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フリーランスの「フリー」は、「自由」という意味ではない(と思う)

コロナウイルスの影響で、はじめての在宅勤務を経験した人も多いと思います。

…やってみてどうでしたか?

「コミュニケーションが取りづらい」「ひとりだと集中できない」「仕事ぶりをきちんと評価してくれてるか不安」という人がいる一方、「邪魔がはいらなくていい」「効率よく仕事ができる」などメリットを実感している人も一定数いるようです。

ですが、「ひとりで仕事したほうが快適じゃん!」とか「会社もこのあとどうなるかわからないし…」などと考えて突発的にフリーランスになるのは、ちょっと待った!!!

もしあなたが会社勤めをしているのなら、辞めないでください。特に今のタイミングは、最高にマズイです。

なぜこれほどまでフリーランスがおすすめできないのか? わたしの体験談を交えて話してみたいと思います。

*会社を辞めてから1ヶ月ほどフリーランスをして起業したのですが、今も他社さんでコンサルティングとかをやっていて、働き方はほぼフリーランスです

いきなりフリーランス!は止めたほうがいい4つの理由

フリーランスって、実はぜんぜん自由じゃないんです。

英語の「free」には、

自由な、無料の、時間がある/空いている、~を含まない/~を免れて、離れる/除去する/片付ける、お金を惜しまない、遠慮がない/制限がない/なれなれしい 出典:English Style

という7つの意味があるそうなので、意味は間違っていないのですが...。せっかくなので、おすすめできない理由を、英語の「free」の意味から説明してみようと思います。

①時間がフリー(制限がない)

会社員は労働時間が決まっています。残業もあるでしょうが、ちゃんと法律(労働法)で守られています。一方、フリーランスは会社との雇用関係がないため、労働法は適用されません。つまりフリーランスは、朝も夜も平日も休日も関係なく、時間無制限で働けるというわけです。

はたらく時間に制限がなく、残業代も支払わなくていい。健康保険や雇用保険など社会保険料もかからない。この状況を悪用して、フリーランスをこき使う会社も少なくありません。

悪意がない場合でも、時間無制限で働くことになりがちという状況はあまり変わりません。

(ちなみに会社員であっても在宅勤務になると、仕事をしている姿が見えない=成果だけがもとめられがち=はたらく時間が増える!ということになりがちです。ご注意ください)

業務委託契約では、明確な成果物がない場合(たとえば人事コンサルティングとか、メディア運営サポートとか)は、1ヶ月の稼働時間の見込みで契約を結びます。1時間あたり5,000円としたら20時間で10万円というわけですね。

ですが、この「月20時間」という見込みは大幅に上方修正されます。ひどいときは2倍、3倍の時間働いても報酬が変わらないこともよくあります。

②報酬がフリー(無料!?)

フリーランスには最低賃金がありません。これは契約する側の企業にとって好都合です。

たとえば5,000文字の記事を8時間かけて書くとします。会社員なら1,013円(東京都の最低賃金)× 8時間=8,104円になります。ですが、フリーランスになると1,000円でも2,000円でもいいということになります(実際に、クラウドソーシングではこんな報酬がまかり通っています)。

こうした差がうまれてしまう理由は、会社員とフリーランスの評価の違いにあります。

会社員は基本的に労働時間で報酬が決まります。一部、インセンティブなど成果報酬もありますが、きちんと出勤さえしていれば給与をもらえます。

ですがフリーランスの場合は、働いた時間はまったく関係ありません。記事を完成させた、契約を1件取ってきた、システムを構築したといった「成果」ですべてが決まります。100時間働いたとしても、完成させられなければ1円にもならないことだってあります。

無料(ただ)とまではいかないですが、気づけば時給500円なんてことも...はぁ。

③将来がフリー(空いている)

日本の法律では会社員(特に正社員)は、いきなり解雇されることはありません。どうしても辞めさせたい場合は、雇用主が解雇予告または30日分以上の賃金を支払わなくてはならないからです。

こうしたセーフティネットもフリーランスには適用されません。月末に「今月で契約終了で」なんて言われることは、ざらにあります。契約書に解約条項(中途解約した場合に違約金を支払う条項)を設けていたとしても、あまり意味がありません。

さらにひどいことに成果が出ているにも関わらず、会社の方針転換や諸事情で打ち切りになるなんてことも。将来なんてまっしろ、100%確実なものなんてなにもないという意味でもフリーなのがフリーランスなんです。

④ストレスフリー(ストレスがない)

ストレスフリーってふつうはいい意味で使われますが、ここではちょっと別の意味で使ってます。

ひとつめは、「自分の好きなことで、時間も場所も自由に働ける」ようになるのは、めちゃくちゃたいへん!という意味。

最初のうちはクライアントさんを選ぶことなんてできません。がむしゃらに仕事をしなくちゃ食べてけない。ストレスフリーになるまでには時間がかかる上に、そんな働き方ができるのは選ばれた一握りの人だけです。

もうひとつは、本当にすべてのストレスから解放されちゃうとがんばれない、という意味。

ストレスは平たくいうと「刺激」のこと。パワハラなど悪い刺激はもちろん取り除いたほうがいいですが、良い刺激はあったほうがいいです。ちょっと背伸びした目標があるからこそ工夫してがんばったり、営業成績トップの同僚をみてやる気がでたり。こうした良い刺激を受けられるのは、会社員ならではのメリットだと思います。


もしこの記事で、夢を壊しちゃったらごめんなさい。でも、リスクは知っておいたほうがいいと思うんです。知ったうえでフリーランスになるのなら、止めないです。だってわたし自身、フリーランスになって起業した今が、いちばん楽しいんですから。


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