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短歌/俳句

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短歌と俳句
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2020年10月の記事一覧

うすら笑み腹を探るか下心秋も飽き飽き干されても尚

短歌 十首

1 閉じ込めて詰める息吹の吹き溜り猫も鳴けない秋の隙間や 2 丸いけど撫でると刺さる空中に…

誰も作業の本質をわからないまま評価する。秋の芸術

秋ぬれをトンビ羽織って下駄鳴らし傘の重さは裾まで寒し

秋霖が素足の下駄を舐めて行く。襟を束ねて駆け出す音や

月もなく迷える文をつくる間に意味の読めないめぐる泡かな

短歌 十首

1 長雨が髪を濡らした明くる日に腫れる目頭苦いくちびる 2 重く纏わり付く秋霖や、記憶から浮くに浮けないナゾナゾよ 3 「疲れたの、詩を書く事に」とつぶやき、言葉洪水溺れる夢や 4 我が傷を舐める御前の傷をはむ秋に寂しい画面の明かり 5 その手を握りたくも握れず、素足には雨が冷し幾ばくか 6 暖房は思い焦がれる右めぐり 冷房多分左なのかな 7 雨戸から滑る活字が掌にいともたやすく器を枯らす 8 かさなった階段登る気怠さと微熱を冷ます雨を分けるや 9 駄文とか書

なまぬるい吐息の中で溺れてる羽虫が疼く月の満ち欠け

短歌

1 発熱にピタゴラスから木が回る浮くも巡るも月の満ち引き 2 水溜り秋霖明けのあれこれと…