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外研、一年間頑張ったぞーっていう話

 こんにちは。僕は大学に設置されている研究室では、”自分の知的好奇心を満たすことができない!”と考え、大学外部の研究機関で研究をスタートさせた学部4年生(執筆時)です。(詳しい経緯は→こちらをご覧ください!)
 この、”大学外部の研究機関で研究すること”略して”外研”は、大学によって受け入れ度合いがまちまちだそうですが、少なくとも自分が在籍している大学ではそこまで間口が広くありませんでした。
 そんな中、自分なりに外研をどうやって楽しみ、研究をおこなっていくか、四苦八苦して一年過ごしてきたので、その備忘録、お気持ちを吐露していこうかなと思います。


・やる気、元気、常軌

 外研で配属される研究機関にはもちろん大学などの研究室も含まれるが、研究所への配属が多いのではないでしょうか。僕の場合も、都内の某医学系の研究所に配属されて研究をおこなっています。このように、”大学”でなく”研究所”に配属されるということは、その配属先となるラボでは”学生”としての振る舞いよりは、ある種の研究者としての振る舞いが求められると、僕は考えています。そのため、”学生気分でなんでもやってもらえる”、なんて思っていては折角の外研、意味が全く無いのでは??って考えていました。
 今まで大学の座学で一般的な知識をちょびちょび身につける程度しかやってねえし、ろくに出来る手技はねえし、専門知識はまったくなので、研究者として振る舞えと言われても、”え、ムリ”って感じ。だけど、もちろん何もできないのは当たり前だが、それを当たり前、”学生なので、何もできません”でいるのはナンセンスな気はしていました。
 研究室に入るタイミングで、こんなめちゃめちゃいい環境で研究ができるなら、”自分はこの研究室で誰よりも頑張ってやる!”という気概を持って研究活動を行おうと思っていました。それを踏まえて、僕が掲げていた目標は、大きなところを言うと、”一年間で大きな学会で発表できるデータを作る。”、”2年間で論文を書く”という、二点でした。

 この目標を達成するために、まずはとにかく論文を読みまくった。そして、先生に質問しまくった。同時に、”どうしたら誰よりも研究ができるのか?”と考え、僕はあまり頭が良くなかったので、脳筋最高!ということで”人の二倍の時間実験すれば、人の二倍データが出る!”と考えて、とにかく実験しまくった。
 加えて、ラボ内のセミナーや、研究所内のシンポジウム、学会等で、とにかく話を聞きまくって、質問をしまくった。

 少し脱線するが、僕の好きな話で、”会議で発言しない奴は、そこいにいないのと同じ。ゲノム配列中に遺伝子があったとしても、発現しないならないのと同じ。”と言う話がある。ただでさえ無名な一端の学生が、”どうやったら最先端を走る先生方と議論できるか?”と考えたときに、”質問しまくって、どんな方法でもいいから認知してもらわないといけない!”と思い立ち、こういう行動をとっている。(この質問に関する話は今後、深掘りした記事を書きたい)

 こんな調子で、とにかく自分が大切にしてた心持としては
・研究室の誰よりも仕事をする
・研究室の誰よりも貪欲に勉強し、知識を身につける
・色んな先生方に顔を覚えてもらえるように、質問しまくる

であった。

もちろん、ときには”学部生なんで”などといった、甘えに頼った時期は多々あったが、少なくとも独り立ちできるように、主体的に常に動くように気を付けていた。

・実験やるしかねえんだよなあ

 自分が持っていた心持ちとして、”研究室の誰よりも仕事をする”と言うモチベーションのため、とにかく実験をしまくった。朝9時に研究室に行き、次の日の朝6時に家に帰って、お風呂に入ってまた9時に研究室に来る、、、といった生活、飲み会が終わった後にラボに戻って実験、、、などのような感じであった。(Twitter見る感じ、学生ってこれがデフォなんじゃね?って勘違いするよねえ、怖ええ)また、大学院試験の際も、ボスから”勉強に専念するように実験を一ヶ月休んだら?”、と言う温かい言葉をいただいていたが、休まず実験をし続けていた。とにかく、誰よりも実験をしまくって、様々な手技を覚え、多くのデータを出せるように躍起になっていた。

