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【詳細レポート】ボリビアでアマゾン原住民の儀式アヤワスカに参加してきた。

自転車で世界一周中!ゆーせいです。現在ボリビアアンデス山脈の山中にいます。
アマゾン川の源流域で行われている、シャーマンが幻視や啓示を得るための儀式アヤワスカに参加してきました。

動画では説明しきれなかったところも含めて、ここにまとめておこうと思います。アヤワスカの儀式そのもの自体の説明は自分でもよくかっていませんので(おいっ)他の方に説明を委ねたいと思います。本記事は体験談としてお読みください。


アヤワスカ当日夜までの儀式の流れ

①儀式会場の山中への移動

まずアヤワスカを行っているシャーマン、ロベルトとの連絡ですが、特に旅行代理店を通したわけではなく、直接本人とやりとりしました。旅で出会った友人タカさんがボリビアのサマイパタという街に滞在していて、その友人が宿で知り合ったドイツ人にシャーマンのロベルトをたまたま紹介してもらったとのこと。ロベルトは金曜〜日曜日の間は観光客が多いサマイパタの街に滞在して、露店で自作のアクセサリーを売っていて月曜日から水曜日にアヤワスカ希望者に儀式をとり行っています。
ロベルト自身とのやりとりは、金曜日と土曜日にアクセサリー露店に出向いてスペイン語でやり取りをしました。持ち物や儀式の流れ、値段(600ボリビアーノ)を聞いて実際にやってみるかどうかをロベルトに伝えました。スペイン語でのやりとりはタカさんがやってくれました。
日曜日の夜に、街から儀式を執り行う山に帰宅するのでその車に乗せてもらって一緒に山に帰宅します。山には普段生活する場のリビングダイニングの食堂、寝起きをする寝室が建てられいます。その他ぼっとんトイレや儀式上、キャンプファイヤースペースなどが広い敷地内に点在しています。ロベルトのいる母屋が離れた場所にあってロベルトは普段は母屋で家族と生活しています。日曜日はまだ儀式の流れとは関係ないので食堂の近くで他の参加者はコミュニケーションを取ったり、トランプをして遊んでいました。自分は、スペイン語が話せないので寝室に帰って寝てしまいました。

月曜〜水曜日の夜まで

基本的に三日間ともやることは変わりません。まとめると、1日のスケジュールは以下のようになります。

・各自好きな時間に起床
・9:00前後〜朝食、自由時間
・10:00前後〜参加者全員で散歩、ラぺーの儀式
・13:00前後〜昼食、自由時間
・20:00前後〜夕食、自由時間(三日目のみアヤワスカの儀式)

①食事
食事はロベルトが用意してくれたものだけを食べます。朝ごはんはバナナとオートミール。昼ごはんはキヌアという穀物とトマトのスライス、ニンジンの千切り。夜ご飯はキヌアが小麦?に変わります。味付けは一切なし、塩味もついていません。ロベルト曰く菜食、塩分・糖分、アルコールを抜くことで体を浄化するようです。また、ウーニャデガトー(直訳で猫の爪)とよばれる植物のお茶もリラックス効果があってよく眠れるらしく、毎食後に飲むことになっていました。
ちなみに、タバコやマリファナなどの嗜好品も禁じられます。

②自由時間
朝起きてから寝るまでの間は食事の時の歓談、シャーマンのロベルトへの質問、簡単な挨拶以外は会話が禁止されています。自由時間では各々自分で用意した2枚の紙に
「この儀式を通じて直したいところ、自分のネガティブに思っている点」
「この儀式を通じてより伸ばしたいところ、自分のポジティブに思っている点」
を自分なりに記していきます、表現の仕方は文章でも絵でも、詩歌でも日本語でもOKです。常に机に向かっている必要はなく、散歩したり、ハンモックに揺られたり、瞑想したり、時間の過ごし方は各々に任されています。ただし、基本的にスマホの使用は禁止されています。この自由時間が三日間のうちのほとんどの時間を占めています。

