鬼様のブランチ 「チョコどころではない……」
今回の鬼ブラ！
・バレンタイン当日回。ここから入れる保険が………果たして………？
前回の鬼ブラ！
・バレンタイン前日回。おじいはやらかしてしまったのだった。
0個
しゅーん………。
うわっ、まだ気にしているんですか。しつこいな。
やらかしたなら、謝ればいいだけでしょう。勝手にしょんぼりしたところで、謝意も反省も伝わりませんよ。
謝るったって、お前さあ。
和泉と俺の力関係では、俺が謝ったら、あいつは許すしかないだろ。
けっこうなことじゃないですか。
「心の中がどうあれ」だぞ。
この力関係で怒るほどムカついたことを、いいえ気にしてません、許しますなんて言わされて、遺恨が発生しないと言えるのか？
心の中なんてそんなに重要ですか？
他の者の心はどうでもいいが、お前や松本や、蘭香や、和泉の心の中は重要だな。
………チッ。
なんで舌打ちしたんだ。
1個
んまあ～っ、まだ気になさっているのですか。うじうじして景気の悪い。
ほれ！ チョコですわ！
ありがとう。
うん、元気出てきた。
杉本は叱りに来ただけで、影も形もチョコの気配させなかったな。
それでもわざわざ来たのですから、気にはかけているのでしょう。それだけ落ち込まれたらね。
白鷺さんを怒らせたら比較的緊急性があると思いますけれど、和泉さんはそのうち許してくださいますわよ。
楽しみにしていらしたバレンタインでしょう？ 切り替えて、チョコくれ妖怪になられた方がよろしいわ。
うん。
2個
チョコちょうだいよ。
はいよ。
あんたは「ヨーロッパの王室御用達」が好きだから、ヴィタメールの生チョコを買ったわ。すぐ食べないなら冷蔵庫ね。
やったー。
ここでは開けない方がいいな？
そうね、桐生が見たらさすがにいい気はしないでしょうから。
風の噂に聞いたんだけど、チョコの数を競ってるらしいわね？ 斎観が台所でチョコケーキ焼いて配ってたから、もらうとカウントを1稼げるわよ。
風らしい断片性だな。そいつと競っているのだ。
あら、じゃあピンチじゃない。
向こうは製菓の特技を活かして、能動的に働きかけてるわよ。いい匂いさせてケーキ配ってたら女はもらうし、もらったら返すでしょ。
ハッ………本当だ。
ずっる～い！
ずるかないわよ、実力を発揮してるんだから正当よ。
不利な相手に吹っ掛けたわね。
3個は3個
うわっ、めちゃくちゃいい匂いする！
1個くれよ！
どうも刹那様、本日もお美しいですね。
どうぞ、焼きたてのフォンダンショコラです。少しビターに作ってあるので、ホイップクリームも添えましょう。
洒落たもん作ってさあ…………すごい美味いな。中からトロッと熱いチョコ出てくる～。
コーヒーもどうぞ。
ムムッ……。
この屋敷では「師の世話をして（他で就労せずに）一生暮らそう」と考えながらも、師の世話もそんなに高いレベルでこなせない者が多い中、神無の従者だけいつもこんなんでずっる～い。
別に、どちらかといえば奨励しているのだ、「金を持っている師の世話をして終生を過ごす」というライフスタイルは。しかし、
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