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「アタック16鑑賞」 実験ログ 3.31-2

参加者:2人
所要時間:約60分
*この回は、最初は固定されていた回答の順番が、後半オープンになります。

司会:
よろしくお願いします。
1さん、画像には何が描いてありますか?
また、全体はどんな絵になると思いますか?

1:
手がみえます
外です
夏とか春とか
暖かい季節
日陰にいて
ベランダかどこか
緑のなんて言うんですかね
ブッシュ
日焼けした肌の女性の手
白地にピンクの花柄
の服

全体は、ベランダにいる女性の絵で、白い服を着ている。
初夏っぽい季節で風景画。

司会:
なるほど。季節はどこらへんからそう思いました?

1:
色から。緑は新緑よりも深い緑で、地面の明るさが強い感じがするので

司会:
りょうかいです。では、次に行きます。
2さん、画像には何が描いてありますか?
また、全体はどんな絵になると思いますか?

2:
1.豪華な服かなにかの模様です。
2.床の上にあります。
3.床は、1枚目の絵と同じ場所でしょうか。
4.模様はネコか植物か・・・。
5.床が薄紫ですが、これは脚色(?)でしょう。
本当は、普通の木の色のように思います。

司会:
なるほど。脚色だとしたら、どのような意図がありそうですか?

2:
エスニックな感じを出す効果だと思いました。

司会:
ふむふむ。

2:
全体の絵は、
1.1枚目の方1名がテラスに寝そべっている絵のように想像します。
2.色味からして、マティスっぽいですが、彩度が足りません。
3.いずれにしても、色彩豊かな作品のように思います。

司会:
わかりました。次のに行きます
1さん。お願いします。

1:
木の柱。黄色い花。

ゴーギャンだと思いますが、、、、

建物は質素。

または、アメリカの田舎の雰囲気。

司会:
アメリカというのはどこから?

1:
古いアメリカの映画に出てくる家って木造で、平屋で、
外に屋根付きのなんて言うんですか、
ウッドデッキがあって、アームチェアなんか置いてあって、ってイメージです。

司会:
ああ〜なるほど。なるほど。
では、次です。
2さんお願いします。

2:
1.わたしも、1枚目からゴーギャンっぽいという感じに掴まれています(笑
2.影がほとんどないので、日差しは真上からでしょうか。
3.となるとますますタヒチ(笑
4.1枚目は脚だったのかもしれません

全体感は、
1.静かな絵です。
2.ホッパーの作品のような静けさです。
3.時間的には昼食を終えた午後でしょうか。ゆっくりとした時間を感じます。
4.女性がひとり寝ている絵のような気がしてます。

司会:
なるほど。次にいきます。
1さん、お願いします。

1:
黒髪の女性が、寝そべっている。
やっぱりゴーギャンだと思う。
白い床はペンキが禿げて木が見えてる。そこがアメリカっぽい。

司会:
なるほど。そう言われれば、そう見えるかも。

1:
寝ているのは、1人ではない。服が1枚目に人と違うから
でも、アメリカ人はこんなふうに床に寝そべらない。
だから、どこかアジアの文化圏の国の絵。

司会:
なるほど。
では、次行きます。
2さんお願いします。

2:
1.5枚目キター!という感じでした。(既知の絵ではなかったです)
2.ゴーギャンだとすれば・・・ですが、
 言葉でのコミュニケーションできていたんでしょうか、、、
 と以前から思っています。
3.想像ですが、現地人との言葉によるコミュニケーションが
  うまくいってなかったのかもしれません。
4.なので、絵が雄弁だったのかも?
5.ほんとだ。服が違う・・・。でも足の向きは合ってる(笑
6.いきなりヨーロッパ風の服になりました。
7.帽子もカンカン帽
8.背景はゴッホ風。

全体
1.奥にもうひとり座っているかな。(体育座り的に)
2.都合3名でしょうか。

以上です。
すみません。前の絵を見て思ったことも混ざってしまいまいた。

司会:
『現地人との言葉によるコミュニケーションが・・・』
という部分、もう少し詳しくお話し願えますか?

2:
はい、ゴーギャンだとすれば・・ですが、
彼の画はどれもとても静かに感じるんです。

なので、だまって(あるいはこっそり)現地人を描いて・・・
それを見せてコミュニケーションをとっていたのかも・・とか。
ゴーギャンの背景を知らないので、、想像です。

司会:
ふむふむ。多弁な人の描くような雰囲気ではないということでしょうか。

2:
そうですね。
ウォーホルとかは、いろいろと説明しながら創作していたように感じるので・・・

司会:
了解です。
では、次行きます。
1さんお願いします。

1:
白い帽子をかぶった若い女性。
白い花柄の服来てる。1枚目の人。

紫色のドレスを来た女性。5枚目の人。
皆黒髪ですね。

司会:
確かにそうですね。

1:
紫色の女性は何かしてます。アイロンかけてるみたいなしぐさを
紫色の女性の手の下にある白とオレンジのものは何だろう。
アイロンかけるシチュエーションじゃないな。何してるんだろう。
白とオレンジは布に見える。
場面としては、どちらかというとピクニック。
裁縫、、、
わからん(^-^)以上。

司会:
帽子の女性は何してるんでしょうね?