③散歩・ラペの儀式
ロベルトが整備した山中の散歩道を散歩します。整備したと言っても、獣道に毛が生えたようなもの、それでも本当の山の中を一から開拓することを考えると作業量は計り知れません。散歩の途中では、山の中に生えている植物を、これはお茶にすると美味しいとか、これには毒があるとか教えてくれます。アヤワスカの原料となるシポーやチャクルーナも自生していて、教えてくれました(映像を確認したい方はYoutube動画で)。ただしチャクルーナについては自生しているものではなく、ロベルトがアマゾンから採取し、菜園で栽培しているものを実際の儀式では利用しました。
散歩の終盤ではアヤワスカとはまた別の儀式、ラペーを行います。ラペーは、専用の器具を使って薬草の灰を鼻の穴から鼻腔に吹き込む儀式です。灰が入るので相当の刺激で、両の目から涙が出てきます。ロベルトによるとこれによって体の感覚を「開く」のだそうです。これを三日とも行いました。

アヤワスカ当日夜の儀式の流れ

三日目、これまでの二日間と同じようにすごしますが、夕飯がありません。その代わりに、アヤワスカの薬液を飲んで、有体に言えばトリップする儀式が執り行われます。
1、儀式会場のテントに参加者全員で移動
2、車座に座って、中心で焚き火を始める。
3、ロベルトが儀式の口上を述べた
4、参加者全員がロベルトから順に反時計回りにタバコをひと吸いして、今回の儀式に対する感謝や家族への感謝を述べる。
5、マリファナの煙や香水をロベルトから吹きかけられる。
6、参加者全員がアヤワスカの薬液を飲む。飲む量は少し大きめのショットグラスくらいの大きさ
7、ロベルトが呪文?を唱えたり、歌を歌いながら薬液が効き出すのを待つ。早い人は15分ほどで嘔吐し始める。
8、30〜40分ほど待って、効き始めない人は追加で一口か二口ほど薬液を飲む。
9、最初の薬液を飲んで1時間〜1時間半ほどで全員に薬液が効き始める。このタイミングでロベルトが呪文を唱えたり音楽を奏でるのをやめて、全員が集中してキマれるようにする。
10、ロベルトが時々、音楽を奏でるが、飲んでから3時間半ほどは何もない時間が続き、時々参加者の嘔吐してる音も聞こえてくる。
11、3時間半ほどからロベルトがさまざまな音楽を奏でるようになって、みんなトリップから目覚める。
12、最後に香水をを吹きかけてもらって、いくつか呪文を唱えて儀式終了

全体で5時間ほどかかりました。その後は各々の寝室に帰って就寝。まだ頭が寝ぼけたような状態で解散します。
翌朝には体調は完全回復。朝食はフルーツサラダ、フルーツジュースやトマトオムレツやチーズパンなど、体には優しいけど塩分も糖分もしっかり入った食事を食べられます。
その後参加者がトリップ中にどんな幻視を見たかを報告。残念ながら、全員スペイン語なので何を言っているのかはよくわかりませんでしたが、蜘蛛やドラゴン、芋虫、人などを見た人がいたようでした。それぞれの幻視について、ロベルトなりにそれがどのような意味を持つのか解説してくれます。

