楽天、通販「送料込み」に、公取委調査受け、「無料」表記を変更。
【背景】
【送料込みの施策 揺るがず】
楽天は13日、ネット通販サイト「楽天市場」で3980円以上購入した場合に送料を無料化する方針について、「送料込み」の表記に修正する考えを明らかにした。一部の出店者が「送料負担で赤字になる」と方針の撤回を求め、公正取引委員会も独占禁止法違反(優越的地位の乱用)容疑で調査を始めている。出店者が商品価格に送料を上乗せしやすい表現に変えたが、一連の問題が収束するかは不透明だ。(関連記事を企業面に)
【少数の出品者に影響があると認めたうえで、負担がないように努める】
三木谷浩史会長兼社長が13日に開いた2019年12月期の決算説明会で、「送料無料の言葉が一人歩きし、誤解を招いた。(出店者の)経済的な負担がないようにする」と述べた。公取委の調査については「影響があった」と認めた上で、「店舗で価格を調整してもらうので、優越的地位の乱用にも当たらないと考えている」とした。
【反対の声も多い 店が送料を決める権限はなくなる】
楽天は昨年12月、出店者向けに通知を出し、3月18日から消費者が3980円以上の商品を購入した場合(沖縄や離島などを除く)、サイトの表示を自動的に「送料無料」に変更する方針を示した。楽天市場は約5万店の出店者がいて、すでに一定の購入額で送料を無料にしている店舗も多いが、中小店舗を中心に「店が送料を決める権限をなぜなくすのか」「店舗で送料を負担すると、利益は吹き飛ぶ」との反対の声も強かった。
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ただ送料込みの表示に変えることで、一部の出店者との対立構造が解消されるかは不透明だ。送料込みになっても、余裕のない出店者は結局、送料を商品価格に転嫁せざるをえない。出店者からは「送料は配送先の地域によって異なる。1つの商品価格にまとめるのは難しい」との声も出ている。
また楽天は、送料込みの表示にするためのシステム変更はこれからとしている。消費者にとって、商品価格と送料がそれぞれいくらなのか、わかりにくくなる可能性もある。
【感じたこと】
・送料込み→送料無料に変更
・少数の出品者に影響が出たことを踏まえ対処するとのこと