質問をするときは理由と背景も添えたほうがいいよねという話

人によっては当たり前で単純な話かもしれませんが、僕が普段なるべく意識していて、他人にも意識してもらうように伝えることがある話です。

コミュニケーションは言葉のキャッチボールとか言われますが、色んなパターンがあると思っていて、不親切なボールを投げられることもあれば、そんな投げ方でも相手が華麗にボールキャッチしてくれることもあれば、自分の構えるグローブミットのど真ん中にボールを投げてくれることもあります。つまり、互いのコミュニケーションレベルや共通認識、思いやりの相違によってキャッチボールの難易度も変わってきたりします。

じゃあそのギャップをできる限り埋める、つまり互いのコミュニケーションコスト下げるためにやっていることというのが、タイトルのお話です。

質問する場面というのは相手や状況、環境などによって様々だと思いますが、ここでは一般化してお話します。

例えば僕が仕事で分からないことがあって上司に質問をしたいとします。

その時に、普段どおりの聞き方なら、「○○についてお伺いしたいことがあります。」といったようになると思います。

これに理由と背景を添えると、「○○についてお伺いしたいことがあります。先程、☓☓がお客様との商談で必要になり準備しておりましたが、△△で問題になっているためです。」といったようになります。

文章は少し適当ですが、ポイントは、相手が知りたいと思える情報を先んじて伝えるということです。そして知りたい情報の多くは、その質問のコンテキスト、つまり何故それを知りたい(やりたい)のか?何故それが達成できていないのか?質問してきているのか?です。

これはITエンジニアならばエラーが発生したときに自分が試したコマンドログと発生したエラー内容(と何を期待していたのか)を伝える、という風に言い換えることもできます。

質問するときって場合によっては色々気を使ってしまいますよね。相手が忙しくないかなとか、しょうもない質問で怒られないかな…とか。特に先程の例のように、相手が上司など普段から忙しい人には可能な限り少ないキャッチボールで効果的な質問をしたいというのがモチベーションとなります。

質問のコンテキストを伝えない場合、コンテキストの確認から入る必要がありますし、質問の内容が簡単だったり、質問の意図を汲み取って回答してくれたりすることもありますが、実際には相手のコミュニケーション負荷が想定以上にかかってしまっている場合もあります。こういったことが続くと、最悪の場合「この人とあんまり話したくないな…」って思われてしまう事態になってしまいます。

もちろん、親切丁寧に教えてくれる人は世の中にたくさんいますが、それに甘え続けていてはいけないですよね、ということです。

しかし、例外もあります。

例えば新入社員が入社したとき、メンターや上司、チームメンバーに質問する機会は多いと思いますが、この場合の多くは、質問だけになってしまいます。(質問自体の解像度が低いこともあります。)

これは相手への思いやりがないからとかではなく、分からないことが分からないからだと思っています。

質問の理由や背景といったコンテキストを伝えるには、まずそれらを理解する必要があります。それらが自明な場合はかまいませんが、自分の行ったことのどこに問題があったのかとか、なぜこれが必要なのかとかが分からないこともあります。これは慣れの問題なので本人に非はなく、またその類の質問の多くは経験者ならば欠落した情報を補完して理解してくれることが多いです。

また、この伝え方も注意点があります。

それは、相手と状況によってはこの伝え方がやや冗長でかったるく聞こえることです。

シンプルで単純な質問に対して、長々と背景や理由を付け加えられても蛇足のように思えますよね。「で、結局言いたいことは何?」といったように。

具体的には、知恵や考えではなく、知識を問う質問ならば要注意です。

もちろんコンテキスト含めた質問事態を簡潔明瞭にできるのがベストですが、そう簡単ではないですし、相手の受け止め方にもよります。

あとは、質問する方も結構大変だったりします。手短に質問だけしたいときもあるため、毎回コンテキストを付け加えることを続けているとしんどくなってきます。

じゃあどうすればいいかというと、元も子もない結論で恐縮ですが、時と場合によって使い分けるしかない、というのが僕なりの考え方です。

例えば、○○さんは毎回質問するときに逆質問をしてくるから、次からは最初に付加情報を伝えておこう、とするとか、○○さんはせっかちで要点や結論だけ知りたいという人だから、まずは手短に質問だけしよう、とするとか、ケースバイケースで使い分けるということです。最初から完璧は無理なので、微調整していけばいいと思います。目的は完璧な質問ではなく、円滑なコミュニケーションなので。

ただし、冒頭の話のように、お互いのコミュニケーションコストを下げる、相手のコミュニケーション負荷を下げるということは常に意識しておきたいことであって、それが思いやりをもって接するということなんだと思います。

よくある言い回しで、伝えると伝わるは違うというのがあり、これは説明に際してのことだと思いますが、質問でも似ているなと思ったので、つまりそういうこと、というお話でした。

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