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6時58分の男

昨日に引き続き、私が実際に体験した不思議な話です。


 最近の家やマンションなどでは減ってきているらしいでのすが、私の家には仏壇が置いてあるいわゆる“仏間”といわれる部屋があります。
畳の部屋で広さは10畳ほどあり、昔ながらのこれぞ“和室”といった感じの部屋です。
ん?どんな部屋かって?そうですね、、、
千利休が茶を立てている部屋を想像してみてください。
イメージ浮かびました?
そう、今あなたがイメージした通りのだいたいそんな感じの部屋です。
さて、前置きはこの辺にして、そろそろ本題に入ることにします。

これは、私が高校生の時に見たの話です。

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 気がつくと、私は仏間に1人で座っていた。時刻は朝か昼か、どちらかははっきりと覚えていないが、外が明るかったことは確かである。
私は特に何かしていたわけではなく、ただその仏間の真ん中に、1人ポツンと正座していた。
ふと仏壇の横に目をやると、そこには和室の部屋とはミスマッチな、デジタルの目覚まし時計が置いてあった。
時刻は、6時58分を表示していた。
その時、縁側から誰かがドカドカと土足のまま部屋に上がり込んできた。
誰かはわからない。ただ、40〜50代の中年で、見たことのない男だったという事は記憶に残っている。
そしてその男は、私の方を向き、低い声でこう言った。

「3、2、1」

その瞬間目が覚めた。
私はおもむろに、枕元にあるデジタルの目覚し時計に目をやる。
時刻は6時58分を表示していた。

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 夢というのは、それがどれだけ強烈で鮮明な夢であったとしても、ほとんどは目が覚めた瞬間に全て忘れてしまう事が多いと思います。
しかし、5年ほど経った今になっても、この記事を書く事が出来るほど強烈に脳裏に刻まれている夢であるのにも関わらず、何故かその男の顔だけは思い出せません。
その男が誰だったのか、なぜ夢と現実がリンクしていたのか。デジタル時計が表示した6時58分には何か意味があったのか。私には一切わかりません。
そして、人が夢を見るメカニズムも、いまだに解明されていません。
 しかし、この話が本当である。ということだけは間違いないのです。

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