朝ぼらけ

先日、とあるアーティストのライブに参加した。
いつもあのライブをどう表現していいのかわからなくなる。
その人のうたは、こころの叫びに曲がついてきた感じで、ライブも一般的な音楽ライブのように一緒に歌ったり踊ったりしながら参加者が一体になるライブではなく、なんというか、次々に飛び出してくることばが波のようになって、精神世界の海に一人ひとりがひたされていく感じだ。朗読を聴くのに近く、終わればいつも脳震盪を起こすような錯覚をする。

じんわりと目が覚めてきたいま、あれを思い返すと、辛かったこと、悲しかったこと、悔しかったこと、やるせない気持ち、鬱屈した感情、死にたい夜、そういうのをすべて成仏させるための曲とセットリストだったのかなと、ぼんやりと思う。

成仏。成仏だ。
思い出にするとか、なかったことにするとかじゃない。荒ぶる気持ちそのものが、撫でられて大人しくなるような、そんな感じだ。

私にも、供養し成仏させたい感情たちがある。
このnoteも、そんなふうに使っていけたらいいと思った。

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