アヤワスカの薬液を飲んでからの実際の感想メモ

以下は、アヤワスカの薬液を飲んだ当日、解散してから寝るまでに書いたメモのコピペです。リアルな感想なのでそのまま貼り付けたいと思います。

最初1時間くらいは変化なし,隣でタカさんがはじめに(飲んで10分くらい?)、次にヤニク(飲んで1時間くらい?)が吐き始める。2人とも、少しの時間おきに複数回吐いてた。オレだけ腹が少しグルグルなるものの特に変化が起こらず、置いてけぼりだなぁと思っていた。
暇なのでもう寝ようかなと思い右を下にして横になる。その態勢で数分眠った。寝返りを何の気なしにうってから、突然吐き気襲来、1回目の嘔吐。苦い、飲んだ時より吐く時の方が苦い気がする。
↑ここまでは正気(と言うか意識がはっきりしている)
ここから意識が曖昧だけど、最初に感じたのは手のさきのしびれ、徐々に痺れが広がって、下腹部、両腕全体に広がった。それと同時ではないけど少し遅れて幻視も来た。pcのペイントソフトで書いたような表情のない目の玉が現れては消え、現れては消える。目を瞑った全体に広がりは見せず視界(?)の端にずっといる感じ。目の数もだんだん増えてきて幾何学的な模様(同心円二つの中に菱形のような形)がの中でモザイクのように散りばめられた目が動いていた。多分ハガレンとハウルと腕時計,岡本太郎を足して4で割ったような感じ。そのれが終わると今度は、サファリに行ったり、老人ホームに行ったり、クノイチ忍者屋敷に行ったりいろん場所の映像が流れ込んでくる。けど幻視というよりは夢に近い感じ。少し意識がある分、ちょっとしたこと(例えば隣の嘔吐)とかで現実にひき戻される明晰夢って感じ?このどこかでもう一回嘔吐、嘔吐は合計2回。
終始、呼吸が不規則で変だった。呼吸が荒く、小刻みで、意識が戻ると「深呼吸しなくては」という思いで深く呼吸する感じ。後にして思うと聴覚が鋭くなっていたので自分の呼吸音が大きくなっているように感じたのかもしれない。
次に五感について、どのタイミングかはわからないけど、おそらくキマッてから早めの時間帯に聴覚が鋭くなった、おかげで隣の嘔吐がすぐそばで行われているような感覚に。もらいゲロするたちではないので、なんとか大丈夫だった。そのうち風の音も大きくなってきて、ついには聴覚が発達しすぎて??風にほっぺをずりずり撫でられるような間隔まであった。

嗅覚、触覚、味覚はほぼ変化なしと言ってもいいと思う。触覚は痺れてる時に普段の足の痺れと違って触覚がはっきりしているのが面白いと思ったくらい。

音楽仏壇のチーンを鳴らしたり、撫で回しながら共鳴させたり、する音楽と共に意識がはっきりしてきた。その後の少しウトウトと意識ありを往復(ウトウトの深さも徐々に浅くなっていく)しながらもとに戻る感じだった。

アヤワスカを終えて全体の感想

普段、当然っちゃ当然ですが薬物の類を全くしない自分にとっては、興味深い経験となりました。しかし嘔吐や身体の痺れなどはもちろん不快感が強く、その不快感に対して得られた幻覚も人生観を変えたり価値観を変えるようなものではなく、もう一度経験したいとは思いませんでした。
また、アマゾン原住民の儀式と歌いつつも、タバコやマリファナが儀式中に出てきたり、儀式の呪文は原住民族の言葉ではなくスペイン語だったり、儀式会場のテントにはシヴァ神の絵やマジックマッシュルームの絵が飾られていたりとアマゾンの儀式らしさはかなり薄かったことは残念でした。
他方で、シャーマンというか、案内人のロベルトはとてもいい人でした。山の中に建てられた宿舎やダイニング、トイレや焚き火台など、全て手作業で建てられていて、水は山のから湧き水、電気は太陽光発電、wifi環境なし、トイレはぼっとん式(現在湧き水を利用した水洗トイレを建築予定とのこと)で、彼なりの自然と共に生活していこうという思想がしっかりと表現されていました。アヤワスカの儀式も彼の伝えたい思想の一部だと思えばしっくりきます。山中の植物、動物にも詳しく、丁寧に説明してくれます。

おすすめしたい人
①とりあえずアヤワスカの薬液を「安く」飲んでみたい人
②山の中で自分と向き合う時間をたっぷり取りたい人
③DIY建築や山の自主開拓に興味がある人

おすすめしない人
①アヤワスカのアマゾン流の文化的体験を求めている人

 日本人がロベルトの元でアヤワスカをやるのは初めてとのこと。ロベルトはほぼスペイン語しか喋れないのですが、ジェスチャー付きでゆっくり喋ってくれるので、簡単なスペイン語ができればなんとか意思疎通はできるかと思います。一緒に儀式に参加する人が、英語と西語ができれば通訳してもらいながらでも参加することでハードルは下がるかと思います。


最後までお読みいただきありがとうございました。質問があればコメントしてくだされば答えます!




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