見出し画像

【不妊治療記録vol.43】胎嚢が確認できた日

 31歳から妊活を始めた私と夫(35)。生理は超順調、生理痛も一切なし、婦人科検診も毎年クリア。夫の海外転勤に伴う海外生活でも引き続き不妊のため、日本に単身帰国しての体外受精(自費)へ。最初は私が不妊なわけがない!と思っていたけど実は”妊娠しない側”だった私たちの不妊治療記録。

子宮外妊娠になるくらいなら

 妊娠と呼ぶには微妙な結果で、その後再度病院へ行ったものの、hcgは微妙に上がるだけで胎嚢は確認できず。医者からは子宮外妊娠の恐れを説明され、ますますなんで手放しで妊娠を喜べる状態じゃないんだろうと、念願の妊娠をしたのに気分は晴れやかではなかった。妊娠判定から3回目の受診の今回で胎嚢が見えてなければ危ないかもしれないなと思いながら、重い足取りで病院へ向かった。
 夫には「どうせダメになるなら化学流産がいい。子宮外妊娠して痛みも感じて次の移植が伸びるのは嫌だ」とLINEをしていた。今思えば最低なことを言ってるかもしれないが、それほど子宮外妊娠の恐怖に怯えていたのだ。

これってもしかして?

 まずは内診室へ入り、子宮エコーをする。エコーを入れた瞬間、左手に握ったお守りはぐっしょりと濡れていた。目も開けるのが怖くて、ぎゅっと目を閉じていた。そして数秒経った頃だろうか、そっと目を開けると、エコー画面の中にポツリと空砲のようなものが見えた。これがもしかして、待ち望んていた”胎嚢”なのかもしれない。

医者「子宮内に胎嚢ありますね。こちらです」

 私が胎嚢かもしれないと思っていた空砲のようなものが、まさに胎嚢であった。ちゃんと子宮内に、しかも妊娠をしていた。「よかった…」と思わず声が漏れた。

胎嚢が確認できても

医者「無事子宮内に着床していてよかったです。今日のhcgは2200ですね
「それって安心できる数字なんでしょうか?」
医者「同じ時期の人と比べると、数値は低いです。だいたい4日くらい遅いかな」
「やっぱり数値が低いと経過も良くないでしょうか」
医者数値が低い方が流産の可能性は高いです

 結局胎嚢が確認できても、私のhcgは低いままだった。せっかく胎嚢が確認できても、このまま流産になるのかな…胎嚢があれば、子宮外妊娠でなければ、と数分前まで思っていたのに、どんどん欲深くなる自分が嫌になる。

医者「でも今回はひとまず胎嚢が見れて、子宮外妊娠ではないということがわかっただけでもよかったですよ。子宮外でなかったので、次回は一週間後にしましょう。そこで心拍確認します」

 普段最悪のケースを話して不安にさせることをいう医者であるが、今回は私が必要以上に不安がっていたのか優しい言葉をかけてくれる。

夫に報告

 早速夫に「胎嚢が見えた!」と報告をし、夫もhcgはいくつだったのか?など質問をしてきた。夫にLINEしている間も「hcg 低い 流産」など携帯でたくさん検索しては不安な情報ばかりを見ていた。そうこうしているうちに看護師に別室に呼ばれた。

噂の”妊娠おめでとう用紙”

 別室に看護師に呼ばれると、「妊娠された方へ」という用紙をもらった。そこには通院のスケジュール、何週の診察で何を見るのかということや、薬やレントゲンなど妊婦が気をつけるべきことが簡単に書いてあった。
 しかし私は低hcgで、流産の可能性が高い。それを知ってるのか知らないのか看護師から「次心拍見えるといいですね〜」なんて笑顔で話してくるのだ。本当に来週心拍は見えるのだろうか。あまり期待しないまま、看護師の話に頷いていた。

次の壁、心拍確認

 せっかく胎嚢が確認できても、次は心拍確認の壁がある。次回心拍が見えないと流産の可能性がさらに高まるため、お願いだから心拍確認をしたいと神様にお願いした。胎嚢が確認できた今、化学流産という可能性はないが、初期の稽留流産の可能性がまだ私には残されていた。稽留流産となると中絶と同じ要領で手術をしなければならないため、心の負担も大きい。どうか順調に行きますように、hcgは低いけど奇跡が起こりますようにと願いながら帰った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?