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#5 変わ※&”ますか ▶︎いいえ

セーブデータ5

鳥が囀る
人々が喋る
木々が騒めく
風が唸る

もう止んでくれ、静まってくれ。
私はたしかに“わたし”であったはずなのに。
そう信じて、そしてそうだと言われ、進んできたはずなのに
道を誤ってしまったのか、いやそんなはずは。

お前は森の奥深くに、深みにはまったのだと

声は、声たちが、言うのだ

いや、そう捉えてしまうわたしは、やはり…

「抜け出すには、変わるのだ」

口々に聞こえて来る

道を振り返ってみる。
真っ暗闇だが、踏みしだいた確かな道なき道がいる

首を縦に振って、声に従うつもりはなかった

初めて、そんな思いを抱いた

必死に歩き続けて気にもしていなかったのか、
聞く余裕さえなかったのか、
はたまた、声たちにそんな感情を抱いた事がなかったのか
今はよくわからないけれど、確かなことは、

「私はわたしだ、変わらない、何と言われようと。」

そう強く思ったということ

そして、同時に気がついた

私は、わたしであることに、胸を張って歩きたいのだと
自分は迷子のくせに、意地だけは張っている人間で、
静まれと願う割には、声に認められたくもある愚かな人間だと。

それでも今は

立ち止まる

テロップが表示される

「変わ※&”ますか」

 はい
▶︎いいえ

迷わず選んで、再び道なき道を進み始める


ーーー

皆様お疲れ様です。
今日は、頑固で意固地な自分のこころのお話をちょびっと。

わたしがこころの病気になった時、
耳にする全ての言葉が、自分を否定しているように聞こえてしまって、人の声を聞くこと全てにうおおおおお拒絶ーーー!!!というゾーンに陥っていました。

「辛い生き方してきたんだね。」
「もっと楽な生き方があるのに。」
「こういう風に考えてみたら?」
「どうしてそう重く考えてしまうの?」

今思えばどん底状態にいた自分に対して、なんとか楽にしてあげたいと、かけてもらった声だったようにも思います。自分の首を絞めるように生きている人を見たら、わたしも、同じように声をかけていたかもしれません。

ところが、当時のわたしにとって、その言葉は重く刺さりました。

こころが、叫ぶんです。

「わたしの生き方、知らないくせに。」

反発のような、感覚でした。

誰も、わたしの生き方を、認めてくれないんだ。
必死に、一生懸命、生きてきたのに。
突然、病院に連れて行かれ、病気です、生き方を変えてみましょう、なんて。

誰でもいいから、この生き方を、認めて欲しかった。

たぶん、こころの中では、そう願っていました。

変える、変えない、ではなく、
ここまで自分なりに生き抜いてきた日々を、
ただ、ただ、認めて欲しかったのです。

自分自身で、自分を認めたり、労うことは苦手なのに、
誰かにしてほしい、と願うなんて、高望みだとは思いつつも。

悲しいよりも、寂しいよりも、
空虚、でした。

わたしのここまでの人生何だったんだろう、
どこで間違えてしまったのだろう、
どこで、「普通」を手放してしまったのだろう、と。
ただ、懸命に日々を過ごしてきただけのはずなのに。

自分でも認められないから、認める人が居なくなり、空虚になった末に、
こころだけが抗おうとしていたんだと思います。
本当は認められたい、という気持ちに火が消えないように。
素直な気持ちの動きが、死なないように。

意固地なわたしは、その時は決めていました。

「わたしは、考え方を、生き方を、変えるつもりはない。」

治療しようと、アドバイスを受けようと、変えるつもりはないと、決めていました。

それが数年前。思えばこれが“変わる”きっかけになるとは。

長くなりました。数年前の長文下書きを、ようやく。せっかくなので。
たまには、まじめに…

ーーー

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