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874回目:【オススメ】インドに来るときの注意点(出張者向け)

2023年11月15日の備忘録

インドに来るときの注意点

 私がインドに駐在し始めたのは2019年9月。あれから既に4年が経過した。この4年を振り返って、私自身も色々な所に出張、旅行をし、数々の出張者や、日本からのゲストをアテンドしてきた。今一度、本ブログにて、インドにこれから来る出張者に焦点を当てて、インドに来る際の注意点をいくつか列挙しておこうと思う。ちなみに、ビザは必要なので、これは必須ということで、敢えて下記には列挙しない。

①インドは、常に暑いわけではない

 インドは、地域によっては氷点下10度を下回る所もあれば、常に25度以上をキープする所もある。私が住んでいるムンバイでは、一年を通じて25度前後をキープし、寒くても10度を下回ることはない。アーメダバードでは、4月の最高気温は45度を超える一方、冬は10度を下回る。首都デリーでは、12月は10度を軽く下回る。

12月に、ムンバイからデリーへ出張に行った際に、シャツ一枚でムンバイを出発し、デリーに到着した瞬間凍えそうな寒さに襲われ、緊急でユニクロで防寒具を調達したことが何度かある。そのぐらいインドは地域によっては気候が異なる。

さらには、外が非常に暑い地域ほど、空港やオフィスが極寒の如く寒い。外が40度なのに、室内が20度と、寒暖の差が20度近くあるので、それだけでも体調を崩しそうなときがある。

そのため、「インドは暑い」と思って出張にきたところ、実は寒いということに悩まされ、体調を崩す出張者も見受けられた。

②インドで腹を壊す原因

 インドに住んで4年。その間、食中毒にあたったのは1回だけだった。しかも、それは5つ星ホテルのラッシーだった。

それ以外にも、腸チフスに罹りかけたことや、謎の熱に脅かされたことなど、体調を崩したことは幾度となくあった。しかし、食い物にやられたのは、それほど打率は高くないと思う。

しかし、出張者になると、何かと体調を崩す。しかも、インドでの出張が終盤に差し掛かったころや、日本に到着した後に体調を崩す人が多く見受けられる。

なぜ、出張者はインドで体調を崩すのか。

一つの理由は、免疫力が低下していることだろう。長時間のフライトや、現地でのハードなスケジュールで、体力が消耗し、免疫力が低下してしまう。インドへの出張は、日本との時差や慣れない環境、食事など、さまざまな難関がある。今回は、その中から3つの難関をピックアップして紹介する。

1. 日本との3.5時間の時差

日本からインドへの出張は、時差が3.5時間ある。朝5時に出発して夕方5時に到着した場合、食事を済ませて11時に寝たとする。それは、つまり、日本時間で深夜2時半に寝ることになる。翌朝は早朝6時に起きて移動が始まるので、なかなか寝不足を解消できない。

もっと時差が開いていれば、諦めて休息に充てられるところだが、3.5時間という微妙な時差が、頑張れちゃう時差となっている。

2. 慣れない環境下での長時間の移動

インドは、基本飛行機と車の移動となる。しかも、日本から来る出張者が向かう先は、インドの奥地であるケースが多々ある。車で数時間の移動が必須となり、移動の疲労が蓄積される。

また、インドの道路は、日本に比べて整備が行き届いていないところも多い。そのため、車酔いしやすい人は、酔い止め薬を用意しておくとよいだろう。

3. 慣れない食事

日本からの出張者が向かう先は、大都市でなく工業団地や農地であるケースが多い。つまり、インド料理しか提供されない。

インド料理のクオリティ云々というより、そもそもインド料理を毎日食べることに慣れていない。突然、腹に大量のスパイスが投じられる。

インド料理は、カプサイシンという辛味成分を含んでいる。カプサイシンは、食欲を増進させる効果があるため、ついつい食べ過ぎてしまう。

そのため、日本でそれほどスパイスを食べていない人間が、ついつい大量のスパイスを摂取しがちになる。

これらの難関を乗り越えて、インド出張を成功させるには、事前の準備が重要だ。時差ボケ対策や、長時間の移動に備えて体調を整えるなど、しっかりと体調を整えてから来た方が良い。

この3つの条件が重なり、出張の後半から体調不良になっていくというわけだ。

そのため、私がアテンドで常に心がけていることは、「おもてなし」をあまりしないのが、「おもてなし」だ。無理に、皆んなで時間を合わせて飯を食うことも強要しない。基本、ホテル着いたら、早めに飯食って「あとは寝ろ」と言わんばかりに対応する。

もちろん、インド料理の味付けやスパイスの強さには個人差がある。そのため、出張の前に、事前にインド料理を食べて、自分の体に合うか確認しておくとよいだろう。また、現地では、水道水は飲まず、ペットボトルの水を飲むようにする。

