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ときには知ったかぶりも必要である

以前、サイバーセキュリティ担当大臣がUSBのことがわからなくてひんしゅくを買った。

あれはマズい。

この国のサイバーセキュリティのスゴさが世界に知られてしまう。

わからなくてもわかったフリをするのが大臣の使命だ。

今後は、ブロックチェーンと言われてもフロッピーディスクといわれても涼しい顔でうけながしてほしい。

国防のためには知ったかぶりも必要である。

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しかし、知ったかぶりは思わぬところでバレる。

ゴロの良さにつられてバレるパターンが多い。

ぼくじしんで言うと、小学生のころ「夏のセンバツ」といって笑われた。

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高校野球は、春と夏に大会がある。

春は「選抜」で、夏はトーナメントだ。

春は、秋に優秀な成績をおさめた学校が選ばれて(選抜)出場する。

一方、夏の大会は、地方大会から一戦一戦「負けたら終わり」のトーナメントである。

したがって「夏のセンバツ」というのは存在しない。

しかし、小学生のぼくは「春のセンバツ」があるんだから「夏のセンバツ」もあるだろうと知ったかぶりでしゃべって笑われた。

ゴロのよさに引きずられてしまったがゆえの敗北である。

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高三のとき、高校の野球部が夏の地方大会で勝ち上がっていったことがある。

しかし、3年生は受験もひかえているし、応援にはあまりノリ気ではない。

そこで、体育のO先生が講堂に生徒をあつめて「ぜひ応援にきてくれ!」とゲキをとばした。

「とくに三年生のきみらは、これから共通一次、そして共通二次へと・・・」

ここで全校が爆笑。

当時、国公立の試験は、「共通一次」と「二次」があった。

共通一次とは、いまでいうセンター試験である。

一次だけは全国共通でやろうということで「共通一次」と名づけられていた。

二次試験はもちろん各校バラバラ。

「共通二次」というのは存在しない。

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しかし、O先生は、「共通一次」のゴロの良さにひっぱられて安易に「共通二次」と言ってしまい、爆笑をさそった。

スパルタで恐れられるO先生だったが、「この人は体育のこと以外は、ぜんっぜんわかってないんだな」と全校生徒にナメられてしまった瞬間だ。

サイバー大臣のUSBなみである。

ゴロのよさには、じゅうぶん気をつけたい。

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