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【ありがとうのバトン#5】だったかもしれない人生



ピ…ピピ…ピピピ…ピ…。


目覚ましの音がとまる。あれ? わたし、いま止めたっけ? 習慣ってこわい。無意識ってこわい。

まあいいや、もうひと眠りしよう。


ガサゴソ、ガサゴソ。


やだ、なに、泥棒? こんな朝早くに?



視界の隅から手が伸びてきて肩に触れる。

「まこ、おはよー。」

まこ? なにこのひと、寝ぼけてるのかしら? っていうか、だれ??

なにもこたえずに、そそくさと洗面台にいく。



な、な、ナンジャタウン…じゃなかった、ナンジャコリャー!!!


え、わたし、めちゃくちゃかわいくなってない?

というか、別人な気がするけど。


(3秒経過)


ま、いずれもとにもどるか、夢オチでしょ。

だったら楽しまなくっちゃ、ね。



自分がだれなのかを見つけるために、まずはお財布をひらく。ほんのちょっぴり罪悪感。

お、社員証だ。「株式会社〇〇 コールセンター チームリーダー」


まだ23歳。ほぼ新卒なのに、チームリーダー。どうやらわたしは、かわいいうえにかなり「できる女子」らしい。

次はスマホを見る。写真フォルダを見ると、隣に寝ていた不審者(!)が半同棲中の彼氏らしいということがわかる。(今は寝てるからわからないけど)かなりのイケメンくんだ。


おっと、こんなことしてる場合じゃない。とにかく会社にいこう。


あっという間にお昼休み。小走りで超絶かわいい女の子が近づいてくる。え、もしかしてわたしに話しかけてくれるの??


「せんぱい、ごはんいきましょ♡」


やばい、萌える。キュン死する。



仕事の悩み、付き合ってる彼のこと、昨日食べたスイーツのこと。女の子の話はとにかく脈絡がない。


「そろそろ仕事、戻ろっか」まだ話したりなさそうな後輩ちゃんをなかば引っ張ってつれていく。


「真琴さんみたいに色んな話してくれる人周りに居ないので聞いててとても楽しいです!」


キュン死確定(二回目)



後輩ちゃんにとっては何気ない一言(たぶんごますろうとか考えてない)、でも、わたしにとっては最高の褒め言葉。

めちゃめちゃいい気分で仕事を終え、彼の待つ家に帰宅。


ね、寝てる…しかもお風呂も入らずに。


いやーーーーー!!!!! おふとんが汚れちゃう!


眠ってる彼をたたき起こして怒鳴る…のをがまんして、「一緒におふろはいろ♡」と促す。人と暮らすってほんとに難しい。



お風呂から出てインスタをみると、親友が赤ちゃんの写真をアップしている。いいなー。かわいいなー。ほしいなー。



横目でちらりと彼を見ると、夢中でゲームをしている。

うちはまだまだかな…でも、待ってるだけじゃなにも始まらない。

プロポーズしちゃおっかな。わたしから。

「いつまでもこうして一緒にいられたら...」





ピ…ピピ…ピピピ…ピ…。

目が覚める。洗面台に向かう。やっぱり夢オチだったか笑

(この物語に登場する人物は実在しますが、物語はフィクションです)



真琴さんや真琴さんを取り巻く人たちが素敵すぎて、真琴さんの人生を体験してみたい!というわけで、勝手に入れ替わっちゃいました。真琴さん、ごめんなさい。もしなにかあれば言ってください!すぐに直します!!!



ありがとうのバトン



*トップの画像は銀魂の大好きなエピソード「おれがマヨラーで あいつが甘党で」のワンシーン。銀さんと土方さんが入れ替わっちゃうエピソード。

(引用:https://www.bn-pictures.co.jp/gintama/story/287.php)








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