インド出張で体調を崩さないためには、まずは無理をしないことが大切だ。体調が優れないときは、無理をせず、休息を取るようにした方が良い。

③国際線(日本インド間)は、インドの動きがある程度決まって来てからブッキング

 出張慣れしていない日本人は、まずインド国内の動きを決めずに、後は、行ったらどうにかなるだろうと思って、まず国際線をブッキングしがちだ。それは本当にやめた方がいい。なぜなら、インドの国内の動きは、場所によっては、1日に1便しか飛んでないフライトがあったりする。なので、先に国際線を決めてしまうと、インド国内での動きの選択肢が極端に減り、結局現場にいる時間が短くなったり、陸路で10時間の車の移動・・なんて選択肢しか残っていない羽目になる。

④現金はほぼいらない

 キャッシュレス化が進んでいるインド。

「日本からどのくらいの現金が必要ですか?」と、聞かれたことが幾度となくあるが、結果1万円をインドルピーに両替し、その1万円をすべて使って帰った出張者は未だかつて見たことがない。

 それでも、念の為必要となれば、1万円を両替しておけば大丈夫だろう。道端の掘立て小屋のようなショップで買わない限り、ほぼ全てのショップでカードが使える。現金の心配をするより、カードがちゃんと使えるかどうか事前にチェックしておくことが重要だ。

⑤インド人へのお土産は「ベジタリアン」に配慮を


インド人へのお土産は、日本人の有難いお心遣いが、実は、インド人の元に届いていないことが多い。その理由は、**「食べられない」**からだ。

インドの70%以上はベジタリアンである。ヒンドゥー教徒が90%を占めるインドでは、牛は当然食べられない。さらに、ベジタリアンという概念が加わる。つまり、肉や魚の成分、卵の成分が入っていると、インド人のベジタリアンは食べられないと思ったほうがよい。

特に「卵」は見落としがちになるので、注意が必要だ。人によっては、「卵」はOKのベジタリアンもいるし、「卵」がNGのベジタリアンもいる。

もちろん、ノンベジタリアンのインド人も多くいる。なので、彼らは何でも食べられるが、ベジタリアンの概念を考慮しないと、彼らだけのお土産となってしまう。

つまり、全体へのお土産としては、実は、全体に行き届かないことを理解しておきたい。

留意点としては下記だ。

  1. まず、肉や魚、卵などの動物系の食材が入っているかどうかを確認する必要がある。日本の食事には、これらの食材が入っているものが多いので、注意が必要だ。例えば、パン、ケーキ、チョコレートは、動物系の食材が入っている可能性がある。

  2. また、海藻類も、インドでは食べ慣れていない人が多い。そのため、海苔煎餅なども注意が必要だ。

  3. さらに、もちもちしたものも、インドでは好まない人が多い。そのため、団子系の食べ物も避けた方がよいだろう。

「好き嫌いあり過ぎだろ!!では、何買って行ったらいいんだ!?」となった私は、インド人への全体へのお土産としてお勧めするのは下記だ・・・。

  1. 北海道じゃがポックル

  2. ホテとチップスを含めた、野菜チップス(成分要注意)

  3. 乾燥フルーツ

  4. 缶酎ハイ(一番喜ばれる)

  5. 日本の湯呑み、お守り等、日本風の物

この辺であれば、まず問題ない。今の世の中、Googleのカメラをかざせば、漢字で書かれてある成分をインド語に訳せるので、ベジタリアンのインド人は皆、Googleの翻訳で成分を確認してから日本人のお土産を食べている。

⑥ インド到着時の荷物に「X」と書かれたら

インドに到着後、ターンテーブルから荷物をピックアップすると、たまに「X」とチョークで書かれていることがある。これは、ゲートを出る際にエックス線検査を受ける必要があることを示すメッセージである。


この「X」が書かれている荷物をそのまま外に持ち出そうとすると、出口で何らかのチェックを受ける可能性がある。

私は、数えきれないほど「X」と書かれたことがあり、酒や肉を運んでいなくても書かれていることもある。

しかし、私は今まで何も起こらず通過している。なぜなら、ターンテーブルで荷物をピックアップした後、ウェットティッシュで「X」を拭き取っているからである。

飛行機の中でウェットティッシュを余分にもらうか、ハンカチを持っておくことをお勧めする。そして、拭き取った後、何食わぬ顔でゲートを出れば、まず問題ない。

なお、スーツケースは、布や皮の素材のものは拭き取りにくいため、避けることをお勧めする。

⑦最後に、「日本人駐在員の皆様方へのお土産は何が良いですか?」のご質問に対して

お気遣い頂き、本当に有難う御座います。そのお気持ちだけで十分です。意外とインドでの生活も慣れて、案外欲しいモノないです。しかし!とは言え!強いて言えば!私は下記のモノを頂けるととても嬉しいです。。なんせ、インドに無いので・・。

  1. 燻製した肉系のモノ(カルパス、ビーフジャーキー)

  2. 煎餅

  3. 非常食用に持ってこられているカップラーメン。日本への帰国の際に、「これ、結局食べなかったら受け取って!」ってやつ。赤いきつねとか、どん兵衛とか。これ、めちゃくちゃ嬉しい。

すいません。

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