書評 #5|三体II 黒暗森林
圧倒的な科学技術力を持つ地球外生命体の襲来。人類のすべての行動は地球外生命体の監視下にある。侵略の時は四百年以上も先の未来を予見。地球外生命体が持つ唯一の弱点は、人類にとって普遍的でもある嘘や偽りの概念を持たないこと。地球外生命体から「虫けら」と呼ばれた人類。劉慈欣の『三体II 黒暗森林』は敵を欺きながら、果てしない力の差を埋めようとする戦いの物語だ。この後の文中では作品の核心や結末が示唆されているため、気になる読者は読むのを避けてもらいたい。
作中で描かれるのは弱者の