夢は見るもの作るもの

電車の運転士だけど、プライベートは基本車の運転しかしない電父ひろたです。


電車と車、やっぱり運転するにも違いはあります。
電車はアクセルとブレーキしかなかったり、交差点がないので基本的に青信号オンリーだったり。そういう意味では、運転の仕方は車よりも電車の方が単純かもしれません。


それでも電車を運転しているときにしか味わえないという点も、もちろんあります。

それは小さな観客の存在です。

ホームで、沿線で、はたまた跨線橋の上から。
小さな体を精一杯動かして、大きな呼び声と共に手を振るその姿は、見ているだけで顔がほころんでしまいます。
(たまに大きなお友だちもいますが。)

そんなときは、出来るだけ汽笛を鳴らしたり、手を振り返したり。
その瞬間にパッと目を輝かせるのを見ることが出来るのは、電車の運転士の特権なのかもしれません。


さて、なりたい職業ランキングでも割りと上位に来る人気者の電車の運転士ですが、彼等が大人になるときには無くなっているかもしれません。


何故なら、将来の電車は運転士のいらない「ドライバーレス」運転になっている可能性が高いからです。
現在でもゆりかもめなど一部路線では設計段階から取り入れられている、ドライバーレス運転。
先日はJR東日本が将来の導入を目指すことを発表しました。

実はこの自動運転技術は車よりも電車の方が相性がいいと言われています。
線路上しか走らず、敷地内には人が立ち入らない。
冒頭でも言ったように、運転するだけなら電車の方が単純なのです。

とはいえ、「無人運転」ではなく「ドライバレス(運転士がいらない)」であるのは、やはり予期せぬ事故があるから。緊急時に停めることはできても、その後運転再開をしていいかどうか、その判断はまだまだ人間の手を使わなければならないのです。

うーん、語れば語るほど子どもたちの夢を潰すような話ですね。それどころか電父は職を失う大ピンチ。
しかし、それだけ鉄道会社も岐路に立たされているということでもあります。

未来の新しい夢の形を作ること、これからはそれを探すことが仕事になるのかもしれません。


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