陰翳〈fetishism13の為に〉〈18,翳〉

 日が翳り花の御影も雨に浮き、未知も老い散る泡幾ばくか?

 追いすがる視線のあれこれが作った影に、
 手も足も密集して、一周して、急流して、立ち止まる。
 強い光の盲点になる目眩の中央の渦の中、
 鉄の味、舌が緊張して、乾いた不快感と蜜を飲み込む。

 ザラザラの砂を飲み干して、
 小さな虫の様にうづくまる。
 〈ああ、点線で混沌を分け隔てたい幻影…〉
 雀が対になって追いかけてくる。
 
 夜になって冷め切れば、この隙間も矮小になるのだろう。

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