正しさが衰退を促進する。

最近ベーシックインカムチャンネルというYouTubeのチャンネルをよく見ていて、この思考法で様々な現象を考えている。
https://www.youtube.com/watch?v=cvplY9GOMUk
ベーシックインカムチャンネルでの基本思考はこうだ。
一般的に競争が富を生産すると思われがちだが、実は競争は富の配分を決定することにリソースを割かれ富を生まず、伝統、習慣、宗教といった同調圧力が協力を生み人々を豊かにする。競争は正しいが衰退を生み、協力は個人を犠牲にして正しくないが、繁栄を促進する。

ベーシックインカムチャンネルより

この法則をベースに創作活動についても考えてみる。
正しく労力に似合った賃金が支払われ、製品として正しいアウトプットを要求され、正しい納期に納品されるような流れ。一見すると低賃金であった頃に比べると業界にとっては良くなったように感じる、ただそのような正しさが推し進められていく中で、変で正しくないもの、クオリティが低いが何か心に引っかかるものなどが生まれる余地がどんどん削られて行ってしまうのではないかと思う。つまりその文化全体の多様性みたいなものがどんどん削がれて行って豊かさ自体はなくなっていってしまうのではないか。昔コミケや深夜アニメがほとんどはクオリティ的には微妙だけど、そんな中にもきらりと光る表現を少しづつ開拓していったように、それによって豊かさが担保されていたという側面はあると思う。
誰もがいいという表現を正しい予算で作成する。それは低予算でクオリティの低い作品を量産するよりも正しいことのように思う。しかしそれによって確実に当たる表現しか許されなくなり、結果全体の多様性や新しいモノが生まれる可能性を殺してしまうような側面は無視できなくなるような気がする。この仮説が正しいかどうかは今後明らかになっていくかなと思う。

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