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毛糸の原材料が違うと特徴が全然違う!

こんにちは、編み物作家haruです。
先日は毛糸についての記事を投稿しました。

ストール作品に使用したウール混毛糸の特徴や色味のこだわりについてのお話をしました。

上記ではウール混のことだけお話したのですが…

【毛糸の種類】はもっとたくさんあります!

読んでくださっているあなたを毛糸の沼へご招待!
それでは綴っていきます。


毛糸の原材料は大きく分けて3つ

毛糸を素材別で分類すると大きく3つに分けられます。

動物繊維・植物繊維・合成繊維

それぞれ詳しくご紹介します。

1.動物繊維の毛糸

羊毛(ウール)、アルパカ毛、カシミア、モヘア、シルクなどです。
これら動物繊維が原料の毛糸は、暖かく柔らかで、高級感があります。

カシミヤのマフラーってお店で買おうと思うとお高い…
でもとっても柔らかくて暖かいんですよね。

それぞれ肌触りが違うので、敏感肌の人はものによってチクチクした刺激を感じる人もいると思います。

2.植物繊維の毛糸

綿糸(コットン)、リネン糸(麻)などです。
これら植物繊維が原料の毛糸は、通気性も肌触りも良いのが特徴です。

涼しいので、サマーニットにもぴったりです。
季節問わず年中使える毛糸です。

「肌に優しいオーガニックコットン」と最近よく耳にしますが、柔い赤ちゃんのお肌にもおすすめです。

3.合成繊維

アクリル糸、ポリエステル糸、ナイロン糸などです。
これら合成繊維が原料の毛糸は、耐久性、速乾性に優れているため、お手入れが簡単です。

よく「アクリルたわし」とか「ナイロン紐で作ったエコバッグ」など聞きますが、他にもファッションアイテムや雑貨などにも使われています。

3つの中で一番用途が多様と言えますね。

番外編:半合成繊維の毛糸

レーヨン、リヨセル、モダール、アセテートなどです。
半合成繊維とは、植物の繊維を原料にして、製造過程で化学処理を施された人工繊維です。

天然繊維(動物・植物)に似た性質を持ちつつ、人工的に調整された特性も併せ持っています。


それぞれの特徴まとめ

今度はウール、コットン、ポリエステルなどそれぞれの素材の特徴を具体的にご紹介します。

動物繊維のそれぞれの特徴

毛糸=”ウール”と思われがちですが、実はたくさんの動物の毛が原料になっています!
しかもそれぞれで風合いが異なります。

  • 羊毛(ウール): 羊から得られる毛糸で、一般的で幅広い用途に使用される。

  • アルパカ毛: アルパカという動物から得られる柔らかく温かい毛糸。

  • カシミア: カシミヤヤギから得られる高級な毛糸。非常に柔らかく軽量。

  • モヘア: アンゴラ山羊の毛から作られる毛糸。柔らかくモフモフした質感。

  • シルク: シルクワームの繭から取られる糸で、滑らかな光沢があり、繊細な織り物に使用される。

私はウール100%の毛糸、アルパカ毛糸、モヘアを使用して作品を編んだことがありますが、同じ保温性でも肌触りが違うし、毛羽立ちが強い毛糸だと仕上がりの厚みにも違いが出てきます。

植物繊維のそれぞれの特徴

オーガニックのイメージが強い植物繊維の毛糸は以下のような特徴があります。衣料向けの毛糸をご紹介します。

  • 綿糸(コットン): 綿花の繊維から作られる毛糸。通気性があり肌触りが良い。夏季の衣料品にも多く使用され、年中使えて用途も様々。

  • リネン糸: 亜麻植物の茎から得られる糸で、丈夫で涼しい素材。ナチュラルな雰囲気が出る。

植物繊維の毛糸は、ほかにバンブー(竹)、ヘンプ(麻)、ジュートなどがありますが、雑貨向きの素材かもしれません。

合成繊維のそれぞれの特徴

人工的に作られた素材だからこそ、探してみると肌触りの良い毛糸が見つかることがある合成繊維の毛糸の特徴は以下の通りです。

  • アクリル糸: 柔らかく丈夫。手入れが簡単で、ウールに似た特性を持つ。

  • ポリエステル糸: 耐久性がありシワになりにくい。速乾性がある。

  • ナイロン糸: 強力な糸。耐久性があり伸縮性がある。

発色が良いものが多いです。耐久性があることが一番の強み!
衣服を編むときは、合成繊維が混合されている毛糸を使うとお手入れがちょっと楽になります。

半合成繊維のそれぞれの特徴

植物繊維の良いところを残しつつ、難有りな部分を人工的に手を加えた半合成繊維の毛糸の特徴は以下のとおりです。

  • レーヨン:柔らかく光沢がある。綿やリネンと同様に通気性があり、涼しく快適な素材。ただし水に弱いため、洗濯や取り扱いに注意が必要。

  • リヨセル(Lyocell): 柔らかく、吸湿性・通気性がある。

  • モダール(Modal): 柔らかく、光沢があり、シルクのような風合いを持つ。

  • アセテート(Acetate): 軽量で光沢があり、ドレッシーな素材として使用されることも。

私が扱ったことのある毛糸はレーヨンです。
コットンとレーヨン半々の混合毛糸だったのですが、とても柔らかく、くったりとした品のある仕上がりになりました。


混合毛糸はそれぞれの特徴の良いとこ取り!

今まではウール100%毛糸、コットン100%毛糸など、原材料一つのみで作られた毛糸を紹介してきました。

しかし!「ウール50%・コットン50%」で作られた混合毛糸というものもあるんです!

動物繊維と植物繊維の混合毛糸
植物繊維と合成繊維の混合毛糸
3種類以上の繊維を組み合わせた混合毛糸

数え切れないくらいの組み合わせが存在します。
それぞれの配合率の違いによっても肌触りや質感、編んだ時の仕上がりも変わってきます。

編みたいものやどんな仕上がりにしたいか、使うシーンに合わせて毛糸を選ぶことをおすすめします!


まだまだ書き足りないけれど…

書き出すとキリがない毛糸の世界。
今回は毛糸の原材料に注目してまとめてみました。

毛糸選びのお役に立てたら嬉しいです!
ご質問がありましたらぜひコメントなどで教えてくださいね。

次は編み物作品のお手入れについてまとめます。
最後まで読んでくださってありがとうございました!
また次回の記事でお会いしましょう。



あなたの記憶に、「私」が残っていたら、「私」がちゃんと生きていた証です。 どうか、覚えていてくれますように。