1:
紫の女性のすることを見てる。

司会:
なるほど。では、最後のピース行きます。

1:
はい。
しかしこれは、、他の方の発言に相づちを打ちたくてうずうずしてしまいます。(笑

司会:
確かに、そこらへんオープンでもいいかもしれないですね。
では、2さんお願いします。

2:
1.ほんとうですね。手前の方1枚目の服だ・・・。
2.裁縫! あの2枚目の豪華そうな服かも?
3.ヨーロッパからやってきた方が
 現地の方に服をつくってあげているのでしょうか。
 豪華な素材に、豪華な刺繍をほどこして。。。
4.場所は東屋みたいな場所でしょうか。四本柱に屋根だけあるような・・・。

全体
1.午後の日向ぼっこでしょうか。
2.しかし、やはり影がないのが気になります。
  タヒチであれば暑いはずなのですが、屋根がない。
  となると、他の涼しい場所?
3.または、全体が屋根の下なのかもしれません。

司会:
なるほどなるほど。
断片が話につながってきていますね。

2:
ですね。
とてもおもしろい。
興奮気味です(笑

1:
ええ、とても(^-^)

司会:
時間余裕あれば、もう少しこのままつづけましょうか?

2:
時間ありますよ。

1:
4人の女性

2:
そう、だんだん人数増えていきますよね。
でも、いまのところ、あの2枚目の黒い布(?)がつながりません。

1:
白い帽子と紫のドレスはヨーロッパ系

2:
ですね。

1:
じゃ、5人だ

司会:
人種というか、身分の区別がありそうな雰囲気だと。

2:
良いとこの子が、どこからかやってきたように感じます。

1:
寝てるのは、アジア系

司会:
ふむふむ。
では、あと4枚ほど、この口々に話す形式で行ってみましょう。

1&2:
はい。

司会:
どうぞ。

1:
最後のピースのピンクの人は座り方が猫背。

2:
また人が増えました。
いい服を着せられた現地のひとかもしれません<猫背
後ろ姿の人は、、、ぎょしゃでしょうか。

1:
白い物体は何?

司会:
「ぎょしゃ」とは??

2:
御者です。

司会:
なるほど。馬車の運転手。

2:
馬車でここまできて・・・
お嬢様がたの日向ぼっこが終わるのを待っている…御者(笑

司会:
1さん>どこにある白い物体でしょうか?
2さん>何してるわけでなく、時間つぶしみたいな感じでしょうか。

1:
最後のピース。黄色い小さい何かが乗っている。帽子かな。

2:
あー。大きさの認識がちがってました。人の背かと思ったのですが、
小さな物体かもですね・・・。

司会:
なるほど、帽子をかぶった人の後ろ姿か、全体で帽子なのか。

2:
だまし絵のようです。
楽しい。

御者(?)の向こうが、暗い緑と明るい緑になってますね。
ですから、屋根があるんですね。この場所。
ようやく、濃い影が見えました。

1:
紫のドレスの隣のピースですよね

2:
ほんとですね。

2:
ふむふむ。2さんはずっと影を追ってますね。。

2:
はい。やはり、影の落とし方って表現方法としてとても有効だと思うんです。

1:
白い物体の右にある紫色の物体も謎。

司会:
確かに。よくわからない。

2:
2枚目の真っ黒物体も、いまだ謎です。

1:
黄色い帽子をかぶった人の後ろ姿にも見えてきた。

2:
でしょう?(笑

司会:
なんなのでしょうか・・・では、そろそろ、次にいきます
こちらです。

1:
ピンクの服の女性。アジア系

2:
ゴッホ風の背景の手前にいるタヒチの方が
ヨーロッパからのお客さんにいただいた、服を着て、
以前にプレゼントした服をやはりそのお客さんが繕ってあげている・・・。

または、手前の現地の人に新調してあげている?
という物語性を感じました。

司会:
ふむふむ。このピンクの服の人は何をしているんでしょうか

2:
お裁縫のやり方を教わっている?

司会:
ほうほう。

2:
オレンジと白の布で新しい服を縫っているところ?
そんなふうに感じます。

1:
何かを見てる。下の方の何か

司会:
確かに。目線が下に行っているようにも見えますね。

2:
ですよね。じっとみてますね。

1:
2枚目の布とピンクに服の女性のスカートが同じ布に見える。

2:
そうなんです。
でも、2枚目はもっと黒いんですよね。。

司会:
たしかに。同じ布かも。2さんの言うように色味は違うけど。

1:
でも2枚目はもう1人別の人ではないだろうか

司会:
6人目の女性?

1:そういうことも。

2:
または、お裁縫(?)してる人の手元で、別の服を繕ってるとか・・・。
となると、静けさではなく、、すこし賑やかな感じもしてきました。

司会:
人ではなく、ただの布切れということですか?>2さん

2:
はいはい。

司会:
先ほどの人の背と帽子の関係に似てますね。面白い。
では、つぎにいきましょう
こちらです

2:
あー。難解。

1:
白い服

2:
手前にあるのはバッグですかねえ。

1:
スカートが黒い
黄色いバッグ

司会:
オレンジのなんでしょう?

