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20240725_第7回全国高等学校小規模校サミット

パネルディスカッション
「小規模校は最先端」

モデレーター:岩本 悠さん(一般財団法人地域・教育魅力化プラットフォーム 代表理事)

パネリスト:小規模校サミットに参加している高校生 5名
・山形県立遊佐高等学校
・山形県立小国高等学校
・宮城県立岩ヶ崎高等学校
・栃木県立那須高等学校
・広島県立油木高等学校

○モデレーターからの問い
「小規模校ってどう?」

○高校生からの答え
(油木高校)
本校は広島県内でも田舎のほうだと思う。
自然が豊かであること、高校魅力化が地域に浸透していることがいいと感じている。

(遊佐高校)
遊佐町の人は本当に優しい。横断歩道では必ず車が停まってくれる。
地域のイベントに高校生を呼んでもらえることが嬉しい。

(小国高校)
自然が豊か、人が優しいは小国町も共通している。
加えて、小国町はマタギや木工などの文化が深いと感じている。
また、それらの文化を人から人へつないでいこうとする姿や熱量に感動している。

(那須高校)
本校にはリゾート観光科があることが特徴であると思っている。

(岩ヶ崎高校)
本校は宮城県の栗原市にあり、栗駒山が魅力的だと感じている。
特に紅葉がとてもきれいなので、ぜひ見に来てほしい。

○モデレーターからの問い
「自分(パネリスト本人)が感じる小規模校のいいところって何?」
「逆に小規模校の課題は?」

○高校生からの答え
(油木高校)
先生が生徒一人ひとりにかける時間が多いところがいいと感じる。
例えば、授業でわからないところがあっても、すぐ先生に聞きに行くことができる。

(人数が少ないことから)なくなってしまう科目選択があること、部活動の数が少ないことは課題と感じている。

○モデレーターからの更問
「できるならやりたかった部活動はある?」

○高校生からの答え
(油木高校)
「弓道部に憧れがある。」

○モデレーターからの問いに戻って
「自分(パネリスト本人)が感じる小規模校のいいところって何?」
「逆に小規模校の課題は?」

(岩ヶ崎高校)
先輩や先生が顔見知りであることが小規模校の魅力だと思う。
科目選択で一人になるとマンツーマンで教えてもらえることも魅力の一つ。

文化祭の盛り上がりに欠けることは課題と感じる。

(小国高校)
小規模校は地域との距離が近いことも魅力であると思う。
昨日のレセプションでも地域の方々からご協力いただいた。
また、小国町役場でも魅力化推進室を設けるなど、本当にいろんな方から応援していただけることがありがたい。

課題は、重複するが行事の規模が小さくなってしまうこと。
例えば、体育祭のクラスマッチでサッカーができないことを残念に思うひともいるのではないか。

(遊佐高校)
小規模校では、自分の名前を呼ばれることが多い。
個人的には仲の良い友人の名前の由来を知ることができたら嬉しい。

行事の規模が小さくなることは遊佐高校でも課題だと思う。
また、先生との距離が近いことは過保護であると感じるひともいるのではないか。

「小規模校だから」というネガティブなイメージはなくなってほしいと思う。

(那須高校)
先生と生徒の仲が良いことは魅力。
一方で何か悪いことがあると顔がわかってしまうことは課題かもしれない。

【モデレーターから話題提供】
全国の高校のうち約3割が小規模校というデータもある。
今後は、小規模校がスタンダードになる可能性もあり得る。

私が小規模校は最先端と考える理由は、少子高齢化など地域課題といち早く向き合っているからである。

また、全国では高校の数が0か1の市町村が3分の2となっている。
その地域で唯一の高校がなくなると人口減少が加速することはデータでも示されている。

高校を魅力化することはその地域を魅力化することにつながる。

課題解決という点では小規模校のほうがアジャイルである。
私はこのサミットに昨年も参加したが、その時ヒアリングした課題から、小規模校が他の小規模校に行くアクションを考え、小規模校の先生方と検討し、今年「おためし地域留学」をスタートさせている。

