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緊急帝王切開におけるパートナーの立ち合い

日本ではあまり一般的に行われていませんが、欧米を含めた多くの国々では、一般的に帝王切開であっても立ち合い分娩をしています。

これまであった研究は、主に「予定」の帝王切開にフォーカスしていて、緊急帝王切開におけるパートナーの立ち合いのメリットやデメリットは議論されてきませんでした。

24の臨床研究を対象としたスコーピングレビューでは、脊髄幹麻酔下帝王切開では、特に妊婦自身がパートナーの同席を望むことが多く、ポジティブな体験となると記述しています。

一方、全身麻酔下帝王切開では、医療スタッフ側がパートナーの立ち会いに否定的な意見が多かった。予定帝王切開ですら、立ち合い分娩が一般的でない本邦において、なかなか難しいテーマですが、諸外国ではこういったものをテーマに研究をしているということを理解するのは非常に重要です。

私自身、数多くの立ち合い帝王切開を経験してきましたが、より質の高い麻酔を提供する、患者家族とのコミュニケーションをとる、必要に応じて退室させるなど、臨床スキルが上がることを実感できました。小児の麻酔導入に親が立ち会うのと同じように、帝王切開麻酔においてもパートナーが立ち会うのが当たり前な世の中になってほしいです。

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