2:
あら?では1枚目は脚ではなく、
1さんの言うとおり腕だったのかも・・・。

司会:
話すほど迷っていきますね。良いですね。

2:
オレンジは、スカートの材料だと思い込んでいます(笑

司会:
なるほど。
1さんはどうです?

1:
オレンジは布ですかね、、、

2:
白い襟のオレンジのドレスを手前の寝そべっている人につくってあげてる?

1:
そうかも

司会:
なるほどなるほど。裁縫説がかなり強くなってきましたね。
では、最後のいきます。
こちらです。ちなみに後4枚残ったカードがあります。

1:
白い服の手

2:
バッグではなく、籠ですかねえ。右側。
となると、みなさん有色人種。

1:
そうかも

司会:
確かに。可能性として残るのは、
帽子が人だった場合くらいですね。でも有色人種かも。

1:
有色人種

2:
ゴーギャン、タヒチ一点賭けでいってますが、ちがったらおもしろいです。

1:
やっぱりゴーギャンでしょう

2:
ですよね。

ひとつ、きになります。
全体に枠のようなものがあるんです。
もしかしたら、外側にべつの情景があるのかも・・・とか。

司会:
なるほど。空間の切り替わりがあるのではと。

2:
はい。

司会:
どうなんでしょうか・・・こちらです。

2:
あー、枠は枠だったのですね。

1:
おおー

2:
手前の人のおしりでしたか。。。2枚目

1:
白いのは遠くにいる人だった

2:
でしたねー。
奥の人のよこの物体は?
あれ、ロバかなにかですかねえ。。。もっと小さそう。

司会:
2さん>これよくわからないんですよね。この人が何してるのかも。
僕は草むしりしていて、むしった草とか道具が置いてあるのかと思ってました。

あ、生き物か。そうも見えるかも

1:
見えない、、、スマホでは限界が

司会:
では、元絵のリンク貼ります

2:
PCでも、ちょうど分割されているので、みえてないです。
しかし、手前の方の大きさ(デフォルメ)の意図が難解です。

司会:
リンク先英語なので、なにか新たな発見あれば解説願いたいです。

2:
何度か書き直したようなこと書いてます。

司会:
なるほど。ペンキの剥げた感じというのは、そことも繋がるのかな?

2:
そうですね。

手前の女性のスカートはもともと赤だったようです。

人の位置も動かしたようなので、1さんのおっしゃるとおり、
まさしくペンキが剥げたような床になってるみたいですね。

司会:
おお〜。よくみたから気づけたのかも。

1:
バスケットは犬だったと
でも何をしてる人達なのかわからない

2:
ほんとだ
there was a dog in the position・・・

司会:
赤ー黒、犬ー籠で、
やっぱり賑やかさより、静けさに寄せた感じなんでしょうか・・?

2:
ほんとですね。 いつものゴーギャンの静かな感じです。
しかし、手前の人大きいなぁ。浮世絵の影響でしょうか。

1:
昼寝というタイトルだった

2:
ほんとだ。シエスタと書いてました。
(そこ、表示が重なって見えてなかった)
ってことは、午後の憩いのひと時ですね。。

1:
ゴーギャンて静かなイメージは自分は持ってなくて、
色が鮮やかだし、構図がダイナミックですよね。

2:
そうなんですね。
確かに、色彩と構図はダイナミック。
わたしは、なにかストップモーションのような、
動きのない情景のように見えていましたが、、、
今回の分析で、けっこう会話とか、音とか、感じるようになりました。

1:
静かな風景を描いていても野心が現れていると

2:
ですねー。
手前の人、クリムトの絵から出てきたような気がします。
(時代関係を知らないのですが)

司会:
どのあたりがクリムトっぽいですか?

2:
んー、描写の細やかさと、、あとは模様でしょうか。
服やスカートの柄。
あと存在感・・・。

司会:
確かに模様印象的ですね。

2:
しかし、影の中の一幕をよく描いてますね。
日なたは、暑くてまぶしそうですが、日陰は穏やかです。

司会:
シエスタは、昼休憩という意味っぽいので、
何もしてない=「何しているのかわからない」という
1さんの感想は言い得て妙かと思いました。

2:
ほんと、そう思います。

1:
言い得て妙、、、ははは
こんなにすみずみまでゴーギャンの絵をみたことはありません

司会:
それが狙いです。

2:
ああ、なるほど。

1:
とても面白かった

2:
ほんとそうです。細かく見るのはいいですね。
今日は、すこし汗ばむほどでした。

司会:
分割してみると、
通常の自分ではミスリーデングとされる誤読がたくさん生まれて、
それを修正するのも楽しいですし、
その中に実は通常では見えてこないものが見えるのかも
ということを期待してのプログラムでした。

皆さんありがとうございました。


1回目のログ↓



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