今後は全国の小規模校をネットワーク化を進めていきたい。

極端な例を示すと、1,000人の高校と10人の高校を比べると、高校生側から見れば一人ひとりの影響力は10人の高校の方が大きい。

小規模校の方が大きな変化を早く出せる魅力に気づいてほしい。

○モデレーターからの問い
「小規模校を最先端にするためには?」

○高校生からの答え
(小国高校)
小規模校には本当に価値があると思っている。
その地域の市町村を活性化させるためになくしてはならないと思う。

高校生にはアイデアや実行力がある。

他の小規模校とネットワークができたら、小規模校も続いていける、伸びていけると思っているので、関わりを強くしていきたい。

高校と地域との関係は相補的であることが望ましく、高校や地域から一方的にお願いする関係は長続きしないと思う。

○モデレーターからの更問
「他の小規模校とのつながりを強化するためには具体的にどうしたらいいと思う?」

(小国高校)
小規模校サミットも今回で7回目になる。このサミットの運営も(小国高校だけではなく)全国の小規模校と一緒にできたらつながりが深まるのではないか。

○モデレーターからの問いに戻って
「小規模校を最先端にするためには?」

(遊佐高校)
小規模校の課題として行事の規模が小さいことを挙げたが、行事があること自体がありがたい。
この地域に遊佐高校があることに価値があると思う。

もし、私が大規模校に進学していたら、このサミットに参加することもなかった。他の高校生と未来について考えることができて良かったと思う。

今日話したことや学んだことを高校に持ち帰って実行したい。

○モデレーターからの更問
「具体的に、今やりたいことってある?」
(遊佐高校)
遊佐町の国際交流事業でハンガリーに行くことができた。
海外のことをもっと知りたいと思っている。

○モデレーターからの問いに戻って
「小規模校を最先端にするためには?」

(油木高校)
生徒一人ひとりの活動の機会を増やすことがいいのではないか。
全国の小規模校はどこも頑張っていると思うので、今できていることを続けてほしいと思う。

今思いついたアイデアだが、文化祭を盛り上げるために、小規模校同士が近ければ合同で開催するとか、遠くてもVRを活用したらうまくいくのではないか。

(岩ヶ崎高校)
先ほど、小規模校のほうが一人ひとりの影響力が大きいという話があった。
そのような経験はきっと社会に出てから役立つと思う。

また、先ほど油木高校からVRの活用という意見があったが、マインクラフトで自分たちの高校を作成してみることも面白いかもしれない。

(那須高校)
この小規模校サミットをYoutubeでライブ配信しても面白いかもしれない。

(岩ヶ崎高校)
本校では、体育祭の班分けを文系と理系にすることで少ない人数である課題に対応している。

(小国高校)
本校では学校全体で行う種目もある。

(油木高校)
本校では、学年で班分けをしている。
これもいま思いついたアイデアだが、「Nintendo Switch Sports」のようにeスポーツで体育祭ができたら面白いかもしれない。

○モデレーターからの問い
「最後に今日のサミットへの意気込みを」

(油木高校)
私は高校2年生なので、今のうちにやれることはやっておきたい。
機会があれば、大人の人たちとも会話したい。

(那須高校)
いろんな人の意見を聞いて本校に持ち帰りたい。

(小国高校)
私は高校3年生なので、今日の学びを後輩たちに託したい。

(岩ヶ崎高校)
たくさんの高校生と話したい。
私は生徒会に入っているので、本校に持ち帰ってより良い学校にしたい。

(遊佐高校)
小規模校の高校生は影響力が大きいことを自覚できている人は少ないのではないか。
一人ひとりがこのことを自覚できる高校にしたい。

○モデレーターからの更問
「自分らしくいられる高校とは具体的にどういうこと?」

(遊佐高校)
例えば、海外ではクレイジー・ヘアデーなど多様性を認める機会があるのに、小規模校では少し髪型を変えただけでまわりからの視線や地域から「小規模校だから」と言われているように感じる。