板橋文夫スペシャルセッション@壱岐坂Bon Courage(2024/9/24)

1949年生まれの板橋文夫さんは異彩を放つジャズピアニストです。日本で最高と評するジャズファンもいれば敬意を込めて板橋さんを「凶暴」と評する何度も板橋さんと共演しているベテランミュージシャンもいます。

私は5、6年前、ひょっとすると10年くらい前に南青山のJazz Union で初めて板橋さんのライブを聴きました。その時は良さが分かりませんでしたが、壱岐坂Bon Courage で何度か聴いている内に少しずつ板橋さんの世界に惹かれていきました。

一昨日、息抜きに開いたFacebookで壱岐坂Bon Courage での板橋文夫スペシャルセッションの案内が目に入りました。板橋さんによる編成でベース無しのフロント3管(トランペット1、アルトサックス2)とピアノ、ドラムで演奏するとのこと。コード(和音)を分かりやすく弾くことをしない板橋さんなのにベース無しでどんなアンサンブルになるのだろう、これは聴き逃してはいけないと思って当日の午後に予約して聴きに行きました。

1曲目の「板橋ブルース2024」が始まった途端に引き込まれて椅子から身を乗り出しました。フリージャズのような音の洪水。その後も能舞台か小劇場での演劇のような演奏あり、和太鼓のような外山明さんのドラムソロあり、激しい時もあればとてつもなく美しい時もある板橋さんの演奏、激しさと美しさの両極を自在に動くフロントの3人の演奏、ステージの両端に位置した板橋さんと外山さんの言葉を使わない会話があり濃密な演奏が続きました。

私が学んでいるコード進行に基づくスタンダードジャズとは全く違う世界です。でも椅子から身を乗り出して聴いてしまいます。演奏が終わるごとにため息が出ます。何が面白いのか、なぜ自分が面白いと感じているのか分かりません。それを分かるためにこれからもふらっと板橋さんの演奏を聴きに行こうと思います。纐纈雅代さん、外山明さん、林栄一さん、山田丈造の演奏もまた聴きたいな。

演奏された曲は
板橋ブルース2024(板橋さん作曲)
白神(林栄一さん作曲)
K(板橋さん作曲)
サンフラワー(板橋さん作曲)
アリゲーターダンス(板橋さん作曲)
曲名が聞き取れなかったが多分、板橋さんの曲
卑弥呼(纐纈雅代さん作曲)
アンコール


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