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悪ガキになろう

悪ガキはおもしろい。

いいかえると、優等生はつまらない。

これに気づいたのはアニメ『シンプソンズ』のおかげだ。アメリカ版の『ちびまる子ちゃん』みたいな作品でこのnoteでもたびたび取り上げている。この場合の悪ガキとは、シンプソン家の長男バートである。

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『シンプソンズ』にはたくさんの優等生キャラが登場する。「なんでこんなにたくさん出てくるのだろう」と疑問をもったのがきっかけだった。『ドラえもん』で優等生といえば出木杉しかいない。

しかし、シンプソンズではまずバートの妹リサが優等生だ。そしてクラスにも、いじわるな優等生のふたご女子。そして、学者みたいな口を利く空気の読めない男子優等生と2組の優等生キャラがいる。

一方、ドラえもんに出木杉君はめったに出てこない。たぶん、のび太のまわりにはジャイアンやスネ夫など他の悪ガキがいるので、出木杉は必要ないのだろう。そう考えているうちにバートの魅力に気づいたのである。

バートは悪ガキの完成型だ。のび太とジャイアンとスネ夫を足したようなクソガキである。成績が悪くナマケモノで(のび太)、運動が得意で気が強く(ジャイアン)、口がうまくて悪知恵がはたらく(スネ夫)。彼一人で、ジャイアンとスネ夫とのび太をこなしてしまうので、引き立て役がいない。そこで優等生が必要になる。

バートは自分のことをアタマが悪いと思っているけど、じっさいは学校という退屈な場所に適応できないだけで、勇気と知恵のあるじつにハンサムな悪ガキである。

のび太にも、ジャイアンにも、カツオにも、花輪君にも、丸井君にも、出木杉君にも、バートのような強さと弱さはない。たぶん日本のアニメでは、あそこまでのアウトローは求められないのだろう。日本でバートっぽいというとビートたけしさんが真っ先に思い浮かぶ。

もしかすると、ぼくらはこれまで悪ガキの役割をお笑い芸人さんに押し付けていたのかもしれない。でもいまはSNSの時代だ。すこしくらい振り切れた人生を送ったほうがおもしろい。知恵と勇気のあるステキな悪ガキが日本にも増えてほしい。

ぼくも、バートを見習ってもうちょっと意識的に振りきれていく。

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