見出し画像

バックパッカーとチャリダーの違い

自転車で世界一周中!ゆーせいです。

突然だけど、旅のスタイルは十人十色、その目的は旅人それぞれで大きく異なり、楽しみ方も旅人の数だけ方法があると言ってよかろうと思う。景色が好き、交流が好き、一人が好き、挑戦が好き、リラックスするのが好き、運動するのが好き、海外が好き、有名になりたい、自分を探したい、、、。旅はさまざまな欲望を叶えさせてくれる便利な趣味だ。唯一旅人に共通しているものを挙げるとすれば、非日常を味わいたい欲望くらいだろうか。それでも私のように旅を2年以上も続け、しかもこれからも当分終わる予定のない流浪人にとってみれば、旅は日常の一部となってしまうことを思えば、やはり旅の醍醐味を一言では言い表すことは難しいのかもしれない。

上記は前提である。その上で、無理を承知で長期旅行者の性質や旅の楽しみ方を大きく分類際に、移動手段を参考にするのは便利なのでは?と最近思うようになった。というのも、長期の旅行においては移動の占める割合が多いので、少なくとも「移動」に対する価値観はその移動手段を参照することでみて取れるからである。この記事では私がよく出会うバックパッカーとチャリダーを軸に長期旅行者の移動に対する価値観の違いを整理分類しようと思う。

①点の旅人「バックパッカー」


バスや飛行機、電車を使って移動するバックパッカーにとって移動とは、目的地と目的地を結ぶ手段であって目的ではない。目的地についてからやることはハイキングだったり、観光だったり、ショッピングだったりと旅人ごとに異なりこそすれ、旅の基本は「目的地で何かをすること」であり目的地に着くまでの時間は「何もしない時間」であることがもっぱらだ。多くのバックパッカーが移動手段を選ぶときは「タイミング、値段、心地よさ」が重要である。「安くて、ボロくて、危ないバス」は旅の過酷さを自慢する際の象徴でこそあれ、旅の主たる目的となっていることはない。

もちろん例外もいる。乗り物が好きなタイプの旅人である。日本でその代表例を挙げるのであれば「鉄っちゃん」中でも「乗り鉄」と称される旅人たちである。彼らは時に新幹線、時に鈍行、時に青春18切符を駆使しての長期旅行、日本全国の鉄道に乗って移動している。同じようにバックパックを背負っていても、バックパッカーとは呼ばれない。彼らにとって電車に乗って電車や駅の趣を楽しむことが主たる目的たりえる。

②線の旅人「チャリダー」


自転車を使って移動するチャリダーにとって、移動することは手段であり、目的である。チャリダーの中でも旅の動機は、達成感が好き、景色をゆっくり楽しみたい、観光地じゃない場所が好き、ビールを美味しく飲むため、ともちろん人それぞれであるが「自転車を漕ぐこと」に意味を見出す。

③奥行きの旅人(番外編)


一つの場所に数週間、数ヶ月、数年と住み、また別の土地へ移動する旅人もいる。彼らはバックパッカーともチャリダーとも違い、点でも線でもなく、土地に根を張り、奥行きを大切にする。最近ではノマドと呼ばれる働き方、生き方が流行である。新しい刺激こそ少ないが、その土地を感じ、ゆっくりとその土地に馴染むのはまた違った楽しみがあるのだろう。彼らにとって移動とは気分転換のようなものかもしれない。

④バックパッカーとチャリダーが話すときのすれ違い


ゲストハウスで両者が相見えると、お互いに興味津々である。どんな荷物を持っているのか、どこから来てどこへ行くのか、どの観光地がおすすめか、それぞれに情報を交換し合う。チャリダーの方が数が少ないので、チャリダーのバックパッカー遭遇率はその逆より高いので、そのうちバックパッカーの質問タイムが長くなっていくのも常だ。
そしてこの情報交換の時、よくすれ違いが起きる。チャリダーは大きな街で休憩することも多い。目的地に着くまでに自転車を漕いで頑張ってきたチャリダーにとって「目的地で休むこと」もしばしばである。日記を書いたり、大きなキッチンで料理をしたり、自転車をいじったり、ハンモックで本を読んだり、普段の移動ルーティンではやれないことをするチャンスである。バックパッカーからすれば目的地にせっかくついたのに何をするでもなく、のんびりするチャリダーは少々稀有に映るだろう。
そして情報交換の時にはバックパッカーは「あの観光地は良かった」「あのホテルが汚かった」「ここは観光客が少なくて穴場」と点の話を展開する。対してチャリダーは「あそこの向かい風がひどかった」「⚪︎号線は景色がいいけどアップダウンが…」「この野宿スポットがいい」と線の話、あるいは線の間の小さな点の話をしたがる。もちろん両者の話は噛み合わなくなる笑。この時、私はバックパッカーとチャリダーの違いを強く感じるのだ。

チャリダーと話が合うのはバイクライダーそしてキャンピングカーの面々である。彼らもまた「道を使っての移動」そのものを楽しむ旅行者であるから、共通項が多いし、それとなく共有している価値観にも近いものを感じる。

⑤まとめ


極論、旅とは移動することである。コロナ禍においては移動しない旅のあり方が模索されたが、やはり旅において移動が占める割合は大きい。だからこそ、千差万別な旅のあり様を大雑把に整理する時に便利な視点だと思う。
他方で、旅のスタイルや旅に対する価値観を整理したところで、、、何も起こらない。この整理の枠に収まらない旅人なんて星の数ほどいるだろうし。
毒にも薬にもならない記事を書いてしまったけれど、自分の頭の中を整理できたからまあ良しとしようかな…。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?