 そのおかげで、2022年の分子生物学会にてポスター発表を行った際には、かなりのデータ量と内容で発表を行えたと自負している。また、それに並び、他の学会にて発表した際にも深い議論を行えるだけのデータを出せていたのではないかと考えている。

 自分自身、”とにかく研究がしたい!”と言う一心で外研をしていたと言うこともあり、ガムシャラに研究することは苦ではなく、自分にとっては楽しいことでしかなかった。

 自分が研究室配属の際に”ブラックな研究室は嫌だ!”と言う話をよく耳にしていたが、(モラハラ、アカハラの類は別として)。個々人が能動的に実験や勉強に時間を割く問いのは当たり前の話であり、大学の同級生と話をしていると、逆になんでアカデミックな向上心があまりないのだろうか?と不思議に思ったこともしばしばあった。そんなこともあり、外研先で自分よりも圧倒的に経験値が上の研究者の先生方とかたを並べて実験できたことは精神的にも非常に助かった部分が大きかったと思う。

・お勉強できねえと何も意味ねえ

 同時に、”何も知識がない学生がどうやって、研究員の先生方と議論できるようにあるか?”というと、論文を読んで知識をつけるしかないんだよなあってぼちぼち考えていた。幸い、自分は少しだけ英語に堪能な方であったので、論文を読む際の英語というハードルは低く、知識を頭に詰め込むという部分からスタートすることができた。(もし、研究室配属前の方がこれを読んでたら、英語マジでできるようになった方がいい!!Dee○Lで日本語訳して論文読むとかマジでナンセンスだから!)

 自分が研究で標的とする分野の論文や、その周辺の論文など読み漁り、目標毎日一本読むことにしていた。まあ、流石にそれは少し難しく、それでも一年間で100本以上は読むことができた。(研究室に所属して一年目のB4にしてはいい感じじゃないですか??)

 自分が担当している分野、使用している遺伝子等に関しては、ラボのボスや研究員の先生方も僕に意見を聞いていただけるようなレベルまで知識を身につけるまで、毎日勉強しまくっていた。

 また、質問も積極的に行い、分からないこと、消化不良なことがないように、可能な限り吸収するように努めた。上記の通り、英語を喋れたということもあり、海外の先生方とも積極的に議論を行え、日本国内の意見だけでなく、違う視点からの意見なども積極的に受け入れることが可能であった。

 僕自身、そんなに頭がいい方ではなかったので、実験の際と同じで、他人のx倍の時間かければその分だけ知識を詰め込める!という精神だけで、常に知識と思考の反復をして、無意識のうちに研究のことを考えられるレベルまで日常化させることに成功できるまでに至っているんじゃねえかなあって勝手に思ってます。

最後に

 正直、この世の中、飛び級しました、学部生で論文出しました、色んな分野について議論できますみたいな、馬鹿みたいに頭奴は多いし、めっちゃ若いうちから研究してるとか意味わからんやつばっかで、色々と心にくることは多い。僕も何度もやる気が失せそうになったし、なんでもっと早いうちに始めなかったんだろう?と考えたことも多かったが、過去のことは変えられないので、今を頑張るしかねえなあと、涙を飲みながら走り続けていますよ。ひええええ。
 
 もし、これを読んでいるあなたが外研を始めるタイミングであれば、ぜひ僕を超えるような気概で研究を行ってほしいと思う。外研は遊びでするようなものではないと思っているし、超大変なのは間違いないので。でも、あなたが心の底から研究に対して興味があり、研究をしたいのであれば間違い無いので楽しいことは間違いないはず。
 
 まあ、楽しむのが一番だと思いますけどねえ。

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