくされたという点については、どのような理由が考えられるかを検討し、要因を特定することが不可欠です。

何故なら、「直近1週間の人口10万人あたり新規感染者数25人以上」といった指標に基づいて緊急事態宣言を発令すること[2]は所与の状況に対応した方策ではあるものの、過去に用いられた対策の有効性や適切性が検証されなければ、今回の緊急事態宣言が解除された後に実効性に乏しい対策が採用されることになりかねないからです。

少なくとも、今回、東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県において、各自治体や政府の対策は他の地域に比べて有効性に欠けていたことが推察されます。

それだけに、当局者に求められるのは、2度目の緊急事態宣言の発令を契機としてこれまでの新型コロナウイルス感染症を振り返り、3度目、4度目の発令を避けるための方策を確立することなのです。

[1]緊急事態宣言 あす決定. 日本経済新聞, 2020年1月6日夕刊1面.
[2]緊急事態宣言 あす決定. 日本経済新聞, 2020年1月6日朝刊1面.
[3]鈴村裕輔, 「緊急事態宣言の全面解除」で求められる「出来たこと」と「出来なかったこと」の検証. 2020年5月25日, https://researchmap.jp/blogs/blog_entries/view/76353/37ae0597409435449490b33915915da0?frame_id=435622 (2021年1月6日閲覧).

<Executive Summary>
What Is an Important Next Measure after Declaring the State of Emergency? (Yusuke Suzumura)

The State of Emergency which will be applied to four prefectures including Tokyo on 8th January 2021. It is very important for the Japanese Government and Local Governments to examine and evaluate first measures against an outbreak of the COVID-19, since it might be a better preparation to the "third wave".

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